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<プリンティングソリューション特集> カラープリンタ市場 年末、年度末需要控え新製品ラッシュ 後編

2007/11/26 19:56

週刊BCN 2007年11月26日vol.1213掲載

リコー
システムパートナーとの価値共創を推進 業種・業務ニーズへの対応を強化

 「システムパートナー様といかに連携を強化し、お客様への提供価値を『共創』していくか、これをプリンタ事業拡大に向けた大きなテーマにしている」と語るのはリコーの販売事業本部プリンティングソリューション事業部事業戦略グループの木村和広リーダーである。

 「近年、お客様のニーズはますます高度化し、多様化している。プリンタ事業の拡大に向け、業種・業務展開に力を入れているが、市場の開拓には、それぞれの業種・業務について豊富なノウハウを持ったシステムパートナー様との連携が重要となる。そこで、04年4月にソリューションパートナー事業部を新設、06年4月にはプリンティングソリューション事業部として体制を強化し、システムパートナー様との協業拡大に取り組んできた。現在では、成果も着実に上がっており、カラー、モノクロともに着実にシェアを伸ばしている」という。

■医療市場で実績を拡大

 業種・業務展開では、「特に医療市場に向けた展開で大きな成果が出ており、自治体、流通、文教市場でも着実に実績が上がってきている。現在は金融市場向けソリューションの開発・提供に力を入れている」段階だ。

 医療市場向けで成果を上げたのは「お客様のニーズをきめ細かく把握するとともに、医療市場に強いシステムパートナー様との連携を強化したことが一つの要因」になった。また、メーカーならではの取り組みとして、顧客ニーズをもの作りに反映し、「IPSiO SP C810-ME」などの調剤業務用モデルを品揃えして提供している。

 「病院内の薬剤部門や調剤薬局では、薬袋やお薬情報シートなど、特殊用紙や不定形用紙への印刷が必要。また、薬袋などの取り間違えがないように正確な作業が求められる一方で、患者をお待たせしない迅速な作業が求められている。こうしたニーズに対して、用紙対応力を大幅に強化したほか、患者ごとに薬袋とお薬情報シートを同じ排紙ビンに出力できる機能を提供するなどの工夫を凝らしている」そうだ。

■パートナーが販売しやすい環境を提供

 「このように、エンドユーザーの要望を積極的に取り入れる一方、パートナー様とともにソリューションを『共創』するための環境作りに全力を上げている」最中だ。例えば、「リコー プリンティング・バリューブック」を年に1回発行。業種・業務ごとに、プリンタに対するニーズを整理してパートナーに紹介している。また、「リコー パートナー サポート プログラム」も用意。「顧客接点強化メニュー」、「パートナーシップ強化メニュー」による様々な支援を行っている。

 「顧客接点強化メニュー」では、商談プロセスごとに支援プログラムを整理して紹介。パートナーが販売しやすい環境を提供している。例えば工場キッティングを活用した物流・設置支援プログラムは好評なメニューの1つ。「プリンタを実際に稼働させるには、IPアドレスなど様々な設定が必要になるが、事前にデータをもらえれば、工場で設定して出荷する。しかも循環型の簡易ラックで配送を行うため、ダンボール箱など無駄な廃材がなくなり、手間やコストを省くことが出来る」と、実にきめ細かいサービスを行っているのである。また、「パートナーシップ強化メニュー」では、パートナーのSE専用の問い合わせ窓口を設置するなど、ユーザーに対して迅速な対応を行うための支援体制を築いている。ソリューション開発支援プログラムもあり、パートナーと協力して開発、検証などが行える体制も整えている。

 また、毎年2月には「リコーパートナーフォーラム」を開催。「パートナーの皆様およびお客様への提供価値を最大化するために、常にご要望を確認する」体制も整えている。「今後もパートナー様とリコーのソリューションを連動させ、お客様への提供価値の品質を高めていく」というのが基本姿勢だ。

リコー=http://www.ricoh.co.jp/

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