GMOクラウド(旧GMOホスティング&セキュリティ、青山満社長)のクラウド戦略の一端が見えてきた。2011年4月1日付けで社名をGMOホスティング&セキュリティからGMOクラウドへ変更。パブリッククラウドサービスの名称も「GMOクラウド」とするなど、クラウド事業をビジネスの中心に持ってくることを、より鮮明に打ち出した。世界的な大企業の使用にも十分に耐えうるグローバル対応サービスへアップグレードさせる。アーキテクチャの抜本的な見直しやグローバル展開の核心に迫った。

グローバル展開を推進へ

ITリソースに高い自由度

青山満社長
 GMOクラウド(旧GMOホスティング&セキュリティ)のクラウドサービスは、クラウド基盤の導入コンサルティングからシステムの設計や構築、運用、監視に至るまでをカバーする包括的なサービスメニューを揃えるものだ。2011年2月からプライベートクラウドから順次サービスを始めており、4月11日にはパブリッククラウドのサービス開始、今後も大幅にサービス内容を拡張していく方針を示す。これまでのホスティングサービスでは、中小・中堅企業ユーザーが多くを占めていたが、「GMOクラウド」の投入により「世界的な大企業の使用にも十分に耐えうるグローバル対応サービス」(GMOクラウドの青山満社長)へとアップグレードさせる。

 「GMOクラウド」は、既存の大手クラウドサービスのアーキテクチャを刷新する設計思想を採り入れている。これまではVMの性能によって価格が決まるインスタンス型の方式が主流だったが、「GMOクラウド」では、ユーザーが利用するクラウドITリソースそのものをベースにサービスを組み立てるリソース提供型のクラウド。ITリソースとはCPUのコア数や処理性能、メモリやハードディスクドライブ(HDD)などで、ユーザーは必要なITリソースを必要なだけ追加できる。その上で動かすVMの個数や性能についてもユーザーが自ら選択していく。これによってVMをどう活用するかの自由度が格段に高まる仕組みだ。

海外DCやCDNを積極活用へ

田中康明 常務
 たとえば、処理性能が重視されるアプリケーションであればCPUリソースを重点的に増やしたり、メモリ使用量が大きいアプリケーションならばメモリの容量を、他のリソースに比べて相対的に大きくすることもできる。1つのITリソースに複数のVMを走らせて、別々のアプリケーションを動かすことも可能だ。

 クラウド上で大規模なシステムを構築するとき、これまでは複数のVMで分散処理をさせる“スケールアウト方式”が用いられてきた。「GMOクラウド」でもロードバランサーなどを駆使し、ユーザーが必要とするだけのVMをスケールアウト式で提供できる。ただ、それだけでなく個々のVMについても「ITリソースベースで処理性能や特性を拡張する“スケールアップ方式”にも対応する」(GMOクラウドの田中康明・常務取締役ホスティング事業統括兼クラウドサービス開発室担当)ことで、既存のクラウドサービスにはない柔軟性と拡張性を発揮させる。

 もう1つ、とりわけ他の国内ベンダーと異なる点が、「GMOクラウド」は設計の段階からグローバル市場を目指していることだ。米国子会社GMO CLOUD AMERICA(4月1日付けで旧Hosting&Securityから変更)など海外拠点が運営するDCも活用したり、グローバル規模のCDN(コンテンツデリバリーネットワーク)と連携するなど、グローバル企業のニーズに応えられるクラウド基盤づくりを急ピッチで進める。国内IDCを利用しつつ海外にデータのバックアップを置き、いざというときには海外にてシステムを稼動させるようなことも可能だ。世界的なシェア獲得を目指す。