ネットワーク・ストレージなどを展開するEMCジャパン(山野修社長)は、東日本大震災によって事業継続計画(BCP)の重要性が高まっていることを受け、IT-BCP(ITシステムの迅速な復旧)を短期で実装するためのアセスメントサービスを、6月中に提供する。サービスの提供に先駆けて、6月14日、「20年間の災害対策実績から見た3・11以降のIT-BCPのあり方」と題して、震災で顕在化したBCPの課題を振り返るメディア向け説明会を開催した。

 EMCジャパンのマーケティング本部プログラム推進部の若松信康マーケティングプログラム・マネージャは、「震災後、BCP対策に関する問い合わせが非常に増えている」と、BCPの需要拡大に手応えを感じている。

 BCPの短期構築を支援する新しいアセスメントサービスでは、ビジネス分析に基づいてBCPの手法を定義し、BCPを現行コスト内で運用するためのプランを策定する。最短3か月でIT-BCPの検討や方針の決定を完了させることができる。新サービスのターゲット市場は、「大企業と中堅企業の間のクラスで、今すぐにBCP対策を必要とする企業」(若松マネージャ)としている。金融業やデータセンター(DC)向けの展開に強いEMCジャパンだが、大手の既存顧客ではすでにBCPを徹底的に行っている企業が多いことから、新サービスの提供によって、新たなターゲット市場を開拓していくわけだ。年内の導入目標は「10件前後」(同)という。

 多くの企業がこれまでのBCPで想定していなかったポイントとして、若松マネージャは、「災害の広域化」「電力供給不足など二次被害による影響の拡大」「人とモノの移動が長時間にわたって困難になるので、人とITに及ぶ影響が長期化すること」の三つを挙げた。EMCの米国本社は、2001年9月11日の米国同時多発テロの際に、被害を受けたユーザー企業のBCP/ディザスタ・リカバリ(DR)に携わり、そのときの経験を踏まえて、「運用とリソースの分断をはじめ、アプリケーションとストレージ、またはサーバーとストレージの依存関係を可視化できていないことによって、意思決定に時間がかかったり、業務としての復旧ができない」(若松マネージャ)などのことを、BCPの最も大きな課題としている。

 若松マネージャは、「それらの課題を解決するためには、BCPを検討するにあたって統合・整合性・可視化を重視することが必要だ」と訴える。また、短期的に運用者の負担を軽減し、中長期的にはITインフラの最適化によって効率のよい災害対策環境をつくることがカギを握るとしている。(ゼンフ ミシャ)