東日本大震災で、事業継続に危機感を肌で感じるユーザー企業が増え、災害対策やバックアップ、セキュリティソリューションなどに関心を抱く企業が多くなってきている。すでにBCP(事業継続計画)などを策定してきたユーザー企業であっても、今回の震災でそれが有効に機能しなかったケースがあり、さらに確実な事業継続の方法を模索しているというのが実情だ。そうした状況から、シンプルで効率的、さらに高信頼性のあるストレージが注目されている。

 国内ストレージシステムの出荷容量は、右肩上がりの成長を遂げている。IDC Japanが2011年8月11日に公開した「国内ファイルストレージ需要動向」によると、2010年の国内ディスクストレージシステムの出荷容量は809.6ペタバイトで、2009年比で35.4%増となっている。

 さらに特徴的なのは、ファイルベースの容量構成比だ。2005年には34.2%だったが、2010年には48.0%まで上昇している。IDC Japanでは、ファイルデータの多様化やデータ個数の増大、ファイルサイズの大容量化により、ファイルベース容量に対する需要が高まったと分析している。

 そのため、大容量のストレージを選択するのはもちろん、シンプロビジョニングや重複除外機能などでムダを最小限に抑え、可能な限りデータを保存できるテクノロジーが注目を集めている。これまでブロックベース中心で行ってきたストレージ管理も、ブロックベースに加えて、ファイルベースのストレージ管理が必要となっており、管理者の負担も大きくなっている。そこで多くの管理者は、負担を軽減しつつ、信頼性の高いストレージを求め始めているのだ。

 一方、中堅・中小規模企業ではストレージの利用実態に大きな変化がみられる。IDC Japanが2011年7月19日に公開した「国内SMBストレージ利用実態調査結果」によると、「災害対策の強化」のためにストレージ関連支出を高めた企業が増えている。東日本大震災による影響が大きいのだろう。さらに調査結果によれば、バックアップ統合の実施、セキュリティ強化、バックアップ手法の見直し、信頼性向上といった項目も注目されている。これらのことから、企業にとって事業継続が重要な課題となっているのは明らかだ。

 事業継続を実現するためにもストレージは欠かせない。多くの企業において、バックアップや信頼性向上はストレージの大きなテーマとなっている。データ保全のためにバックアップを行っている企業は多いが、今、そのシステムの見直しを迫られている。

 バックアップには、テープを使うケースが多い。保存するデータの容量が増えると、テープにバックアップする時間が問題となったり、複数のテープが必要になる場合もある。また、複数のシステムのバックアップを取る場合、そのスケジュール管理が煩雑になってしまうという課題もある。これら課題を解決する方法として、ディスクベースのストレージ活用が考えられる。最終的な保存場所として長期保存に向いたテープを使いつつ、システムとテープの間にディスクベースのストレージを入れることで、バックアップの課題も解決できるのだ。

 今後、ストレージ管理者はファイルベースとブロックベースの双方の管理を余儀なくされる。さらに、信頼性や事業継続などもテーマとなっている。ストレージの管理工数の増大を余儀なくされているのだ。また、信頼性や事業継続などのニーズにも応えなければならない。専任の管理者を置くことができない中堅・中小規模企業にとって、これらをすべて実現するのは非常に困難だ。

 これらのニーズに応えるべく、市場ではユニファイドストレージなどが登場し始めている。ユニファイドストレージは、これまでエンタープライズ市場で利用されてきたが、中堅・中小規模企業でも導入できる製品も増えている。このように、管理・運用工数をかけずに効率的なストレージ管理を実現する環境は整いつつある。ストレージ市場は今、大きなビジネスチャンスを迎えているのだ。

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