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<プリンティングソリューション特集> カラープリンタ市場 年末、年度末需要控え新製品ラッシュ 中編

2007/11/26 19:56

週刊BCN 2007年11月26日vol.1213掲載

キヤノンマーケティングジャパン
MFPと共に最適配置の実現へ マルチチャネルで販売を強化

■一般オフィス、基幹系出力の両面から、拡販に向けて積極アプローチ

 キヤノンマーケティングジャパンは、LBP市場の販売強化に向けて、一般オフィス、基幹系出力の両面から新たな取り組みを開始した。

 ページプリンタ販売企画課・松永圭司課長は、「2007年上期は、自治体に向けて、住民請求業務の効率化に役立つ振込用紙への印刷に対応したLBPを積極的に販売しました。当社は、店頭、訪販、事務機ディーラー、SIer、グループ会社の直販などマルチチャネルを展開しており、それがシェア獲得の大きな原動力となっています。様々な領域をカバーする中で、今回のような自治体をターゲットにした展開では、SIerと協働して販売を拡大しています」と語る。

 チャネルの強化を進める一方、自治体以外にも、グループや関連企業の得意とする医療をトリガーにして診療所への導入、潜在需要の多い金融・証券市場への導入など、多様な業務を支援するLBPの拡販に取り組んでいる。

■快適オフィスの実現へ新製品投入 環境にやさしい「オンデマンド」

 オフィスでは、MFPによる「集約」が加速しているが、キヤノンマーケティングジャパンは、LBPとの共存による「最適配置」を目指す。その中心的な役割を担うのが、11月14日に発表したA3カラーLBPの最上位モデル「5900SE」の後継機「5910F」である。

 「コピー機に装着するソーターのイメージが強い『フィニッシャー』をプリンタと一体化し、A4の少部数の会議資料、A3横の図面などを左上にステイプル止めすることができます。タイムリーな出力の便利さ、簡易さを提供できるLBPと、MFPとの"集約と分散"がオフィスの快適化につながります」と、松永氏は最適配置の重要性を指摘する。

 また、企業では機器選びのキーワードとして、環境が注目されているが、同社製プリンタは独自の技術により、CO2削減にも配慮がなされている。

 「一般的にLBPは、感光体(ドラム)を帯電させ、転写するため、一定の温度を保つために電気を多く使います。例えるならアクセルを吹かした状態が続くわけですが、当社のオンデマンド定着方式は、用紙の通過する部分だけを瞬時に加熱するため、予熱が不要でCO2削減効果が極めて高いのです。2008年には洞爺湖サミットが開催されますが、これを機に環境問題に取り組む企業に訴求していきます」(松永氏)。

 純正エンジンの採用、フロントオペレーションなど、LBPのメリットを的確に伝えるため、同社ではナレッジの共有やトレーニングなど営業支援にも力を注いでおり、販売強化は全方位に及んでいる。

■現場の声に応え、需要を喚起 2008年の目標はトップシェア維持

 キヤノンマーケティングジャパンは、2007年下期以降もA3、A4カラーLBPを中心に新たな提案を目指していく。

 「店頭のカラーPOP出力に、用紙メーカーの中川製作所製の耐水紙『ラミフリー』が利用できます。そうした現場の声に応えるきめ細かい対応も選定のアドバンテージになります。また、各社指定の振込用紙は印字位置や罫線などが異なります。カセットの柔軟なカスタマイズなど、SIerや事務機ディーラーと一緒に、LBPを核に企業の付加価値を高める提案で需要を喚起したいと思います。2008年は、J-SOX法が施行され、セキュリティ対策も重要になります。企業の、時代のニーズにこれからも応えていくとともに、台数ベースでは対前年比100%、トップシェアを維持するのが目標です」と松永氏は意気込みを語る。

 MFPとともに最適配置の実現へ、LBPは重要な鍵を握る。マルチチャネルの強みを活かした同社の動向に注目だ。

キヤノンマーケティングジャパン=http://canon.jp/

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