――2022年の振り返りを。

　基幹系と情報系を融合させた統合業務パッケージ「SMILE V シリーズ」の5年ごとの新製品提供のタイミングと、23年10月からのインボイス制度や、その後の改正電子帳簿保存法の両法令改正に向けた対応のタイミングが重なったこともあり、われわれが開発しているソフトウェアに対する追い風がたくさん吹いた。業績の面では前年に比べて大きく成長することができ、全体として22年はいい年だった。
 
――具体的なビジネスの状況は。

　クラウド版の製品が売れて、オンプレミス版の製品が鈍るということはなく、両方とも売り上げは伸びた。目先の売り上げにつなげられたことに加え、ストックビジネスの観点では、23年以降に向けていい状況をつくることができた。

――課題は。

　ビジネスの柱になっている受託開発について、案件は豊富にあったものの、体制の強化が追いつかなかった。この部分は伸ばすことができず、残念だと思っている。

強みを生かした共創を目指す

――23年の戦略は。

　法令改正関連の勢いは継続するとみているので、この部分にはしっかり注力していく。あとは業務のデジタル化を加速させていくため、基幹系パッケージ製品「SMILEシリーズ」と情報系パッケージ製品「eValueシリーズ」をより柔軟に利用できるような仕組みの提供について検討する。

――力を入れている共創の取り組みは。

　22年は共創に関してさまざまな取り組みを進めた。これからも力を入れていく方針で、23年は強みを生かした共創を目指す。製品を根底から変えていくことは考えていないので、既存のお客様を大切にしながら、将来に向けて選択と集中で投資していく。

――ほかの注力領域は。

　大塚商会以外の協力会社との外販ビジネスでは、業種特化の戦略を立てており、製造業向けソリューション「生産革新シリーズ」の販売を強化している。社内の体制は整い、徐々に成果は出つつあるので、23年は大きな花を咲かせられるようにしたい。自然言語認識やデータ分析、画像認識の部分について、技術を究めることも目指していく。

――23年の目標と抱負を。

　23年は「創造する技術と共創で真の価値を提供する」をスローガンに設定した。ビジネス環境としては引き続き追い風が吹くと予想しているので、チャンスを逃さず、過去最高の業績を実現できるようにしたい。