理想科学工業は、事務用印刷機器を開発・販売するメーカーである。デジタル印刷機「リソグラフ」は孔版方式の印刷機で、官公庁や文教市場、企業に多く導入されている。最新鋭の高速カラープリンタ「オルフィス」は、ライン型のインクジェットヘッドを搭載し、毎分最高150枚のスピードでカラー出力が可能なビジネスプリンタである。同社が展望するITとプリンタの関係、市場戦略について話を聞いた。

プリンタの認識が変わる「速さ、安さ」

氏家直樹 営業統括部長
関澤秀夫 営業統括部市場開発二課長
紙はインターフェイス
プリンタの役割は重要


 「IT業界では現在、クラウドや仮想化といった技術やシステムの構築が注目されています。ITを通してやり取りされた情報はディスプレイやプリントアウトされた紙によってユーザーに届けられています。紙はユーザーインターフェイスのひとつとして大きな存在だと思いますし、当社のプリンタがお役に立てる場面があると考えています」と営業統括部長の氏家直樹氏は語る。

 紙に情報を定着させるのが、プリンタの仕事である。どんな印刷物をつくるのか、発生頻度はどれくらいか、印刷ボリュームは多いのか少ないのか。さまざまな条件下でプリンタは比較・検討され、最終的に導入が決定していく。

 「プリント業務のお悩みで多いのは、やはりプリントコストの削減、作業スピードの効率化です。当社のビジネスプリンタ<オルフィスX>シリーズは、ハイボリューム領域のプリント業務を効率化するのに適したプリンタです」と営業統括部 市場開発二課長の関澤秀夫氏は語る。

 オルフィスXシリーズは、プリント速度がA4片面で最高毎分150枚、両面は毎分75枚プリントできる(X9050の場合)。プリントコストは、A4片面、各色(CMYK)5%、標準設定連続印刷時で1枚あたり2.05円、モノクロであれば0.68円だ(用紙代別)。「高速・低ランニングコスト」を大きな特徴とするオルフィスだが、実際にどのような用途で使われているのだろうか。

 「特定業種の特定用途向けといったプリンタではありませんから、さまざまなお客様にご活用いただいています。チラシやDM、販促リーフレットの印刷、マニュアルや研修資料、地域コミュニティの広報紙など、用途も幅広いです」と関澤課長は説明する。

 今、市場開発部門が注目しているのが「帳票プリント」だという。

フォームとデータを同時印刷
「帳票プリント」が変わる


 ひと口に帳票プリントといっても業種によってさまざまであるが、たとえば自治体では次のような課題があるという。(1)帳票用紙が多種にわたり在庫管理が大変である、(2)帳票の表示項目に変更があると在庫は廃棄せざるを得ず無駄が生じる、(3)少量の帳票を外注するとコスト高になる、(4)ラインプリンタの保守代が高い、などである。これらの課題に対して、オルフィスはどういうソリューションを提供できるのか。

 「事前に印刷された帳票用紙に必要事項をプリントするという方式では、書式変更の影響を大きく受けてしまいます。オルフィスは専用コントローラに<フォームオーバーレイ機能>を搭載し、事前登録した帳票レイアウトに1件1件のデータを流し込み、白紙に同時プリントしますので、帳票の在庫管理のわずらわしさがありません。さらに専用紙から白紙(カット紙)での運用となるので用紙の管理は簡素化されます。プリントのために既存のシステムを変更する必要もなく、プリント業務フローを効率化できるので、大変好評です」と関澤課長は説明する。

 「封書による通知を圧着はがきの内製化に変えたら、丁合いや折り作業が不要になって効率が上がったというお客様や、数百種類あったフォーム印刷済み帳票の在庫がオルフィスでプリントするようになって大幅に減らせたというお客様もいらっしゃいます。印刷コストだけでなく、管理や運用工数が大きく削減できたというお客様が多いですね」と氏家部長は語る。

オルフィスで市場開拓
差別化や提案の武器に


 理想科学工業は、オルフィスの新規市場開拓のため、パートナーとの協業を進めていきたい考えだ。

 「プリンタ単体の導入提案だけでなく、システムや業務フローの効率化とオルフィスのメリットが相乗効果を出すような提案を進めていきたいと思います。ですから、お客様のお悩みの解決のためにも、その業種・業態に強みを持つSIer様やディストリビュータ様との協業は欠かせません。オルフィスのメリットをご理解いただき、客先への提案の強化に役立てていただきたいと思います」と氏家部長は語る。

 同社はさまざまな業種・業態のパートナー企業と手を握り、顧客に対してより効果のあるソリューションを提案していく。そのことが、オルフィスの新しい市場、新しい用途を切り拓くことになるに違いない。

 BCNカンファレンスでも、オルフィスのデモが行われる予定である。「実際に間近で実物のオルフィスのパフォーマンスをご体感いただきたいですね」と氏家部長は望んでいる。

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