サイボウズ(青野慶久社長)は、2011年10月、スマートフォン向けアプリケーション「サイボウズモバイル KUNAI」の新版をリリースする。「KUNAI Lite for iPhone」「KUNAI Lite for BlackBerry」「KUNAI Lite for Android」として提供しているアプリは、スケジュールのほか、多言語やメッセージ(社内メール)、ワークフロー、アドレス帳、メールといった基本機能をすべて無償で利用できるようになる。
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スマートフォン戦略部部長 プロダクトマーケティング部 プロダクトマネージャー 中光章 氏 |
基本機能を充実させることで、同社が打ち出しているコンセプト“No Emailワークスタイル”をスマートフォン上で実践できるようになる。中光章・スマートフォン戦略部部長プロダクトマーケティング部プロダクトマネージャーは、「社内メールだけで意見のやりとりを完結できて安心・安全だ」とアピールする。業務決裁も外出先から手軽にできるようになる。
基本機能をすべて無償できるようにする狙いは、既存ユーザーの囲い込みと新規開拓の両面ある。「KUNAI Lite」は、すでに5万人ほどのユーザーを抱えており、基本機能を有償で提供すればアプリ離れのリスクを抱えることになる。そのため、既存ユーザーには無償で継続して利用してもらい、さらにサイボウズ製品のユーザーを取り込んでいくことを決めたという。サイボウズ製品のユーザー数約300万人のうち、その10%にあたる約30万人の取り込みを目指す。
一方で、有償メニューも揃えることを予定している。モバイル機器管理(MDM)がそれで、リモートワイプ、外部接続、端末管理などができる機能はオプションで購入することになる。有償ユーザーの占める割合を、全体の15%程度にするのが当面の目標だ。「当社の調べによると、モバイルデバイスを紛失した人が全体の15%は存在することがわかっており、一定の需要は見込める」(中光プロダクトマネージャー)。
価格は、1ユーザー月額800円(5ユーザーから、年間契約)から。中光プロダクトマネージャーは、「『サイボウズ Office』と『サイボウズ ガルーン』のクラウド対応が進み、外部接続の必要がなくなれば、300円程度に価格を下げられるだろう」とみている。

iPad上での利用イメージ