幼い頃から大学に行くことを目指したが、「中国の大学受験は出身地も関係してくるから、非常に厳しい」と、海外留学の道へ。日本を選んだのは、「高品質のものを受け入れてくれるから」と、将来日本で働くことも見据えていた。
中学生の頃からPCに馴染んでいたこともあり、学生時代のアルバイトはプログラミング。このノウハウを生かしながら、修士課程の在籍時のアイデアをビジネス化したいという想いで、popInを創業した。
事業内容は、記事コンテンツを配信するメディアなどのウェブサイト向けレコメンドウィジェットの提供だ。コンテンツがどれだけ読まれているかを計測できる独自の指標「READ」も市場に投入している。
優位性のあるサービスに、中国で広告プラットフォーム事業を展開するバイドゥが注目。経営統合することになる。この流れを、程涛はどう捉えているのか。「もともと売却を考えていた」とさらり。新しいサービスを創造するには「資金が必要」との判断からだ。
バイドゥの技術と融合して開発したのが、AI技術を活用した画像レコメンドエンジン「Photo Discovery」。2月に提供を開始した。配信される記事のなかにある画像をディープラーニングで解析し、画像を切り口にしたレコメンドを可能とする。Photo DiscoveryをREADに組み込むことで、READのユーザー企業はコンテンツ閲覧者をさらに深く理解できるようになる。
高品質を求める日本だからこそ、「価値の高い記事を提供したいというメディアが多いはず」と、多くのユーザー企業の獲得を目指す。日本で成功事例をつくり、バイドゥとの経営統合を生かして、アジアに進出することを目標に据える。レコメンド市場で「アジアでNo.1になる。2020年までに形にしたい」。世の中にない新しいサービスを提供することで、夢を現実のものにする。(敬称略)
プロフィール
程涛
(Tao Cheng )
1982年、中国・河南省生まれ。東京工業大学卒業後、東京大学情報理工学研究科に入学。修士課程に在籍していた2008年、popInを創業。15年、バイドゥとの経営統合を果たし、現在はpopInの代表取締役として手腕を振るう。