オフィスで作成される文書や画像、音声、動画など非構造化データが爆発的に増加している状況にあって、ファイルストレージの運用管理に多くの企業が頭を悩ませている。この課題に対応して、日立製作所は仮想ファイルプラットフォーム「Hitachi Virtual File Platform(VFP)」をベースに「コンテンツクラウド」というコンセプトを提唱。クラウド環境を利用した効率的なデータ管理を実現する。

中堅・中小企業に適したエントリモデル「Hitachi Virtual File Platform 50」(タワー型)

販売好調の仮想化ストレージVFP

統合プラットフォーム
販売推進本部
販売戦略部
主任技師
前田宏幸 氏
 日立では、2010年から仮想ファイルプラットフォームVFPシリーズを提供している。2011年9月には95万円のエントリモデル「VFP50」を投入するなど、SMBから大企業まで、さまざまな規模のニーズに合わせたモデルを揃えている。統合プラットフォーム販売推進本部販売戦略部の前田宏幸主任技師は、「販売は好調で、2012年には販売台数を大きく増やした年になった。今年も順調に伸びている。多くの拠点をもつ企業のファイルサーバーの集約やリモートバックアップ、病院や大学など幅広い分野で採用されている」と実績を語る。

 VFPのコンセプトは、コンテンツクラウドの実現にある。具体的には、企業内に点在する膨大な非構造化データ(=コンテンツデータ)を効率的に蓄積、運用管理できるようにするとともに、そのシームレスな活用を可能にする環境を構築するものだ。急増するデータ量に対して、ファイルシステム容量を業界最大級の1PB(ペタバイト)まで拡張でき、同一ファイルシステムで扱うことができる。これによって、散在する複数のファイルシステムを集約し、運用管理の負担を軽減。しかも、容量仮想化機能によりストレージ容量の利用効率を向上できるのだ。

 容易な導入も魅力だ。とくにVFP50は、OSをプリインストールして初期設定もウィザード形式のGUIを備えているので、導入作業は10分(※設置環境により異なる)で完了する。「ユーザー企業はもちろん、販売パートナーにも好評だ」と、前田主任技師は自信をみせる。

SMB向けソリューションを強化

 このほか、VFPの特長は、ファイルストレージの運用・管理・活用面を効率化するアーキテクチャCloud on-Rampを提供している点だ。これは、各拠点に設置したVFPを入り口としてデータをセンタに自動集約し、企業内に分散しているデータを一元管理できるようにするものだ。従来は、各拠点や部門単位にNASやファイルサーバーを設置していたため、拠点数やデータ量の増加に比例して運用管理の手間とコストが大きな負担だった。

 こうした課題に対してCloud on-Rampは、インターネット回線を介して各拠点のVFPから集約拠点に設置したクラウド対応バックアップ・ストレージ「Hitachi Content Platform(HCP)」に自動でバックアップ/アーカイブする仕組みを提供する。もしトラブルが生じても、オンデマンドリストア機能で迅速なデータ復元ができる。前田主任技師は、「ユーザー企業は、格納場所を意識せずにシームレスにデータを活用でき、管理者も一元的なデータ管理が可能となる。また、HCPはデータの重複排除機能・圧縮機能を備えていて、マルチテナントおよびテナント共有の機能とあわせて、セキュアな管理とストレージ容量の効率的な利用を実現することができる」とメリットを強調する。

 同社では、VFPの販売強化のために、Cloud on-Rampをサービスとして提供する取り組みも進めている。その一つがHarmonious Cloudセンタの活用だ。同センタを利用すれば、VFPを導入するだけで、自動で日立のデータセンタへファイルストレージのバックアップをとることができる。

 パートナー企業は、自社のデータセンタにHCPを導入し、VFPを販売するビジネスを立ち上げれば、VFPの販売に付加価値を加えるとともに、クラウド基盤上で独自のサービスを加えたソリューションを提供することができる。「SMB市場の開拓は、パートナーと一体となって取り組む。今後は、蓄積した膨大なデータ(ビッグデータ)の活用についても提案していきたい」と、前田主任技師は抱負を語る。