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<BCN AWARD 2013>We are No.1──エレコム タブレット端末を核に新市場を創る ユーザーが楽しくなる売り場を提案

2013/01/24 19:55

週刊BCN 2013年01月21日vol.1465掲載

 エレコムは、12年の10冠に「PCカメラ」と「カメラケース・バッグ」の両部門が加わって、「BCN AWARD 2013」で12冠を達成した。USBとマウスが13年連続で13回目、キーボードが11年連続で11回目など、その多くが長年の連続受賞。タブレット端末アクセサリ部門も2年連続受賞。タブレット端末の急速な普及とともに、この分野のアクセサリ販売が活況を呈しているという。今後は、販売店に対してお客様が楽しくなる売り場を提案し、新市場の開拓へつなげていく。

7インチのタブレット端末がアクセサリ市場を変える

 2012年を振り返って、商品開発部開発3課の福良卓二課長が指摘するのが、「タブレット端末市場の急速な伸びと、それを担っている7インチタイプの登場」だ。これに合わせて、関連するアクセサリ市場も拡大した。「スマートフォンなどでタッチ操作に慣れたユーザーが、より大きな画面で使い勝手のいいモデルが欲しいと考えていたところに、7インチモデルが手頃な価格で発売された。10インチモデルと違って無理なく片手で持てることが女性に受けて、タブレット端末市場は大きく拡大した。例えば、通勤電車のなかで周囲を気にせずに新聞が読める。カバンにも無理なく入るし、長い爪でも操作がしやすい。個人的な見解だが、7インチモデルのユーザーの3~4割は女性ではないか」と分析する。

 エレコムは、葉田順治社長の「これからはタブレット端末の時代」という号令一下、2年前から対応を進め、さまざまなアクセサリを製品化してきた。12年に入って需要が急増し、現在の売れ筋商品は液晶の保護フィルムとケース。常に携帯するデバイスなので、バッグ、接続ケーブル、キーボードなど、さまざまな提案を通じて、「アクセサリ業界全体を盛り上げていく」と、福良氏は力を込める。また、「われわれが指向するのは、商品を目にしたユーザーが楽しくなる売り場を提案していくこと。特にインチモデルは女性ユーザーが多いことから、色や素材にこだわってつくっていく」という。

 一方、主力製品の一つであるマウスはラインアップを増やしているが、使い勝手を改善したスタンダード製品を中心に展開していく。「これからの主役がパソコンなのか、それともタブレット端末などの新しいデバイスなのか、流れを見極める必要がある」と、福良課長は説明する。

日常生活での活用を想定 雑貨店でも販売展開へ

商品開発部 開発3課 課長
福良卓二 氏
 13年に向けて、アクセサリではタブレット端末の売り場づくりを拡充し、現在の売れ筋であるフィルムやケース以外の商品を積極的に販売していく。また、雑貨店などでの販売展開も視野に入れている。「タブレット端末のよさは、使って初めて理解できる。認知が急速に高まりつつある今は、大きなチャンス」と福良課長は指摘。加えて、「タブレット端末アクセサリは、『見てもらいたい』ということを強く意識する自己表現の製品といえる。そこがパソコンのアクセサリと大きく異なる。日常生活での活用シーンを想定した提案が求められている」と続ける。「例えばスタンドやドッキングステーションなど、パソコンとしても使えるような製品のラインアップを拡充することを検討している」という。また、すでに8種類を提供しているWindows 8対応のタブレット端末向けアプリケーションを充実させ、アクセサリとのコラボレーションを提案していく。

 マウスは、13年1月下旬に発売予定のWindows 8対応の製品が目玉になってくる。指でのタッチ操作と同じ感覚で操作できる「タッチエミュレーション機能」が最大の特徴だ。もう一つは、2月に発売するBluetooth 3.0対応製品。最大9台の端末とワイヤレスで接続することができ、消費電力を大幅に削減した「IRセンサー」を搭載する。福良課長は、「タブレット端末アクセサリもマウスも、シェアNo.1にはこれからも強くこだわりをもって取り組んでいく」と決意を語ってくれた。

(写真左から)M-TC01DBBK、TB-A12S360PN


【Analyst Comment】

 2012年10月にGoogle/ASUSの「Nexus 7」が発売され、7インチ台の小型タブレット端末市場が一気に立ち上がった。11月には「iPad mini」、12月にも「Kindle Fire」が登場し、選択肢は広がっている。端末の販売に比例して、保護シートやケースなどのアクセサリ市場も急速に拡大した。(BCNアナリスト・森英二)

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外部リンク

エレコム=http://www.elecom.co.jp/