デジタルアーツ
情報セキュリティのフロントランナーへ
製品強化と販売網拡充で大きく飛躍する

方向性を固めた09年

　フィルタリングソフトで名を馳せているデジタルアーツは、情報セキュリティ関連のフロントランナーへの変革を遂げようとしている。

経営企画部　マーケティング課長 木野和宏氏

　2009年、同社は進むべき方向性を固めた。それは、トップメーカーの位置にあるフィルタリングソフト関連のビジネスだけでなく、情報セキュリティ全般を網羅したフロントランナーとしてビジネスを手がけていくということだ。取締役COO（最高執行責任者）の高橋則行氏は、「製品・サービスを提供するうえで、情報セキュリティのCIA（機密性／完全性／可用性）に重きを置かなければなりません。そのためには、フィルタリングソフトの枠を超えた取り組みが必要なのです」と強調する。そこで、「当社がインフラメーカーの役割を担い、他社とのアライアンス強化に力を注ぎました」と続ける。具体的には、同社のフィルタリングソフトである「i－FILTER」とKaspersky Labs Japanが提供するウイルス対策ソフト「Kaspersky Anti-Virus for Proxy Server」の機能を融合したソリューションを提供。セキュリティ以外では、総合的な管理・運用機能をパッケージ化している電子メールフィルタリングソフト「m－FILTER」を、日本IBMのコラボレーション・プラットフォーム「Lotus Notes/Domino」と連携することを実現した。

　販売面では、販社へ販売パートナーへの支援制度を強化。経営企画部マーケティング課長の木野和宏氏は、「販売パートナー様のSE（システムエンジニア）に対するトレーニングや勉強会を充実させるなど、ソリューション提供を展開しやすい環境を整えました」とアピールする。

飛躍をめざす10年へ

取締役COO　高橋則行氏

　2010年は製品の明確なポジショニングを定めるほか、飽くなき機能強化の追求、マーケットの拡大などを念頭に置き、さらに飛躍する方針だ。

　製品のポジショニングは、09年に引き続き、情報セキュリティのフロントランナーとして加速。「機能強化として、メジャーバージョンアップを計画しています」（高橋氏）。他社製品との連携を踏まえたアライアンスについては、「多くの問い合わせがあり、連携ソリューションのラインアップ拡充を実現します」と、木野氏は断言。加えて、「今後は、クラウドも視野に入れます」と、高橋氏はサービス型モデル提供の本格化を示唆している。

　販売面では、「常に支援プログラムの強化を意識し、販売パートナー様を増やしていきます」（木野氏）という。販売パートナー数は現段階で200社程度。これを400社規模にまで引き上げる方針で、「アライアンスを組んだメーカー様の販売パートナー様経由での拡販も図っていきたいと考えています」と、木野氏は新たな商流の構築を模索している。

　情報セキュリティのフロントランナーとして躍進するデジタルアーツ。そのために他社とのアライアンスによる製品連携で事業領域の拡大を図っている点は、付加価値が提供できることから販売パートナーにとってもメリットが大きいといえそうだ。販売パートナーと確固たる絆を固め、今後も成長することは間違いないだろう。


デジタルアーツ＝http://www.daj.jp/