Special Issue

<セキュリティソリューション特集>情報漏えいで高まる内部統制ニーズ

2009/05/21 19:56

週刊BCN 2009年05月18日vol.1284掲載

エムオーテックス
長期的な製品ロードマップを策定

いち早くニーズを取り入れて開発

 セキュリティ製品のユーザーニーズとして、以前は、「万一の事態に備えて導入する」といった“保険”的な考え方が大半だったが、最近は、「セキュリティ体制構築のために導入する」企業体制としてのセキュリティ意識が定着してきている。そうした観点に立てば、将来的にどのような製品を市場に投入するのかをメーカーサイドが明確にすることは重要なことといえよう。新しいセキュリティ製品を導入すればどんなメリットがあるのか中長期的な展望を、ユーザー企業が把握しやすいからである。

 また、ユーザー企業がシステムのセキュリティ強化をさらに重要視するようになったのは、内部統制やPマーク取得など証跡として運用できるログの必要性と、コンプライアンス意識向上のためにログの抑止効果を改めて意識し始めたからだ。こうした実状を踏まえれば、メーカー側は、ユーザー企業のニーズをいち早く吸い上げて製品化を進めていくことが重要なポイントとなることが理解できよう。

 そうした状況にあって、エムオーテックスは今年4月から「LanScope Cat」などの製品機能に関するロードマップを公開した。なかでも、ユーザー企業のニーズに応えるための積極的な取り組みの1つが、ITメーカーが提供する製品との連携だ。

 例を挙げれば、マイクロソフトの「SQL Server」をデータベースに採用した「SQL版Cat」に加え、日本オラクルが提供する「Oracle Database」のエンジンを搭載した「Oracle版Cat」を市場投入した。ハードウェアでは、アイ・オー・データ機器とのアライアンスにより、パスワードロックと自動暗号化でデータを守るUSBメモリ「EasyDisk Secure2AMOT」を提供している。ほかにも、SIerとのパートナーシップで、インテックが長期ログ・検索ソリューションを提供しているほか、三井物産セキュアディレクションが内部統制コンサルティングサービスをスタートさせている。

 6月に予定している機能強化の面では、サーバ監視機能を大幅に強化し、ファイルのアクセス履歴をクライアント操作に結びつけるなど他社にはない機能を追加することで、ユーザー企業の全社的な統合管理を実現。ほかにも、オリジナルレポートの作成が可能となる「Webコンソールレポート出力」を追加する。これにより、レイアウトやコメントを自由にカスタマイズし、ユーザー企業のフォーマットに対応したレポートを簡単操作で出力できるようになる。定期的なレポート作成の手間を省きたいという多くの要望を受けて、同機能を開発した。

 こうした同社の取り組みは、ユーザー企業のニーズをいち早く取り入れて開発していることを訴求するためのものだ。「LanScope Cat」は1995年に販売を開始したツールで、たいへん長い歴史をもつ。これだけ長期間販売していると、最新機能がいつ搭載されたのか、ユーザー企業や販売パートナーの要望をいつ実現したのか、全てを把握しづらいとの声を受け、毎月最新のロードマップを公開する取り組みを開始した。

 ロードマップには、「Eco2」はマイクロソフトの「Outlook」との連携、「Guard3」は利益アップに向けたコネクション解析、「Cat6」ではUSBシリアル管理など、ユーザーの声を吸い上げた機能追加が目白押しだ。これらの新機能を知りたい方には、同社主催のLanScopeセミナーをお薦めしたい。最新の「LanScope」製品を見れば、今まさに旬のセキュリティ技術が自ずとわかるだろう。


エムオーテックス=http://www.motex.co.jp/

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