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<プリンティングソリューション特集> カラープリンタ市場 年末、年度末需要控え新製品ラッシュ 前編

2007/11/29 19:56

週刊BCN 2007年11月26日vol.1213掲載

 国内におけるカラーページプリンタが伸び悩んでいる。ユーザー企業が印刷物のコスト削減に力を入れているためだが、プリンタ各社の表情はそれほど深刻ではない。いずれ、成長軌道に乗れるとみているためのようだ。今年前半は鈍かった新製品の投入もここにきて活発になってきた。今回の企画対象の10社が11月20日までに発表した新製品の総数は22モデルとなった。こうした新製品の傾向を分析してみよう。
 

■方式別ではLEDタンデム増える

 まず、方式別モデル数をみると、LED4連タンデム機が5社から7モデル発表された。レーザー4連タンデムは4社から11モデル、4サイクルは2社から2モデル、インクジェットが1社から2モデルとなる。

 4サイクル機が激減、LEDタンデム機が増えていることがわかる。LEDタンデム機はカシオ計算機、沖データが先行してきた分野だが、今年に入ってリコー、エプソン、NECも参入してきた。小型・軽量化が図りやすく、設置場所の自由度が増すこと、耐久力も上げやすいことなどが評価されている。

 速度別にみると、40枚超機を日本ヒューレット・パッカード(日本HP)が2モデル発表した。CM8060はカラー50枚/分、モノクロ60枚/分、CM8050は、カラー40枚/分、モノクロ50枚/分の複合機である。

 これまで、インクジェットでは理想科学工業が120枚機を投入、他社を圧倒しつつ「営業用チラシやダイレクトメールの作成」という新しい市場を開拓してきた。また、リコーはジェルジェットで、オフィスに導入されていたコンシューマ用インクジェット機の代替需要を掘り起こしてきたが、A3ノビ対応機も出すなど、上位機への進出を積極化させている。

 アメリカの調査会社インフォトレンズは、オフィスマーケットでも今後の焦点はインクジェットになるとみている。日本ではコンシューマ市場でキヤノンとエプソンが厳しい競争を展開するなど、基本的技術を持っている企業は多いだけに、“インク対LED”の戦いが展開される可能性もある。
 

■速度別では40枚超モデルも登場

 次に速度別モデル数をみると、表2のようになる。

 40枚超機は、先に触れた日本HPのインクジェット機である。30枚超機は、コニカミノルタのカラー/モノクロとも35枚のmagicolor 8650DN[39万8000円(税別)]と、キヤノンの30枚/32枚のSatera 5910F[39万8000円(税別)]と5910[29万8000円(税別)]である。

 カシオも33枚/38機を出している。最激戦となったのは20-29枚ゾーンで、ブラザーが4モデル出し、その内訳はA4複合機3モデル、プリンタ1モデルとなっている。A4機ではコニカミノルタも24枚機を出したが、他はA3機で、沖データが2モデル、リコー、エプソン、NEC、キヤノンが1モデルずつ投入した。

 19枚以下は、A3の4サイクル機はエプソンだけで、他はA4機(NEC、キヤノン)、A4複合機(沖データ、コニカミノルタ)となる。
 

■出力サイズではA3が相変わらず激戦ゾーン

 次に用紙サイズ別動向をみると、A3機は7社から11モデル、A3複合機は1社から2モデル、A4機は4社から4モデル、A4複合機は3社から5モデル発表された。

 A3機を発表したのは、キヤノン3モデル、沖データとエプソンが2モデル、カシオ、コニカミノルタ、NEC、リコーが各1モデルとなる。A3複合機は日本HPの2モデルだけだった。

 A4機は、キヤノン、ブラザー、NEC、コニカミノルタが各1モデルずつ、A4複合機は、ブラザーが3モデルと積極的で、沖データ、コニカミノルタも1モデルずつ出した。

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