──2025年を振り返って。
クラウド時代の到来を象徴する1年だった。IT業界全体が次のステージに移行したと感じている。当社の25年度上半期のクラウド関連収益は前年比で約2割増と大きく成長し、市場のクラウド化が着実に進んでいることを実感している。デジタルで生産性を向上させるデジタライゼーションにとどまらず、ビジネスの仕組み自体を変革するDX、さらにAIがもたらすAIトランスフォーメーション(AX)と、新たな時代の入り口に立っている感覚だ。
和田成史 代表取締役社長
──クラウドビジネスへのシフトが進んでいる。
25年春から新規販売をクラウドに一本化しており、既存のオンプレミスユーザーのクラウド移行も加速している。オンプレ版「奉行V ERP」ユーザーは、すでに全体の2割ほどがクラウドに移行しているほか、ダウンサイジングや、業務自体の最適化を図っている新規ユーザーのニーズを拾えている。移行理由として大きいのがAI活用やセキュリティー対応だ。米Microsoft(マイクロソフト)の「Azure」で提供するクラウドネイティブなセキュリティーと、当社独自のセキュリティー構造を組み合わせることで、お客様に安心・安全な仕組みを提供している。また、「政府情報システムのためのセキュリティ評価制度(ISMAP)」にも認定されており、高い信頼性が後押しになっている。
価値向上に向け研究開発を継続
──AIの戦略は。
当社のAXの中心は「AIアシスタント」と、AIアシスタントやSaaSを活用して自律的に業務を推進する「AIエージェント」だ。従来は人手で行っていた作業を、これらで自動化していく。例えば新リース会計対応のAIエージェントは、人であれば数カ月かかる大量の契約書の識別作業を、わずか1日で処理できる。このように、お客様が使って感動する体験の提供を目指す。また、API連携によって他社SaaSやローコードツールとも柔軟につなげることで、幅広いニーズに応えていく。
──26年の抱負を。
AIとセキュリティーにフォーカスする。AIエージェントの新製品を継続的に開発・投入し、企業が本業に専念できる仕組みを整え、社会に貢献し続ける。セキュリティーは今後、基幹システムや会計ソフトが企業経営のインフラ化する中で生命線となる。ここには最善の投資を続け、お客様のビジネス継続を担保する。
開発メンバーは9割以上が新卒採用だ。採用と教育には創業以来注力し、ゼロから育て上げてきた。メンバーのチームワークや専門性は高く、協力しながら製品づくりに取り組む文化が根付いている。人の成長はソフトウェアの価値向上にも直結する。今後も継続して力を入れたい。