――2023年の手応えは。
着実に伸びている。「kintone」が順調であることに加え、大手・中堅企業向けグループウェア「Garoon」のクラウド化が進み出し、売り上げの継続的な伸長につながっている。国内の企業がIT投資に真剣に取り組み始めたという感覚だ。
代表取締役社長 青野慶久
――近年はクラウドにおいてもパートナー経由の販売額が増えていると聞く。
クラウドもパートナー経由が当たり前になった。始めた当初は、乗り気でないパートナーも多かったが、今では積極的に扱っていただいている。22年12月期には国内クラウド関連売上高の61.6%がパートナー経由となった。まだまだ伸ばせると考えている。
公式パートナーではなく、「お試し」のように製品を扱える「レジスタード」という枠をパートナープログラムに設けている。現在、600社を超えており、潜在的なパートナーの多さを実感している。このレジスタードから次のエースが育つように支援していきたい。
kintoneを「企業の情報基盤」に
――海外戦略の現状はどうか。
まだまだ実績はこれからだ。以前は自社だけの力でやろうとしていたところがあったが、リコーとのグローバルでの提携を受け、北米などではパートナービジネスにかじを切っている。複合機などを売っていた皆さんにkintoneを扱っていただくための支援を進めている。実績が表れるのはまだ先だが、非常にいい流れだと感じている。ほかの地域についても、パートナーと一緒に進めている。先日、kintoneはスペイン語に対応した。南米市場にもチャレンジする。
国内のビジネスソフトウェア企業が海外で成功した例はなく、簡単な話だとは思っていない。ただ、できる範囲で投資を続けていれば、徐々にノウハウは得られる。諦めずに取り組み続けることが大事だ。国内のソフトウェア市場は「黒船」が襲来して(国内勢が)やられる、ということを繰り返してきた。世界の最先端で戦い続けなければ、国内の市場ですら守れるかわからない。最先端の技術と一番新しいアイデアでチャレンジしている人たちとしのぎを削っていかないと、気がつけば時代遅れということになりかねない。
――24年はどのような年にしたいか。
kintoneはこれまで「『Excel』より使いやすい、簡単」というイメージを打ち出してきたが、これからは企業の情報基盤という点をコンセプトとして広めていきたい。1997年の創業時から私が伝えてきたのは「みんなで情報共有すれば便利」ということ。ようやくそれを実現できるテクノロジーがそろってきた。第1ステージが終わり、次のステージへ上げたい思いだ。