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<プリンティングソリューション特集> カラープリンタ市場 年末、年度末需要控え新製品ラッシュ 中編

2007/11/26 19:56

週刊BCN 2007年11月26日vol.1213掲載

コニカミノルタ
一挙に新製品カラー3機種を発表 マイクロソフトのXPSにいち早く対応

 コニカミノルタは、11月14日の記者会見でカラー機3モデルを発表した。(1)A3ワイド対応でポストスクリプト対応の「magicolor(マジカラー)8650DN」、(2)A4で両面プリント機能を標準装備した「magicolor 4650DN」、(3)カラープリント、カラーコピー、スキャン、ファクス機能を搭載したA4カラー複合機「magicolor 2590MF」の3モデルである。

 「それぞれ従来機種に比べ大幅な機能強化を図っており、下期の戦略機種」(営業本部プリンタマーケティング部・森島剛氏)となる。

 製造・販売を担うコニカミノルタビジネステクノロジーズは03年に設立、コニカとミノルタの合併により生まれた。国内市場におけるレーザプリンタの販売は、コニカミノルタプリンティングソリューションズが行っている。「21枚以上のMFPではアメリカ、欧州でトップクラスの実績を持つ」(森島氏)。

■毎分35枚のA3タンデム機「8650DN」

 今回の新製品は、それぞれのジャンルで戦略機種となるが、最も期待しているのは生体認証機能等、セキュリティ機能を強化したmagicolorシリーズのハイエンドモデルとなるA3機の「magicolor 8650DN」だ。

 カラー/モノクロとも毎分35枚(A4横)の印刷スピードで、ポストスクリプト3互換対応、価格は39万8000円(税別)。来年1月上旬の出荷を予定している。

 「複数OSが混在するオフィスでのワークグループ用途から、DTP/グラフィック用途まで」幅広いニーズに対応する。特徴は数多くあるが、一つは同社独自のプリントテクノロジーであるEmperon(エンペロン)をさらに進化させたVer5.1を搭載した。Emperonは、QMSというアメリカのプリンタメーカーが持っていた技術を引き継いでいる。QMSは80年代にポストスクリプトにいち早く対応、カラープリンタで最も早く市場が顕在化したDTP分野で実績を上げてきた。

 「プリンタの頭脳とも言えるのがこのEmperonで、QMSの技術をベースに進化してきた。ハードウェアとソフトウェアの性能を最適化し、プリンタのパフォーマンスを最大限に引き出すためのプリント制御技術で、今度のVer5.1ではプリンタの高速・高画質・高機能をさらに高い水準で実現した」という。

 もう一つの特徴は、マイクロソフトが新たな文書形式として打ち出しているXPS(XML Paper Specification)への対応だ。PDFの駆逐を狙っているとみられるが、これまでプリンタメーカーの対応状況は鈍かった。「当社はPDFに加え、XMLにもいち早く対応、ユーザーにさらに柔軟な出力環境を提供する」のが狙いという。多様な帳票出力を強みとしているウィングアークテクノロジーズとの技術協力も進めている。

■A4は両面プリント内蔵の4650DNと複合機2590MF

 同社は早くからA4モデル、A4複合機に力を入れてきたが、今回はこのジャンルでも新製品を出した。A4の「magicolor 4650DN」は、カラー/モノクロとも毎分24枚(A4縦)の4連タンデム機で、価格は15万8000円(税別)。来年2月下旬の発売を予定している。

 「Emperonの最新バージョンを搭載すると共に、両面プリント機能を内蔵して、生産性、静音性を向上」した。

 A4のカラーレーザ複合機「magicolor 2590MF」は、コピー、スキャン、ファックス機能を搭載、また、プロトコルではDDNS、Bonjourに対応しネットワーク機能をさらに強化した。カラーは毎分5枚、モノクロは毎分25枚の4サイクル機で、17万8000円(税別)。今年12月上旬に発売する。

 「SOHOからSMB(小・中規模事業所)に最適の複合機で、省スペースを実現したコンパクト設計とフルフロントアクセス方式により、どこにでも気軽に設置できる」という特徴を持つ。

コニカミノルタ=http://konicaminolta.jp/

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