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<IT統制&セキュリティ特集> 情報漏えい対策、内部統制の整備、その前に 基盤を支える対策が再び注目を集める

2007/11/30 19:56

週刊BCN 2007年11月26日vol.1213掲載

 企業のリスク管理が重要視され、セキュリティ対策が非常に大きなウェイトを占めている。情報漏えい対策や内部統制の整備はもちろん重要だが、「ライセンス管理」といった、よりベースとなる対策が注目を集めはじめている。

■情報セキュリティの基盤確立が急務に

 情報漏えい対策や内部統制の整備など、企業が施さなければならない対策は多岐にわたっている。また、このような企業課題を解決するために、数多くのソリューションが投入され、市場も活性化している。

 ひとたび情報漏えい事故が起きれば、その損害は大きく、これまで培ってきた信頼も一気に低下する。“企業を守る”という意味からも、その対策は不可避だ。

 また、2009年3月期の決算から、上場企業に内部統制報告書の提出・公認会計士によるチェックが義務づけられている。そのため、どちらの対策も急務という状況になっているのだ。一方で、情報セキュリティを考えたときに、よりベースとなる対策が注目されつつある。

■再び注目を集める「ライセンス管理」

 その1つが「ライセンス管理」である。「ライセンス管理」は、企業内で使われているソフトウェアの使用状況を把握し、ライセンスを適切に管理することで、ソフトウェアの「違法コピー」を防ぐ目的で利用されている。

 現在、業務効率の向上を目指し、クライアントPCにはさまざまなソフトウェアがインストールされている。これらのチェックを紙と鉛筆で行っては、煩雑な作業を要し、人的コストも無視できない。また、その作業で作成した台帳の内容では、最新の状況まで把握することは難しい。拠点が複数にわたる企業などでは、そのコストだけでも相当なものとなる。そこで「ライセンス管理」ツールを使うことで、コストを抑え、常に最新の状況が把握できるようになるというわけだ。

■インフラを守るメッセージングソリューション

 インフラに主眼をおいた場合、ネットワークセキュリティはもちろん、メッセージングソリューションが注目されている。現在、ビジネスにおいて、電子メールは重要なコミュニケーションツールとなり、受発注なども電子メールで行われている。そのインフラを守り、より安全で効率的に業務を行いたいという理由から、各種ソリューションが拡充されているのである。

 例えば、スパムメールも、迷惑なメールから、企業の生産性を低下させ、システムリソースを無駄に消費するばかりか、フィッシングなどの犯罪の呼び水として使われるなど、危険なメールとして認知され、その対策も必須となりつつある。

 情報セキュリティ基盤を見直し、その上で各種対策を施していくことで、より強固でセキュアな環境構築が可能となる。ベースとなる対策は「いまさら」ではなく「いまだからこそ」必要とされているのである。

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