2008年4月、業種対応力、地域顧客対応力の一段の強化に向けて、構造改革に踏み切った日本事務器(NJC)。その中で技術力に定評のある同社がキーワードに掲げたのが「プラットフォーム」事業の推進だ。そこで、今回はプラットフォーム&サービス事業推進本部の販売企画推進部・新谷敏郎部長と事業計画部兼技術企画推進部・高井俊彦部長に、同事業部の役割、仮想化を中心とするソリューション、そしてパートナー戦略などについて話を聞いた。

プラットフォーム事業をワンストップサービスする「P&S」
現場で育てた技術、知識をバックボーンにお客様へ最適なプラットフォームソリューションをご提供
仮想化の導入を後押しする「VMware導入支援ソリューション」

プラットフォームテクニカルエンジニア(PTE)を中心にパートナーを支援
“プラットフォームテクニカル・ディストリビューション”


 日本事務器は、4月からの構造改革に先駆け、お客様へ最適なプラットフォームソリューションをご提供するため、ITインフラ構築サービスエンジニアを集約した「プラットフォーム&サービス(P&S)」の組織化に着手している。

 新谷販売企画推進部長は、「お客様目線でのソリューション、特にプラットフォームの提供には、お客様に一番近いカスタマエンジニア部門が適任です。1年半前に事業部を設立し、技術的なサポートのうえに成り立つプラットフォームの提供を目指しています」と役割を説明する。

 そのプラットフォーム事業戦略において、重要な役割を担うのが「PTE(プラットフォームテクニカルエンジニア)」と呼ばれる技術のスペシャリストだ。従来のSEやCEを統合し、ネットワークやミドルウェア、情報系のアプリケーション(ドキュメントやワークフローなど)の高度な技術や知識を有した技術者を社内で集め、パートナー支援を前面に立って推進している。

 「全国に配置されたPTEにより、地域の既存顧客、新規顧客、そしてパートナー、SIerと密接に関わりながら、最適なプラットフォームやソリューションを提供することができます」(新谷部長)。

 一方、こうしたPTEの活動の後ろ支えになっているのが、同社の卓越したプラットフォーム構築力だ。高井事業計画部兼技術企画推進部長は、「プラットフォームのソリューションは、当社の技術者の経験、実績を踏まえ、標準化、メニュー化が図られています。属人的になりがちなシステム構築に対し、NJCは一定の品質、価格を体系化しました。パートナーに対して目安や基準となる仕組みを提供できる、まさに“プラットフォームテクニカル・ディストリビューション”です」と語る。

仮想化のニーズに応えるトライアルサービス、技術者養成

 昨今、サーバ統合、仮想化を導入する企業が増えている中、NJCではVMwareにフォーカスし、仮想化のソリューションに取り組んでいる。2008年10月には、仮想化の検証が出来る「VMware導入支援ソリューション」の提供を開始した。

 「VMwareの導入を検討している企業が、納得して次の構築フェーズに移行してもらうためのサービスです。トライアルとして、既存環境が仮想サーバで正しく動作するかを評価する『P2V』サービスと、仮想サーバの新規構築環境でお客様の環境を新たに構築する『新規』サービスがあります。移行する作業をNJCが行い、トライアルにかかる移行環境、サーバも提供します。さらに統合化に向けて既存のシステム環境を調査し、プランニングする『サーバ統合アセスメントサービス』も用意しています」(高井部長)。

 同サービスは、調査から最終的な報告までワンストップで提供できるのが大きな強み。顧客だけでなく、パートナーの後ろ支えとなって、文字通り、プラットフォームテクニカルをディストリビューションすることにもなる。すでにNECとの協業で実績をあげるなど、導入事例、トライアル利用事例が増えつつある。

 また、新谷部長は、「現在、VMwareの技術者認定資格『VCP(VMware Certification Professional)』の有資格者の育成は当然ですが、VMware認定セールス資格『VSP(VMware Sales Professional)』も、現在の200名強から300名以上の体制になる予定です。そうした人材底上げに向けて、現在教育や支援を進めています」と、技術、知識レベルの強化、そして育成に力を注いでいるという。

 

 従前よりNJCでは提供するソリューションを自社内で導入するなど、「NJCショーケース化」を図っており、実際の体験や体感を共有し、安心、安全を提供する企業文化が根付いている。時代が求めるニーズに対し、今後も営業と技術が連携を強め、ソリューションの高品質化をさらに充実させていく構えだ。

ソリューションを組み合わせ最適化 地域、事業推進ラインと連動

 P&Sでは、仮想化以外にも「情報漏洩、ウイルス対策」、「バックアップ」、グループウェアやドキュメントワークフローなどの「情報系」といったソリューションを体系化、メニュー化している。これらをニーズに合わせ、自在に組み合わせてパートナーに提供できるのも、NJCの大きなアドバンテージとなっている。

 「コストも手間も削減できるサービスを作り出すのがNJCの役割。全国展開により、これまで培ってきた顧客対応力に磨きをかけ、次のステップアップに向けた“気づき”を与える提案を目指します」(新谷部長)。

 今後はパートナー支援を促進するとともに、新規パートナーの開拓やインターネットを通じた拡販にも力を注いでいく。一方、新規のプラットフォーム製品、技術に対しても、「仮想化は、VMware以外に、マイクロソフト、シトリックスもあります。今後は各社への対応も必要になってくるでしょう。当社で約3年前から着手した仮想化が今求められているように、先を見据えた技術をみがいていくことが重要です」(高井部長)と、常に先を行く体制、技術者養成を促進していく予定だ。

 「技術が分かる営業と技術を磨いたエンジニアが足並みをそろえていけば、各地域のユーザーやパートナーが欲している技術、知識を間違いない形で提供できるでしょう。さらに、医療・公共、業種ERP分野などのソリューション事業と連動し、提供するプラットフォームの体系化も進んでいます。P&Sが当社のプラットフォーム(事業基盤)として位置付けられるよう努力していきたいと思います」(新谷部長)。

 お客様目線での最適なソリューション提供を目指したNJCのプラットフォーム&サービス事業が、他のシステムインテグレーターにとって力強いパートナーとなることは間違いない。<次回へつづく>

クリックで拡大