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AI基盤としてプライベートクラウドに注力 Broadcom、「VMware」年次イベント「Explore 2025」を開催
2025/09/18 09:00
週刊BCN 2025年09月15日vol.2075掲載
(取材・文/堀 茜)

「VCF 9.0」にプライベートAI機能を統合
ブロードコムはVMwareを買収後、売り切り型の永続ライセンスを終了してサブスクリプション型ライセンスのみに提供形態を切り替えるとともに、サーバー、ストレージ、ネットワークなどの各仮想化製品をスイート型のソリューションとして統合した。2024年のVMware Exploreでは、クラウド環境の構築や管理、運用のための統合基盤で、大企業・中堅企業向けの主力製品であるVCFの最新バージョン「VCF 9.0」を発表し、25年6月に提供を開始した。今回のイベントでは、VCF 9.0に、これまでオプションとして提供していたプライベートAIサービス「VMware Private AI」を標準コンポーネントとして統合することを発表。VCFをプライベートAIのプラットフォームとすることで、企業独自のAI開発を強力に推進していく方針を示した。

基調講演でホック・タンCEOは「私は昨年この場で、『プライベートクラウドが企業の未来だ』と話した。そして12カ月後、その未来は現実となった」と宣言した。VCFについては、コンピュート、ネットワーク、ストレージを完全に統合した、あらゆるアプリケーションワークロードを実行するためのプラットフォームであり、顧客が求めていたものだと強調。グローバルの調査として、企業の7割がオンプレミス型のプライベートクラウドへ投資を計画していることを紹介し、自社の戦略に自信を見せた。
VCFの採用事例として、米小売り大手のWalmart(ウォルマート)がグローバルに分散したオペレーション環境をVCFで統合していくことや、超大手の企業でなくてもVCFを活用している例として、米アイオワ州を拠点に主に農家向けの保険事業を手掛ける企業を紹介。VCFが多くの企業の支持を得られている理由として、タンCEOは「プライベートクラウドはパブリッククラウドを上回る性能を発揮している」と説明した。VCFを基盤としたプライベートクラウドでは、セキュリティー、コスト、コントロールといった重要な要素で優位性があるとした。
一方で、プライベートクラウドを構築するための課題として、▽開発部門とIT(運用・管理)部門▽開発速度とセキュリティー▽レガシーITとモダンIT―の3点で摩擦が生じることを挙げ、VCFによってこれらの課題は削減できるとした上で、摩擦の解消に向けVCFの機能強化に注力する考えを示した。タンCEOは、「(VCFは)あると便利なものではなく、どの企業にとっても不可欠なものだ。最高のクラウドプラットフォームをみなさんに提供していく」と述べた。
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