モバイルデバイスやクラウドが一般化し、企業での導入が増えているなか、いかに安全を確保するかが課題の一つとなっている。また、社内ではソフトウェア資産管理体制の構築が必要とされるなど、企業を悩ませる問題も多い。その解決策となるのが、セキュリティ製品の導入だ。
適切な対処で利便性と安全性を両立
最近話題のiPhone/iPadに代表されるスマートフォンやタブレット型端末を、企業がビジネスで活用する場面が増えている。また、クラウドが本格的に普及していることも見逃せない。業務目的でWeb2.0アプリケーションを利用したり、Salesforce.comなどを利用する動きも広がっている。
営業担当者などの外勤の従業員は、ノートPCの軽量化や多様なモバイルデバイスを利用して、ロケーションを選ばずにいつでも情報にアクセスし、仕事をこなすことができるようになった。
こうしたモバイルデバイスで、外部から社内ネットワークにアクセスできる自由度が高まった分、外部から不正アクセスされるリスクも高まることとなる。業務アプリケーションのウェブアプリケーション化や、Web2.0アプリケーションを業務に生かすなど、ますますインターネットがビジネスで不可欠になっている状況下で、特有の問題が発生している。業務に関係ない掲示板に書き込んだり、オンラインストレージを利用するなどして情報漏えいを起こすケースや、ウイルスに感染してしまうケースなどだ。そこまではいかなくても、業務に関係ないサイトにアクセスするということは、生産性を損なうことにつながる。
こうしたことから、利便性を高めながら、セキュリティリスクを回避する手段をとる必要性はますます高まっている。例えばソリトンシステムズは、ネットワーク認証アプライアンス「Net’Attest EPS」で、iPhone/iPadなどのモバイルデバイスを含め、社内ネットワークに対する適切なアクセス制御を実現する。
また、デジタルアーツは、昨年、国産初のセキュアプロキシアプライアンス「D-SPA」の提供を開始。アプライアンスなので手軽に導入することができ、安全かつ高速で効率よく運用するために、企業内LANのゲートウェイ上に設置するアプライアンス製品だ。i-Filterのオプションを追加すれば、これ1台で高速でしかも安全なインターネット環境を実現できる。
資産の洗い出しでコストの最適化
こうした社外に対してのセキュリティ対策も重要だが、企業が対応すべき問題は社内にも山積している。意外なところで企業を悩ませているのが、最近、大規模な不正摘発で話題となったライセンス違反や違法コピーだ。ベンダー、製品、ライセンス体系、契約情報によって、管理が異なってくるために、管理の仕方がずさんなら、気づかないうちにライセンス違反を犯している可能性がある。
企業でソフトウェア資産管理(SAM)を実現する一助となるのが、資産管理製品群だ。エムオーテックスが提供を開始するネットワークセキュリティ管理製品「LanScope Cat6 Ver.6.6.0.0」やインターコムが提供する運用管理製品「MaLion 3」は、ライセンス機能管理を大幅に強化して、企業におけるSAM体勢構築を協力にバックアップする。
SAMはただ、ライセンス違反を洗い出すだけでなく、社内におけるライセンスの過不足などを洗い出し、それを契約情報と照らし合わせることで、コストを最適化する効果もある。
社外、社内に対するセキュリティ対策。社内にいる「人」の自助努力だけでは、対策できないことも多い。ITツールの助けを借りることは、運用コストの削減につながる。
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