Special Issue

<NEC特集> 年内50社の参加を目指す『CLUSTERPRO WORKS』

2007/08/29 19:56

週刊BCN 2007年08月27日vol.1200掲載

多くの企業とのパートナーシップを結ぶ

 かつて「止められないシステム」は、主にUNIXシステムを中心に活用している大企業にとっての課題だった。しかし最近では、UNIXだけでなく、x86サーバーにも基幹システムや業務アプリケーションを導入することが当たり前になり、中堅・中小企業でも「止められないシステム」を求める声は高まっている。そのニーズに応えるNECの取り組みについて、第二コンピュータソフトウェア事業部の小池康夫グループマネージャーに聞いた。

■HAクラスタリング市場でトップシェアの『CLUSTERPRO X』

 「当社の『CLUSTERPRO X』は、HAクラスタリングを実現するソフトウェアとなっています。HAクラスタリングは、連続稼働時間を延ばすという目的で、以前から利用されている技術です」と、第二コンピュータソフトウェア事業部の小池康夫グループマネージャーは語る。『CLUSTERPRO X』は、数多くのIAシステムを陰から支える存在として認知を広げ、すでに病院やeコマース、企業、官公庁などで採用されている実績がある。実際、調査会社のレポートによると、『CLUSTERPRO X』がトップシェア(富士キメラ総研「2007 パッケージソリューション・マーケティング便覧」)を獲得している。この結果からも、多くの市場で利用されている実態がわかる。

 最も活用されているHAクラスタリングソフトウェアとなった要因について、小池グループマネージャーは次のように語った。「『CLUSTERPRO X』

は、発売開始から11年が過ぎましたが、その間も機能強化を続け、安定稼働するソフトウェアとなっています。さまざまな導入先から届いたフィードバックに対して誠実に応え続けた結果、多くのお客様からの支持を獲得しています。また、国内開発・国内保守をしているため、万が一の障害時でも素早い対応が可能です。こういったことも、評価いただいているようです」(小池グループマネージャー)。

 『CLUSTERPRO X』は、他社が既存のUNIXシステムでのHAクラスタリングを中心に展開しているなか、非常に早い段階でIAサーバーのHAクラスタリングを実現し、製品の提供を行ってきた。これがユーザーニーズにマッチし、市場での評価につながったのだ。また、CLUSTERPROはさまざまなハードウェア/ソフトウェアで利用できるため、多くのパートナーの支持を獲得して、販売を伸ばしている。さらに『CLUSTERPRO X』では、シングルサーバー環境でも、より高い信頼性を実現するために、『CLUSTERPRO X SingleServerSafe』の提供を2007年6月に開始した。『CLUSTERPRO X』で培った技術・ノウハウを元にシングルサーバー環境でも障害監視、障害復旧を可能としつつ、『CLUSTERPRO X』と連携し、HAクラスタリング環境もシングルサーバー環境も統合管理可能な製品になっている。

■多くのパートナーと新規市場の開拓を目指す

 「DELLやヒューレット・パッカードといったハードウェアを主に扱っているパートナー様にも、さまざまなハードウェアで動作する汎用性が高いことから、『CLUSTERPRO X』を活用したシステムを構築していただいています」と、小池グループマネージャーは語る。多くのパートナーにとって『CLUSTERPRO X』はなくてはならない存在となっているのだ。

 「2002年から『CLUSTERPRO WORKS』というパートナー制度を提供しています。『CLUSTERPRO WORKS』をお使いいただけるソフトウェアベンダー様、ハードウェアベンダー様、システムインテグレーター様などに対して、無償でご支援をさせていただいています」(小池グループマネージャー)。

 この『CLUSTERPRO WORKS』は、パートナー企業の製品・ソリューションとの連携検証に必要なソフトウェアやシステム環境を提供するほか、教育、共同マーケティング、情報サービスを提供し、パートナー企業を支援している。07年7月現在、『CLUSTERPRO WORKS』には38社が名を連ねている。

 『CLUSTERPRO X』は、NEC製品

という枠組みを超え、オープンなHAクラスタ製品として国内外に広く展開している。今後も、この潮流は止まらないだろう。それ支えるのは、『CLUSTERPRO WORKS』という骨組みだ。

 『CLUSTERPRO WORKS』に参画している企業をみると、NECの競合メーカーと評されている企業も見受けられる。しかし、『CLUSTERPRO X』という製品に対して評価している企業が『CLUSTERPRO WORKS』に参画しているため、ほかの製品では競合となっていても『CLUSTERPRO WORKS』に名を連ねているのである。

 多くのパートナーが利用できるように、『CLUSTERPRO X』は、数多くのハードウェアやソフトウェアなどにいち早く対応する体制を整えている。今後、『CLUSTERPRO X』の展開を加速させるカギを握っているのは、『CLUSTERPRO WORKS』である。NECでは、『CLUSTERPRO WORKS』をこれまで以上に発展させ、HAクラスタ市場を広く展開する構えだ。

 「今年中に、パートナー企業を50社に増やしたいと考えています。企業の大小を問わず、当社と共に市場を広げていただければと思います」(小池グループマネージャー)とのことだ。

 『CLUSTERPRO WORKS』で、パートナーと共に市場を広げるNEC。HAクラスタリング市場をリードする同社の活動は、多くの企業から期待されている。同社の今後の活躍に注目したい。(週刊BCN 2007年8月27日号掲載)

photo
  • 1

外部リンク

NEC=http://www.nec.co.jp/