日本事務器(NJC)は、2008年4月の構造改革を機に業種ERP事業推進本部を設置した。以来、食品製造・卸売業などの注力業種で従来のパッケージ事業の強化、保守サポートの充実、サービス事業の新規立ち上げなどに取り組んできた。また、他社や社内のプラットフォーム&サービス、医療分野などの他部門と連携を図り、シナジー効果を活かした事業拡大、シェアの拡大に挑んでいる。そこで、業種ERP事業推進本部ソリューション&サービス企画部長・山本常勝氏と、課題解決を上流(超上流)工程から支える同事業部コンサルティンググループ コンサルタント・染村哲也氏に、事業部の役割と中期的なソリューション戦略、パートナー戦略などについて話を聞いた。

コンサルティング機能を強化、課題解決型ソリューションを目指す
ERP市場でシェア3%へ OEM商品の積極採用、他社との連携で付加価値を最大化

経営課題を解決する投資効果の高いNJC ERP Solution業種に特化して強みを訴求

 日本事務器(NJC)は、2008年4月の構造改革を機に、業種ERP事業推進本部を設置した。それから約1年が経過し、業種に特化したビジネスは着実に成果が出ている。

 業種ERP事業推進本部ソリューション&サービス企画部長の山本氏は、「これまでは累計2600本、約900社の導入実績を持つCORE Plus(コアプラス)をはじめ、『パッケージ事業』を中心にビジネスを展開してまいりました。現在は、食品製造・卸売業など注力業種軸での事業の売上拡大、新規顧客獲得を目指しパッケージ事業に磨きをかける一方、保守メニュー拡充やNJCお客様コンタクトセンターとの連携による『ストックビジネス事業』、課題解決ソリューションとして新たに創出されるサービス商品や子会社のNJCネットコミュニケーションズとの協業によるSaaS・ASPなどの『サービスビジネス事業』の3つの柱で付加価値の高いソリューションを提供しています」と語る。

 パッケージ事業は、従来、自社パッケージの比重が大きかったが、当事業推進本部設置以降、OEMや他社とのアライアンスにも積極的に取り組んでいる。2008年11月には、京セラミタジャパンと、食品業の安全マネジメントシステムに関して販売提携。「Hazard Master(ハザードマスター)」と呼ばれる、HACCP認証やISO22000取得に代表される食品の安全管理を支える文書管理システムとマネジメント基盤の取扱を開始した。

 さらに、2009年1月にはジェーアイシーと医療分野向けの経営管理システムで販売協業を発表した。このように、専門的なパートナーとアライアンスを組むことでシナジー効果が生まれている。

 自社パッケージについては物流システム「CORE Plus qbic ePick(コアプラス・キュービック・イーピック)」を新たにラインアップし、充実を図った。

 「食品製造・卸売業などこれまで注力してきた事業はさらに深く、そして当社の強みである医療分野へ事業を広げることで、シェアアップを目指しています。ERP市場でのシェア3%と食品業界でのシェア20%を目標に掲げています」(山本氏)。

 

 目標を達成するためには、他社だけでなく自社のパワーもフル活用する。実際、プラットフォーム&サービス事業推進本部や医療・公共事業推進本部との連携も進めており、同社の強みを活かし、シナジー効果で目標の実現に挑む。

課題解決型のトータルソリューション 4大課題の解決にコンサルティング機能を強化

 業種ERP事業は、基幹情報の一元管理や経営の意思決定支援など、企業が抱えている課題を解決するソリューションが求められる。

 コンサルティンググループ コンサルタントの染村氏は、「コンサルティングを含めたトータルソリューションは、経営課題の共有から解決策を導きだします。その中には、必ずしもITを必要としないものもあるでしょう。つまり、課題解決が最優先というのが当社のスタンスです」と語る。

 「在庫の削減」「物流コストの削減」「TCOの削減」「売上の拡大」という企業にとって永遠のテーマである課題に対し、NJCは「サービス」「顧客」視点でソリューションの提供を目指している。

 そのために、構造改革を機にコンサルティンググループを組織化し、上流(超上流)工程から課題解決に臨む姿勢を明確に打ち出した。また、ソリューションの体系化にも取り組んでおり、サービスの強化を図っている。

重要なパートナー戦略 得意領域の融合でWin-Winへ

クリックで拡大 業種ERP事業の発展には、パートナー戦略を欠かすことはできない。

 重要なパートナーであるNECとは、より密接な関係を目指し、従来より姉妹関係であるNECのERPブランド「EXPLANNER(エクスプランナー)」とNJCの「CORE Plus qbic」との補完関係の強化を模索している。例えば、NJCの強みである食品業や医療分野をテンプレート化し、相互連携で販売するといったチャレンジだ。

 「NECの得意な大手企業と、当社が得意な中堅・中小企業などが、うまくゾーニングできれば、双方にメリットがでます。また、全国展開による各地域のお客様の存在も大きな強みです。地場の企業とのパートナー戦略とは別に、当事業推進本部のパートナー戦略として、業界内で得意な領域を持つSIerや企業と連携していくことが、今後重要なミッションになります」(山本氏)。

 現在、主戦場となっている中堅・中小企業のERP市場でシェア獲得を見込むのは並大抵のことではない。NJCの持つ業種の得意領域、地域の面としての強さを発揮し、パートナーとともに拡大していくことが重要になる。

 山本氏は、「自社パッケージにとらわれない提携を企画しているので、1プラス1が3にも4にもなるWin-Winの関係を築いていきましょう」とメッセージを送る。

 染村氏も「課題解決という切り口で、お手伝いいただけるならば、業界を越えても構いません。投資効果の高い、ユーザーの期待に応える提案、気付きを与えることができれば」と続ける。

 約1年の間に「CORE Plus qbic ePick」の発売、他社とのアライアンスなど、矢継ぎ早に戦略を推し進めてきた業種ERP事業。来期はサービス事業や運用サービスの基盤を固め、さらなる飛躍を目指す。NJCの強みを活かした業種ERP事業の今後に期待が高まる。