Special Issue

<ビジネスプリンタ・スキャナ特集> 新規市場の開拓で市場のすそ野を広げるメーカーの戦略とは 前編

2007/09/24 19:56

週刊BCN 2007年09月24日vol.1204掲載

ビジネス向け新ブランド『ジャスティオ』
第一弾『ジャスティオ』カラーレーザーシリーズ提供開始

■家庭・ホームオフィス向けMyMioが好評

 家庭・ホームオフィス向けの薄型複合機『MyMio(マイミーオ)』ブランドで知られるブラザー販売。『マイミーオ』は、2003年に誕生して以来、コンシューマ市場を主戦場とし、豊富なラインアップとコンパクトサイズを武器として拡販を進めてきた。これまでプリンタやファクシミリ、スキャナなどを個別に購入してきた家庭・ホームオフィスに、同社の提供する省スペースを具現化した『マイミーオ』がマッチしたことから、現在ではユーザーからの認知も獲得し、販売店での露出も増えている。

 同社は、これまでSOHOや企業の部門、店舗・事務所などに代表される小規模ビジネス空間「スモールオフィス」向け市場をターゲットに、レーザー複合機やプリンタなど「MFC」・「HL」シリーズを展開してきた。「MFC」・「HL」シリーズでは、時代のニーズにあった機能向上を繰り返しながら、「セキュリティ印刷」や「透かし印刷」など情報漏えい対策を施した製品や、ユーザーごとの利用制限を実現する「セキュリティ機能ロック」や「設定ロック」機能などを付加した高付加価値製品を開発している。これらのビジネス向け製品は、国内はもとより、北米市場を中心にワールドワイドで高い評価を得ていることでも知られている。

■ニーズに応えた多彩なラインアップで、顧客に「JUST FIT」な1台を

 同社では、世界中で高い評価を得ているビジネス向け製品ラインアップの認知度向上とイメージアップを図る狙いから、「MFC」・「HL」シリーズを一新し、新ブランド『ジャスティオ』を立ち上げた。『ジャスティオ』の由来は、「適材適所」を意味する「JUST」と、イタリア語で「私」を意味する「IO」を組み合わせたもの。

 この『ジャスティオ』シリーズのコンセプトは、「ユーザーフレンドリーな設計」と「豊富なラインナップ」。使いやすさを追求しながらも、同社が提唱している「省スペース」性を損なわない小型・コンパクト設計を実現している。さらに、スモールオフィス環境で働くユーザーの千差万別なニーズに応える高性能・高品質な製品群をそろえている。ビジネスユーザーのさまざまなニーズに応えながら、まさに「JUST FIT」な1台を提供する『ジャスティオ』カラーレーザーシリーズの1機種である「MFC-9440CN」の発売を、07年9月下旬に開始する。

 「MFC-9440CN」は、プリンタ、コピー、ファクシミリ、スキャナの機能を包含した小型複合機で、A4カラーレーザー複合機(自動原稿送り装置付き)において高さ世界最小(ブラザー調べ)のコンパクトボディを誇る。さらにネットワークを標準搭載し、各機能の共有を可能とした。同機には、本体のスキャンボタンを操作するだけで書類を簡単に電子化する「スキャン to」機能が備わっており、これもネットワークに対応している。

 仕事効率に直接影響する印字速度にもこだわり、1回の工程でカラー印刷を行う自社開発の「タンデムエンジン方式」を採用。カラー/モノクロともに毎分20枚を実現した。カラー印刷を高速化することにより、オフィスのカラー化を促進する一助となるだろう。万が一、カラートナーが空になっても、モノクロ単独での印刷をサポートする「クロだけ印刷機能」を搭載。多目的トレイや増設記録紙トレイなどを使用すれば、最大800枚の給紙も可能だ。フロントオペレーションで消耗品の交換ができるため、高さのない場所でも用紙補給や消耗品を交換しやすい。

 さらに共通機能として、最大35枚の自動原稿送り装置を搭載し、複数枚の原稿を順次読み取り可能だ。なお、自動原稿送り装置はプリントだけではなく、スキャナやファクシミリ、コピーでも利用できる。USBメモリー内のファイルをPCレスで印刷したり、スキャンしたデータを直接USBメモリーに保存する「USBダイレクト機能」が付加されるなど、同社独自の使いやすさを追求した機能が充実している。

 満を持して市場に投入した新ブランド『ジャスティオ』は、「オフィスプリンタ」市場の台風の目となるだろうか。これからの同社の活躍に注目したい。

ブラザー販売=http://www.brother.co.jp/

[次のページ]

関連記事

<ビジネスプリンタ・スキャナ特集> 新規市場の開拓で市場のすそ野を広げるメーカーの戦略とは 後編