エーティーワークスはPC・AT互換機(DOS/V)のパーツ販売業を起点とし、1994年に富山で設立された企業だ。1996年にはオンラインショップを開設し、PCや周辺機器のオンライン販売を開始。1997年からは、広告制作会社のリンクと共同で「AT-LINK 専用サーバ・サービス(at+link)」を提供している。現在、at+linkのサーバ稼働台数は8100台を超え、9割以上は自社マシンが占める。SOHOから中小規模企業、官公庁など、業種・業態を問わず幅広く利用され、今や国内最大規模の専用ホスティングサービスとして名高い存在だ。  さらに同社では、at+linkで培ったノウハウを生かし、従来の設置スペースの1/2もしくは1/4という省スペースを実現したサーバ群を市場に投入。省電力サーバへの取り組みにも力を入れ、サーバ運用の潮流である「グリーンIT」への要求にも応えている。また、サーバラックの製造を手がける河村電器産業との協業により、さらなる飛躍を目指している。at+linkで多くの支持を獲得し、「省電力・省スペース」をキーワードに展開する同社の動きを追った。


「省電力・省スペース」を実現する“赤いサーバ”

 「at+linkを運用する中で、“いかに自社でランニングコストを抑えるか”という課題があり、それを解決してきました。現在、提供しているサーバは、これらのノウハウが蓄積されたものです」(永井浩和 取締役副社長)。

 同社では、「省電力・省スペース」を実現するラックマウント型サーバとして「radserv シリーズ」を提供。このシリーズには、ノートPCにも利用されている45nm インテルCore 2 Duoプロセッサー T9300(2.50GHz)を搭載した省電力モデル「radserv X」や、インテル Xeon クアッドコア・プロセッサーX3360を搭載したシリーズ最上位モデル「radserv NEO-X」などのラインアップを揃えている。従来のハーフサイズで省スペースを可能にし、電力消費も半分に抑えた。

 「radserv シリーズ」は、オンラインショップを通じて「Build To Order(受注生産)」という形で提供。2.5インチHDDの場合は、RAIDカード搭載時にホットスワップをサポートする。IPMI 2.0をオプションで追加すれば、管理者による監視や復旧といったサーバの遠隔操作が可能だ。さらに、省スペースにこだわり、1Uスペースに独立したサーバを4台収納可能にした「Quad Beagle」がある。「Quad Beagle」は、「radserv X」と同様のマザーボードを採用し、省スペースでありながら、省電力も同時に実現したモデルだ。

 今後の展開については「SIer様の新しいビジネスを支援したい。最近では、アプリケーションを持っているSIer様から、アプライアンスとして販売したいというお声をよくいただく」と永井副社長。「省電力・省スペース」という同社の取り組みがSIerにも注目され、ホテルや無線LANスポット、マンションなどに向けたインターネット接続サーバ「Secure POPCHAT」などのアプライアンス製品の提供につながっている。「アプライアンスとしての提供は、当社にとっても大きなビジネスチャンス」と永井副社長は期待を寄せる。

多くの実績を積み重ねたホスティングサービス「at+link」

 1997年、エーティーワークスとリンクの共同事業であるat+linkが、本格的にサービスを開始した。東京と富山の2か所にデータセンターを構え、専用ホスティングに特化したサービスとして好評を博している。at+linkで稼動する自社マシンは9割以上を占め、ハイスペックでありながら手ごろなサービス価格を維持。障害時のハードウェアは無償で交換に応じるなど、ハードメーカーならではの強みを生かした展開を行っている。

 at+linkでは、1ユーザーが、1台のサーバをルート管理者権限を持って利用できる専用サーバを提供する。1997年以来、一貫して24時間365日のサポート体制を整え、万が一の障害時にも迅速に対応。常駐のサーバ管理者がいらないため、顧客へ大きな安心感を与えている。

 at+linkの利用料金は、マシンごとの保守契約が不要(初期費用0円~、月間利用料1万9950円~)。最低利用期間は設けられていない。「サービス開始時から価格を下げずに展開し、現在では8100台の稼動実績があります。価格を維持しつつ、付加価値を上げてきたことが評価されたと思います」と、永井副社長は語る。

 さらに、同社が新しいトピックとして掲げるのが「仮想化」だ。at+linkでは、「Xen」を使ったエントリークラスや、Xenをベースとした商用仮想化ソフト「Virtual Iron」を利用した仮想化ソリューションなど、目的に応じた仮想化を提案している。「VMwareであれば80‐90万円かかるところを、“Virtual Iron”を利用すれば、30万円弱に抑えることができる。大きなコスト減につながります」(永井副社長)。

 at+linkで多くの実績を持つ同社だが、本当のビジネスチャンスはこれからと意気込みは高い。東京本社・営業本部・セールスプロモーション課の高瀬由照課長はこう語る。

 

 「at+linkは、レンタルサーバのなかでは、かなりの知名度があります。同様に、エーティーワークスサーバ製品群の知名度アップに努めたいと考えています」。

河村電器産業と共同でデータセンターを再現

 Interop Tokyo 2008では、河村電器産業と共同でブースを出展する。同社では、ラックメーカーである河村電器産業と協業し、サーバラックの冷却などについて共同検証を行い、シナジー効果を図っている。今回のブースでは、データセンターを再現した展示を行う予定。エーティーワークスのサーバ群が、どのようにデータセンターで動いているのかが一目瞭然だ。そのほか、「Virtual Iron」による仮想化環境のデモンストレーションやアプライアンスなども展示する。「ケーブリングを含めて、省スペースの中ですっきりサーバが収納できることをアピールしたい。当社の赤いサーバ群に合わせた19インチラックも展示するので、見た目にもインパクトがあると思います」(高瀬課長)。