医療・文教市場では、2008年4月からスタートした特定健康診査・特定保健指導や後期高齢者医療制度などにより、医療保険制度が大幅に改正され、また、大学は少子化による全入時代に突入し、ともに生き残りをかけたサービス重視の取り組みを加速させている。日本事務器(NJC)は、長年定評のある医療・文教ソリューションを時代の変革に対応したビジネスモデルに再構築、展開している。本年は、パートナーへ新たなビジネスモデルの提供を開始し、更なる市場の深耕を目指す。そこで、今回は医療・公共事業推進本部・佐久間本部長と、ソリューション&サービス企画部・真川部長、販売企画部・徳永部長に、同事業部の役割と今後のソリューション展開、パートナー戦略などについて話を聞いた。

パートナーとの連携強化に“Business Place”を提供
ヘルスケア・文教ソリューションが目指すのは、『お客様のその先まで』
サービス主導のビジネスモデルを構築

時代の要請に応えたビジネスモデルでトータルソリューションを提供

 ヘルスケア分野では、近年、診療報酬の引下げや療養病床の転換、新研修医制度などによる医師不足により、病院施設経営を取巻く環境は厳しさを増すと同時に社会的影響度から経営の健全化が求められている。また、文教分野においては、少子化問題による学生数の減少が深刻化しており、学生数の定員確保対策が優先する課題となっている。

 こうした中、社会・地域生活に欠かすことのできない、保健・医療・介護福祉、教育の未来を見据えて、ソリューションに取り組んでいるのがNJCだ。

 佐久間本部長は、「ヘルスケア分野では、保健・医療・介護福祉の3本柱で、文教分野は、教育研究、教学・法人管理、図書館の3本柱で、企画・導入から運用・保守まで、幅広いソリューションを提供しています」と、その取り組みを紹介する。社会情勢の変化に対応し、魅力あるソリューションをいかに提供していくかを考えた結果、「サービス主導のビジネスモデルが重要」だという。

 ヘルスケア分野について、「ビジネスモデルの中心となるソリューションは、病院内の情報化の中核をなす『電子カルテ/オーダリングシステム』です。看護、検査、調剤といった周辺システムについては、パートナーとの協業によりソリューションを提供しています。併せて、可用性の高いプラットフォームを実現するために、自社のプラットフォーム&サービス事業推進本部と連携して、最適なサービスレベルによる保守・運用支援および各種監視サービスなどによる地域医療サービスの構築など、サービスの拡充を目指しています」と、ヘルスケア分野のサービスの必要性を説くのは、真川ソリューション&サービス企画部長だ。

 同社ではNECとの協業により設置した株式会社メディカル情報サービスを通じて、システム導入後のコールセンターサービス、運用支援メニューを用意し、365日対応でお客様の課題解決にあたっている。

 また、昨年4月からスタートしたメタボリックシンドローム対策としての特定健康診査・特定保健指導への対応についても、3年前から独立行政法人国立健康・栄養研究所との産学連携による共同研究により保健指導のプログラム化へ取り組むなど、常に先を見据えた事業へもいち早く対応している。

 このように時代・市場のニーズを先取りして、トータルソリューション&サービスを提供できる点が、他社にはないNJCヘルスケア事業ならではの大きな強みといえる。

 文教分野を担当する徳永販売企画部長は、「学生サービスをキーワードに、従来の事務処理を中心としたシステムからの転換を図っています。そのためにWeb版にリニューアルしたのが『Campus Avenue』です。履修、進級、卒業などの事務処理工数を大幅に軽減し、情報提供や共有により、学生指導・支援の充実が図れます。現在は首都圏、近畿圏を中心に、生徒数1万人以下の大学を対象に展開中です。また、図書館システムについては、本年より全国展開を開始します」と語る。

 また、教育研究系(教研系)ネットワークにおいて、同社はシンクライアントの導入を推進。自動証明書発行機などの周辺ビジネスについては、パートナーとの協業により拡充することで事業拡大に励むという。

時代をにらみサービスの輪を拡大 更に進化した新サービスを提供

クリックで拡大 NJCでは、次代に向けて新たな取り組みを開始している。

 病院経営の健全化のために、業種ERP「CORE Plus qbic」に医療法人向けテンプレートのリリースと今春市場投入予定の新医療事務システム、新健診システムの開発を進めている。

 併せてサービス主導のビジネスモデルへと舵を切ったNJCは、医療系運用支援サービス「MACH(マッハ)」、また文教分野においては、学生教職員向けポータルサイトをパッケージ供給型から利用型サービス提供として新たに開始する。

 佐久間本部長は、「病院や医師を選べる現在、より魅力ある病院経営の実現が必要です。電子カルテは急性期病院を中心に導入されていますが、今後は高齢化社会に向かい、慢性期への対応、地域との連携が重要になってきます。大学のポータルシステムについても、学生が使い易いようなサービスの提供が必要になるでしょう。つまり、目の前のお客様だけではなく、その先にいる患者さんや患者さんのご家族、学生や学生さんの保護者など、弊社にとってのお客様の更にその先まで考えたビジネスモデルを構築し、付加価値を提供することが大事です」と、先を見据えた付加価値サービスの重要性をアピールする。

 実際、市町村合併に伴う病院の統合、地域医療における医師不足など、深刻な事態が起こっている。

クリックで拡大 「病病連携、病診連携など、地域連携がますます重要になることは疑いようがありません。地域のパートナーと連携をとって、サービスの質を上げ、モデルを拡充する。その“場(ビジネスプレース)”をNJCが提供することで、パートナーとWin-Winの関係を作りたいと思っています」(真川部長)。そのために、同社では、“ソリューションマップ”を作成し、空いている部分を埋める、つまりニーズに対してサービスを持ち得ない部分を拡充するビジネスモデルの構築に取り組んでいる。そこに、パートナーとの協業によるビジネスチャンスも生まれてくる。

 また、「文教分野も、競争優位の仕組みを作ることが大事です。それには、入学から卒業まできちんと把握できる仕組み、他社製品とのリンクなど使いやすい仕組みが重要です。NJCではパートナーシップを大切に、新たなサービスづくりをおこないます」(徳永部長)。

 従来のパッケージ販売モデルから、サービス提供モデルへの転換により、NJCのサービスの輪は、お客様からその先まで広がろうとしている。

 保健・医療・介護福祉、教育など、身近で安心、安全なサービスの実現には、パートナーとの連携が不可欠。今後も、NJCは継続した顧客満足度向上を目指し、付加価値の高いサービスの提供に挑み続ける。