2000年4月に設立されたアプレッソ。設立当初から「DataSpider」を主軸に事業展開し、右肩上がりの成長を遂げている。「DataSpider」は、データ連携ミドルウェアで、統合データベースの構築やパッケージの導入による周辺システムとのデータ連携、EDIシステム構築など、幅広いシステムに適応できる。アプレッソの戦略について、小野和俊代表取締役副社長に話を聞いた。

データ連携を実現するミドルウェア「DataSpider Servista」

散在するデータを素早く、簡単に、つなぐ

 「例えば、人と人とが会話をする場合、日本語と英語など言語が異なるとコミュニケーションを図ることは難しくなります。システムについても同様です。同じようなデータを扱っていても、異なるシステム間で連携しようとすると、翻訳するシステムの開発が必須になります」と語るのは、CTOの小野和俊代表取締役副社長だ。

 たとえ同じようなデータが格納されていても、システムが異なれば、そのままデータを活用することはできない。もちろんシステム間をつなぐためのデータ連携ツールを開発すればいいのだが、その工数は非常に膨大となる。また、連携するシステム双方の深い知識も必要で、ツールを開発できるエンジニアも限られてくる。たとえば、ERPと帳票ソリューションのデータを連携させようとしても、双方のシステムに関する知識は必須だ。連携させたいシステムが増えるほど、ツールの開発は困難になる。

 エンジニアとしても現役で活躍中の小野副社長は、「エンジニアとして、多くのシステム間のデータ連携を図りたいという思いはありました。日本発のパッケージをつくっていこうと、アプレッソを立ちあげました。市場規模などは、当時よくわかっていなかったのですが、実際に製品を市場に投入した手応えで、データを連携させたいと考えている企業が意外に多いことを実感しましたね」ということだ。

 冒頭に述べたとおり、アプレッソは「DataSpider」を主軸に展開している。その1stユーザーは、NHKということだ。その後、07年までには700社強の導入実績となり、右肩上がりの成長を遂げている。また、02年に財団法人ソフトウェア情報センター選定による「2002年度ソフトウェア・プロダクト・オブ・ザ・イヤー」を受賞、03年には「DataSpider」を利用した清水建設の工事・建物データベースシステムが日経コンピュータ「第7回情報システム大賞」グランプリを受賞している。つまり、ユーザーだけではなく、メディアやマーケットからも注目され始めたのである。

 「データ連携という分野は、確かにスクラッチでプログラムすればいいという部分はあります。しかし、前述の通り、その手間やメンテナンスにかかる工数は膨大です。“DataSpider”は、ノンプログラミングでデータ連携を容易に実現できます。コーディング・ゼロというのが、非常に大きな特長といえるでしょう」(小野副社長)。

 コーディング・ゼロを実現し、利便性が高いソリューションでパフォーマンスを犠牲にしていない。ノンプログラミングでありながら、その裏側ではきちんとプログラムを生成し、実行速度の高速化にも力を入れている。その技術力の高さには、脱帽するばかりだ。また、事実上の世界標準であるグローバルスタンダードといわれる製品のみならず、多くの国産のパッケージ製品にも対応している。日本の実情に合ったデータ連携を実現できる数少ないソリューションの1つが「DataSpider」といえるだろう。

 「当社はMIJS(Made In Japan Software)コンソーシアムにも参画しています。ベンダーの垣根を越えたアプリケーション間連携を実現する、MIJS標準規格を介したデータ連携のプロトタイプの開発なども進めています」(小野副社長)とのことだ。

パートナーの付加価値に「DataSpider」を活用

 アプレッソの製品は、システムと連携させることにより真価を発揮する。そのため、システムインテグレーターなどのパートナーが付加価値として利用するケースも多い。

 「パートナー様が自社のソリューションを提案する際、お客様の既存システムとの連携を求められることがあると思いますが、“DataSpider”を使えば、それが容易に実現できます。また、接続先アプリケーションのバグなど、データ連携をする際の“はまりポイント”なども回避できるので、リスクを“DataSpider”で吸収することができます。非常に利便性の高いツールとしてご活用いただいております」(小野副社長)。

 アプレッソでは、データ連携だけではなく、ヒューマンワークフローまで踏み込んだソリューションの開発にも着手し、年内にリリースする予定だ。「実際の業務では、承認作業のように人が関わる部分があります。“DataSpider”では、データを連携することでシステム間をつなぐことができますが、それには限界があります。間に人が入っても、すべてのプロセスで活用できるソリューションを提供いたします」(小野副社長)。

 日本版SOX法などにより、業務プロセスなどを確立して運用するケースも増えている。そのような企業においても、新しいソリューションが最適な提案となることは間違いない。

 「当社の製品は、パートナー様が付加価値として活用いただけるミドルウェアです。アプリケーションベンダー様にも数多くOEMさせていただいている実績もあります。また、セミナーなどを通じて情報提供を行ったり、パートナー様のビジネスチャンスを広げるご支援をさせていただいています」というのがパートナーへ向けたメッセージだ。

 アプレッソは、認知を広げるべく第17回ソフトウェア開発環境展(08年5月14日から16日:東京ビッグサイト東展示棟にて)に出展する。同社のソリューションにふれる最良の機会となるだろう。

※「DataSpider」の最新バージョン製品名は、「DataSpider Servista」です。