Special Feature
NECはさらなる成長へどう動くか 描かれつつある次期計画が目指すもの
2025/08/04 09:00
週刊BCN 2025年08月04日vol.2070掲載
(取材・文/大河原克行、編集/藤岡 堯)

BluStellarは想定上回る成長
26年度以降を見据え、成長戦略の柱となるのがBluStellarだ。森田社長兼CEOは、「BluStellarは、DXに関する技術やノウハウを結集したブランドであり、コンサルティングを起点とし、構想から実装、運用までを一気通貫でDXを成功に導く価値創造モデル」と語る。
500商材以上の「プロダクト&サービス」と、それらを顧客ニーズにあわせてパッケージ化した約150セットの「オファリング」、経営課題によりモデル化した30セットの「シナリオ」で構成。1万人のコンサルタント、1万2000人のDX人材を通じて、提案活動を行っている。
BluStellarの成長はNECの想定を上回る勢いだ。24年度の売上収益は前期比44.3%増の5424億円で、NECの国内ITサービス事業における売上収益の32%を占める。調整後営業利益は162億円増の825億円となり、調整後営業利益率は12.2%に達した。当初の計画では、BluStellarの24年度の売上収益は4265億円、調整後営業利益は335億円、調整後営業利益率は7.9%を見込んでいた。また、25年度に関しては、売上収益で4935億円、調整後営業利益が565億円、調整後営業利益率は11.4%を予想していた。つまり、実績は25年度の計画をも上回って着地したことになる。
新たに設定された25年度の目標は、売上収益が24年度の実績と比較して15.0%増の6240億円、調整後営業利益は162億円増の825億円と、引き続き高い成長が期待される。調整後営業利益率は13.2%、国内ITサービスに占める売上構成比は37%にまで引き上げる。将来的には、BluStellar事業の売上収益1兆円、調整後営業利益率20%を目指し、26年度からは「BluStellar Global」として海外展開を本格化する方針だ。
吉崎敏文・Corporate SEVP兼CDOは、「NECの従来型ビジネスは、顧客の要望を起点に固有の事情に応じてカスタマイズしたSIを行ってきたが、BluStellarは顧客の真の経営課題を起点に、徹底的に『型化』を進め、拡張性の高いサービスと全体最適をベースにした最先端のシステムを安心、最速で利用できるようにしている」とした上で、「NECのビジネスモデルを根本的に変革する」存在であると訴える。BluStellarは事業成長のけん引役であるとともに、ビジネスモデルの変革を推進する役割も担い、NECは同時並行で企業体質を強化していると言える。
- AIとセキュリティーも変革のドライバー
- Non-GAAP営業利益率15%が目線に
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