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<BCNランキング 2012年上半期No.1>エレコム 9部門でトップシェアを獲得 タブレット端末アクセサリでもNo.1
2012/08/02 19:55
週刊BCN 2012年07月30日vol.1442掲載
タブレット端末アクセサリ KVM切替器、USB、カードリーダ ヘッドセット、携帯オーディオアクセサリ 10キーボード、ゲームコントローラ、マウス |
2年前から製品数を大幅増強
福良卓二 課長 |
タブレット端末アクセサリとは、主にタブレット端末を保護したり装飾したりする液晶フィルムとケースを指す。タブレット端末は、屋外で利用する機会が多く、ディスプレイが表示と操作の機能を兼ねるので、すり傷や落下などの衝撃から守るためのグッズを求めるユーザーが多い。したがって、タブレット端末の販売台数の増加に比例して、アクセサリも伸びる構図ができあがっている。
福良卓二・商品開発部開発3課課長は、「2年ほど前までは、(タブレット端末アクセサリの)製品の型番は、他社に比べてかなり少ない状況でした。ですが、必ず伸びるマーケットだと捉えて、フルラインアップに近い形で商品化して一気にアイテム数を増やしました。どのようなニーズにも応えられるように、数多い種類のプロダクトを用意するのがエレコムのスタンス。今では、ラインアップが最も充実しているメーカーだと自負しています」と、商品化戦略について説明する。豊富な製品群こそが好調ぶりを支えている要因というのだ。
総合提案でさらに躍進
福良課長は、急拡大している状況は下半期も継続するとみている。「上半期と同様の伸び率で、今後も伸びていくのは確実だと思います。パソコンの販売が伸びても、その動きに邪魔されることなくタブレット端末は売れている。次期OSの『Windows 8』の登場は、消費者のデジタル機器に対する関心を高めるうえでの追い風になります。また、期待を寄せているのがAndroid搭載端末。今はiPadが最も人気がありますが、今後はAndroidを採用したタブレット端末が充実して、普及はますます進むでしょう。Android搭載端末の売れ行き次第では、上半期以上の成長も考えられます」と語り、タブレット端末と関連商品の販売ボリュームの増加を疑っていない。エレコムは、タブレット端末アクセサリ部門での2年連続の年間No.1に向けて、下半期は新ジャンルの製品開発に力を入れる。従来はフィルムとケースの製品ラインアップを増強することに力を入れてきたが、今後は他社にはないタブレット端末の新プロダクトを開発することも視野に入れている。
また、パソコン・デジタル関連機器メーカーとしての総合力も生かす。「無線LANとNAS(ネットワーク接続型ストレージ)は、タブレット端末との相性がいいですし、ブルートゥース(近距離無線通信技術)を活用したキーボードなどの入力装置も、タブレット端末を購入した後に欲しくなるプロダクトのはず。これらの製品を揃えているのは、エレコムグループの強み。販売店様と協力し、タブレット端末に関連する複数のプロダクトを同じ売り場に配置して、総合提案することにも取り組んでいきます」(福良課長)。
品揃えでは出遅れたものの、持ち前の製品開発・製造力で急激にアイテムを増やして挽回し、今年上半期もNo.1を獲得したエレコム。フィルムやケースだけでなく、タブレット端末と相性がいい製品との組み合わせ提案や、新たな製品の開発を進めることで、存在感をますます高めようとしている。エレコムが下半期も主役を演じることは確実だ。
「iPad」の発売からほぼ2年が経過し、タブレット端末市場は拡大基調が続いている。「Android」に加え、下半期には「Windows 8」が登場することによって、普及に拍車がかかるのは確実だ。端末市場の拡大が追い風となって、ケース/ジャケットや保護シートなどのタブレット端末アクセサリ市場においても、今後さらに伸びが見込める。
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