Special Feature
有望分野はこれだ! 変貌するSIerの成長ビジネス
2013/02/07 21:33
週刊BCN 2013年02月04日vol.1467掲載
●【コア】 屈指の組み込み技術をM2Mに応用 組み込みソフト分野では業界屈指の強さを誇るコアは、M2Mやセンサデバイス、EMS(エネルギー管理システム)、農業、ヘルスケアなど、あらゆる分野に対して自社の組み込み技術を展開しようとしている。 組み込みソフトといえば、ひと昔前まで従来型携帯電話と車載機器(カーナビなど)、情報家電(デジタルテレビなど)が三種の神器といわれ、コアもこの領域でビジネスを伸ばしてきた。だが、国内電機メーカーがスマートフォンの潮流に完全に乗り遅れ、世界のテレビ市場でも劣勢に立たされるなか、コアは組み込みソフト技術をベースとしながらも「新しい領域へのシフト」(簗田稔社長)を急いでいる。 この新領域としてターゲットとするのがM2Mやセンサデバイス、EMSなどの分野である。向こう3年をめどに、こうした新規領域で30億円の事業規模に育てることを念頭に置いて、市場開拓に力を入れる。また、川崎市内にある先端組込み開発センターではDCの増築も進める。有力分野であるスマートコミュニティやビッグデータの領域で、コアが強みとする組み込み技術を生かしたサービスビジネス立ち上げることで、従来の三種の神器を上回る巨大な市場獲得を狙う。 ●【日本情報通信】 「PureSystems」でいち早く受注獲得 日本IBM系SIerのNI+Cは、大規模システムの構築に強い。この強みを生かしてIBMの垂直統合型サーバー製品群「PureSystems」の販売で業界をリードしている。ビッグデータ分析で威力を発揮し、Netezzaテクノロジーを採用した「PureData System for Analytics」では、野村雅行社長は「受注確度の高い引き合いが2ケタほどもある」と確かな手応えを感じており、アプリケーションプラットフォームの「PureApplication System」では、今年度(2013年3月期)、日本IBMのビジネスパートナーのなかで最も早く受注にこぎ着けた。 日本IBM系のビジネスパートナーの多くは、中堅・中小規模のユーザー企業向けの販売で強みをもつSIerが多いが、Netezza系商材の主な販売ターゲットは、データウェアハウス(DWH)を日常的に活用している比較的規模が大きいユーザーである。商談相手も「販売に直結するビッグデータ分析系のシステムだけに、CMO(マーケティング担当役員)と直接話す機会が増えた」と、これまでのCIO(情報システム担当役員)との商談とは異なる売り方になっているという。NI+Cは大規模システム構築の強みを生かすかたちで、IBMの新しい主力商材である「PureSystems」シリーズの販売でチャンスを掴もうとしている。 ●【キヤノンMJ-ITHD】 強みの枠組みを一段と広げる キヤノンMJアイティグループホールディングス(キヤノンMJ-ITHD)は、グローバルカンパニーであるキヤノングループの強みを最大限に生かして、グローバルやクラウドビジネスに乗り出している。2012年8月にはタイ・バンコク、11月にはフィリピンの拠点でそれぞれ営業をスタート。すでに進出済みの中国・上海と蘇州の拠点も含めればアジアに4拠点を展開する体制まで整備してきた。 キヤノンが国・地域別に設けた販売会社制度の影響で、長らくドメスティックなビジネス形態であったが、ここ数年は、ITソリューション分野でのグローバル化を積極的に進めている。合い言葉は「Beyond CANON,Beyond JAPAN」で、従来のキヤノンのビジネスの枠組みを広げ、世界へと飛び出していくことでビジネス拡大を推進する。 クラウドビジネスでも、2012年10月にキヤノンMJとしては初めての超大型DCの「西東京DC」(約2300ラック)を全面開業するなど、インフラ面での整備を急いでいる。浅田和則社長は、「今期(2013年12月期)からのクラウド関連ビジネスは前年度比倍増くらいの勢いでやっていきたいし、“Beyond JAPAN比率”も早期に10%超えを目指す」と、意気込む。
記者の眼 準大手や中堅・中小が推し進める“強みの横展開”は、一見すると王道のようにみえるが、実際は山のような失敗の連続である。事例に登場してもらったアイティフォーでも次から次へと独自のアイデアを打ち出しては、鳴かず飛ばずで消えていくケースが、現実には多い。それでも業界トップクラスの粗利率の高さを誇り、業績を伸ばしているのは、死屍累々のアイデアのなかにも花開く分野が少なからずあるからだ。“強みの横展開”は確かにリスクは少ないかもしれないが、だからといって失敗しないわけではない。むしろリスクが小さい分、失敗を恐れずに、数で勝負していく果敢な姿勢が求められている。
情報サービス業のビジネスモデルが大きな変化を遂げるなか、準大手や中堅・中小のSIerは新ビジネスやアイデアビジネスの立ち上げに意欲的に取り組んでいる。あの手この手でビジネスチャンスを掴もうとするSIerの姿に迫った。(取材・文/安藤章司)
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