2016年、IT企業各社はどう動くのか──。『週刊BCN』編集部は、業界を代表するIT企業各社のトップにインタビューを行った。2015年を踏まえ、2016年の市場をどうみているのか。投資が活発な業界、業種は──。市場動向を見据えた自社の業績は、海外ビジネスへの意欲は。IoTなど新トレンドに対するビジネスの進捗具合はどうか。集まった回答をもとに、2016年の市場動向やビジネス戦略についての傾向を分析しレポートする。(構成/佐相彰彦、前田幸慧)
回答いただいたITベンダー
アイエックス・ナレッジ、アイティフォー、アイネット、ITホールディングス、内田洋行、SRAホールディングス、エス・アンド・アイ、NECソリューションイノベータ、NECネクサソリューションズ、NECネッツエスアイ、NECフィールディング、NSD、エヌシーアイ、NTTソフトウェア、NTTデータ、エプソン販売、応研、OSK、オージス総研、オービックビジネスコンサルタント、沖データ、関電システムソリューションズ、京セラコミュニケーションシステム、コア、CAC Holdings、JFEシステムズ、JBCCホールディングス、シネックスインフォテック、新日鉄住金ソリューションズ、ソフトクリエイトホールディングス、ソフトバンク コマース&サービス、ダイワボウ情報システム、TKC、DTS、TDCソフトウェアエンジニアリング、電通国際情報サービス、東芝ITサービス、東芝インダストリアルICTソリューション社/東芝ソリューション、日興通信、ニッセイコム、日本オフィス・システム、日本システムウエア、日本事務器、日本情報通信、日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ、日本電子計算、ネットワールド、野村総合研究所、ピー・シー・エー、日立システムズ、日立ソリューションズ、富士ゼロックス、富士ソフト、富士通エフ・アイ・ピー、富士通エフサス、富士通システムズ・イースト、富士通システムズ・ウエスト、富士通ビー・エス・シー、富士通マーケティング、フューチャーアークテクト、豆蔵ホールディングス、ミツイワ、ミロク情報サービス、ヤマトシステム開発、ユニアデックス、理経、リコージャパン、菱洋エレクトロ(計68社、五十音順)IT市場の動向
緩やかながらも市場は成長
1ケタ前半の伸び
緩やかながらも、IT市場は成長するというのがITベンダー各社の見解だ。価格下落が激しいハードウェアのビジネスは厳しい一方、クラウドを中心としたサービスに関してユーザー企業のニーズはますます高まっている。ただ、すべてのシステムでクラウドを採用するという傾向は低く、オンプレミス型も依然として残る。そのため、「ハイブリッド」を提案することが望ましいとの見方が強まっている。ITベンダーにとっては、クラウドとオンプレミスを組み合わせたソリューションの提案が成長のカギとなりそうだ。
また、ハードでは、Windows 10が登場したことで、スマートフォンやタブレット端末などスマートデバイスが市場を盛り上げると期待される。
ITベンダー各社の業績
市場の伸び以上は成長する
自社の強みを生かす
ITベンダー各社に自社の業績見通しについて聞いたところ、明るい兆しがみえているが楽観視はできないとの考えから、市場の伸びと同様に1ケタ前半の成長が妥当と答えるITベンダーが多い。しかし、「5~9%」と1ケタ後半の伸びを期待するITベンダーも多かったことから、市場の伸び以上は成長させると意気込む姿もみられる。
「マイナンバー」「Windows Server 2003 EOS」など、需要を掘り起こすための話題が少なからずあった2015年と比べて、2016年は電力自由化以外に大きな話題がない。ただ、2020年の東京五輪開催に向けたインフラ整備を切り口に、大きなビジネスチャンスをつかむことができる可能性を秘めている。ほかにも、IoTやAI(人工知能)といった新しいトレンドの期待があることから、市場の伸び以上の成長を目指すITベンダーが多いのだろう。
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