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開発進む「富岳NEXT」 日本の未来支える「フラッグシップシステム」

2025/07/24 09:00

週刊BCN 2025年07月21日vol.2068掲載

 国のスーパーコンピューター「富岳」の次世代機となる「富岳NEXT」(開発コードネーム)の開発、整備が本格的にスタートしている。開発主体の理化学研究所(理研)は2025年1月に開発・整備を開始。4月には次世代計算基盤開発部門を立ち上げて、推進体制の構築を図り、6月には富士通が全体システム、計算ノード、CPU部の基本設計を受注し、CPUとして同社の開発する「FUJITSU-MONAKA-X」(仮称)が搭載されることも明らかになっている。日本の未来を支える重要な「フラッグシップシステム」の現状を追った。
(取材・文/大河原克行、編集/藤岡 堯)
 

HPC計算性能は現行の5~10倍

 富岳NEXTは、30年頃の稼働を目指して開発している次世代スーパーコンピューターだ。現行の富岳と比べて、既存のHPCアプリケーションでは5~10倍以上の実効計算性能を実現するとともに、AI処理ではゼタスケール(E(エクサ)FLOPSの1000倍)の最大理論性能を念頭に置き、50EFLOPS以上の実効性能を発揮するシステムの開発、整備を目指している(詳細は表を参照)。
 

 理研の近藤正章・次世代計算基盤開発部門長は「生成AIの進展、科学技術やイノベーション全体の推進、産業競争力強化の観点などから、計算基盤の重要性はより増しており、計算資源の需要はさらに増大する」とみる。国内の計算資源については、全国の情報基盤センター内にあるスパコンの強化もあり、30年ごろには、富岳と情報基盤センターの計算資源はほぼ同等規模になることが想定されている。しかし、それでも「必要とされる計算資源需要に対しては大幅に不足することが見込まれている」(近藤部門長)のが実情だ。30年ごろの計算資源需要は、23年比で5倍以上となり、それを埋めるためにも、次世代フラッグシップシステムが必要となるのである。

 目指すのは、シミュレーションとAIの両者において世界最高水準の性能だが、「時代によって求められる指標が変化し、求められる機能も多様化する。特定の指標だけでトップを目指すものではない」として、コンピューターをランク付けする「TOP500」でのトップ獲得にはこだわらない姿勢も示す。

 搭載されるMONAKA-Xは、富士通が開発中の汎用CPU「FUJITSU-MONAKA」の後継であり、ARM命令セットのメニーコアアーキテクチャーを採用し、富岳とはバイナリレベルで互換性を持つ。この互換性により、富岳で開発されたソフトウェア資産を無駄にすることなく、継続的な活用が可能となる。

 富岳NEXTは、分散メモリー型の並列計算機であり、電力効率の高いCPU部と、GPUなどで構成する帯域重視の演算処理加速部で構成することになる。合計ノード数は3400ノード以上となり、CPUーGPU間は、キャッシュコヒーレンシ を有する高速リンクにより、低遅延かつ高バンド幅で接続することができるという。

 加速部は、大規模スパコンで活用実績があるアーキテクチャーの採用を検討する考えで、行列演算性能を向上させる。導入時期における先端メモリー技術を採用するほか、DDR系の大容量メモリーも検討の対象となっている。

 システムソフトウェアは、可能な限りオープンソースを採用し、開発したソフトウェアも原則としてオープンソースとして公開。商用ソフトウェアを導入する場合も、定期的に、継続的にアップデートされるものを採用することを基本方針としている。同部門の佐藤賢斗・先進的計算基盤技術開発ユニットリーダーは、「富岳から富岳NEXTに移行してもユーザーが違和感なく、システムやアプリケーションを開発・利用ができるようにする」と述べる。
この記事の続き >>
  • アプリケーションファーストの方針
  • 「AI for Science」のための計算基盤に
  • 量子コンピューターとの連携運用を開始

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外部リンク

理化学研究所=http://www.riken.jp/

富士通=https://global.fujitsu/ja-jp/