Special Issue

<アイエックス・ナレッジ グループ>しっかりとしたモノ作り集団を目指し、個を活かす教育を実現

2009/03/11 19:55

週刊BCN 2009年03月09日vol.1275掲載

アイエックス・ナレッジグループの「人財」育成とは

 経済混迷の影響を受け、市場は非常に厳しい状況ですが、この激流を変革への好機ととらえて、独立系情報サービス業としてのアイエックス・ナレッジグループの役割を原点から見つめなおします。時流に柔軟で、より利便性にすぐれ、お客様にとって最も適した情報システム、ITソリューションを提供するために、アイエックス・ナレッジグループは、そして個々の営業マン、エンジニアは、いま何をすべきなのかを考え、行動に移します。私たちの強みのひとつは、培われた業務ノウハウに裏打ちされたアプリケーション系システムづくりにあると自負していますが、今後これに一層みがきをかけるとともに、より効率的なコストパフォーマンスを生み出すための基盤系ソリューションにも力を注いでいきます。そのためにはまず、「先進技術」「業務ノウハウ」「マネージメント力」の3つの要素をバランスよく有し、かつ「人間力」を備えた人材を育成してまいります。(アイエックス・ナレッジ株式会社 代表取締役社長:安藤 文男氏)

 安藤社長のコメントにもあるように、アイエックス・ナレッジグループでは、「先進技術」「業務ノウハウ」「マネージメント力」の3つの要素をバランスよく持ちつつ、「人間力」を備えた人材育成を行っている。それが他社との大きな違いであり、同社の強みにもなっている。同グループの「人材開発・教育」を担当する子会社、IKIアットラーニングの教育ソリューション事業部長の松井睦子氏に、「人財」育成について話を聞いた。

―まず、アイエックス・ナレッジの教育状況について教えてください。

松井
 お客様により良いサービス、より良いシステムを提供するためには、その業務にかかわる社員のスキル向上が欠かせません。アイエックス・ナレッジ(以下、IKI)グループでは、社員一人ひとりの能力を最大限に引き出す“人財”育成に力を入れています。そのための「人材開発・教育」を行っているのが、IKIアットラーニングです。IKIアットラーニングは、IKI本体はもちろん、IKIグループ全体の教育を担っています。人材育成の目的は、「事業戦略を実現できる人間を育てる」こと、つまりこの教育が事業部門を下支えし、最終的には経営戦略を支えることにもなります。人材育成・事業戦略・経営戦略というサイクルがうまく回るようになれば、ゴールは間近です。

―研修のメニューには、どういったものがありますか。

クリックで拡大松井
 現在は200ほどの研修メニューを用意しています。1回のコースは2日前後です。しかし、プロジェクトマネージャーの養成は、とても2日の研修だけでは足りませんので、ほぼ毎月研修を行っています。研修では、「知識」を「経験」へ、そして「経験」を「知恵」へとつなげていく流れを作っていこうと工夫しています。

 研修メニューを大きく分けると、テクニカルスキル系、ヒューマンスキル系、マネージメントスキル系の3つに分類されます。システムやサービスなどを実現させるには「テクニカルスキル」は不可欠ですし、顧客ニーズを反映したり、立場・状況に応じて的確に判断をするためには「ヒューマンスキル」が重要となります。また、プロジェクトや事業戦略という意味では「マネージメントスキル」が必要とされるでしょう。こういったメニューのなかで、IKIグループではオンリーワンの人材を育てています。

 しかし、人材育成は、一朝一夕で完成するものではありません。育成の過程には、大きく3つのフェーズがあると考えています。『フェーズ1』は、“人材育成の取り組みを強化する”段階です。IKIグループの場合、トップの意向が大きく作用し、人材育成への取り組みが活性化しました。そして『フェーズ2』は、“人材を活性化させる”段階です。これは、長期・短期の目標を決めて自己実現をしていくフェーズです。『フェーズ3』は、IKIグループのみならず、協力企業様にも人材育成を広げようとする段階です。お客様にサービスやシステムを提供する場合、協力会社様の力添えが不可欠です。その協力会社様に対しても、IKIグループと同様の「人財育成」サービスを提供することで、より良いサービスをお客様にも提供できるようになります。『フェーズ3』の取り組みはすでに始まっており、2007年から08年にかけて足場固めをしっかりと行い、09年から本格的なサービスを提供できるようにしています。

―人材育成の最終目的は、現場で業績をあげられる優秀な人材をいかに育てるかということなのでしょうか。

松井
 IKIアットラーニングは、人材開発室に端を発していることもあり、「教育」の根底にあるのは「内発的な動機付け」です。地位や報酬に依存しない「内発的な動機付け」で自分からモチベーションをあげていくことが重要です。それを実現する方法として、「本人が向上心と競争心をもって自ら学習するサイクル」と「上司が仕事を与え、責任を与えそれを承認して本人に達成感を与えるサイクル」、そして「本人も上司もともに健全な心身でいるサイクル」という、3つのサイクルを考えています。

 人材育成の最終目的は単に現場で業績をあげられる優秀な人材を育てるということではなく、生き生きと事業に貢献できる優秀な人材を育てるということにあると思っています。そのための3つのサイクルなのです。

 3つのサイクルがうまく循環すれば、現在の業務遂行時に効果的な変化が生まれ、事業戦略に貢献できるようになるでしょう。

 昨今、市場環境が厳しさを増しています。だからこそ、より生産性・品質が高く、お客様にとって満足いただける提案ができる人材が望まれると考えています。改善の視点をもち、方法論まで落としこみ、お客様に最善の提案ができる人材を育てるためには、まず問題を発見し、課題化できるようになることが必要でしょう。現在、研修コースの75%近くは多様化した技術や方法論、業務知識に対応したテクニカルスキルですが、残りの25%はマネジメントスキル、ヒューマンスキルが占めています。IKIグループでは常に選ばれる企業であるために、今だけでなく「今後」を視野に入れた「人財」育成を行うことに注力しています。
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外部リンク

アイエックス・ナレッジ グループ=http://www.ikic.co.jp/