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日立解決方案(中国) 「Microsoft Dynamics」事業を強化 ERP&CRMの両輪で中国市場を開拓

2014/09/11 19:55

週刊BCN 2014年09月08日vol.1545掲載

 日立ソリューションズの中国現地法人である日立解決方案(中国)は、「Microsoft Dynamics(Dynamics)」の中国市場に向けた展開に力を注いでいる。これまで日系企業を中心にERP(統合基幹業務システム)「Dynamics AX」を提供してきたが、今年7月にはCRM(顧客関係管理)「Dynamics CRM」の本格的な提供を開始。日系・中国ローカル企業を問わず市場を開拓していく方針だ。朱磊・上海分公司総経理は、「中国市場でナンバーワンの『Dynamics』ベンダーになる」と意欲を示している。

業界特化テンプレートが売りの「Dynamics AX」

朱磊
上海分公司総経理
 日立ソリューションズでは、グローバルの関連会社を含めて、全社を挙げて「Dynamics」事業の推進に力を入れている。2015年度(16年3月期)までに、「Dynamics」事業で200億円の売り上げを目標に掲げており、グローバルには約1000人の「Dynamics」に精通したコンサルタントを配置している。要件定義から構築、運用、保守までのワンストップサービスを、日本、中国、アジア、北米、欧州を含めたグローバルのどこでも同じ品質で提供できることが同社の強みであり、すでにグローバルでの導入実績は550社に達している。

 中国市場を担当する同社の現地法人、日立解決方案(中国)は、これまで主に日系企業の中国国内拠点に対してのERP「Dynamics AX」の提供に力を注いできた。中国国内で「Dynamics AX」を提供する日系SIerは、日立解決方案(中国)以外にも複数社あるが、朱磊・上海分公司総経理は、「当社グループは、『Microsoft Dynamics』のパートナーアワードで、グローバル上位4社に選ばれるほどの実力がある。日本で培った業種ノウハウを、中国でも提供できることが強みだ」と説明する。例えば、日本独特の業務・業界に特化した「Dynamics AX」のテンプレートとして、「自動車部品業向けEDIテンプレート」「製番管理機能テンプレート」「スケジューラ連携テンプレート」「有償支給機能テンプレート」の四つを中国では提供。これによって、日系企業のユーザーは、日本の本社と同程度の高品質なシステムを利用できるというわけだ。

 とくに中国は、自動車産業が活況を呈しており、販売数では世界一の市場となっている。朱総経理は、「『自動車部品業界向けEDIテンプレート』の引き合いが、目立って増えている」と、市場ニーズが拡大している様子を語る。

 また、日本本社で他社製ERPを利用している場合でも、日立解決方案(中国)は、柔軟に対応。「2-TierERPアプローチ」という、異なるERPを連携させるソリューションによって、日本本社のERPと、中国拠点の「Dynamics AX」のデータ連携を実現する。ユーザーは、異なるERPを使用していることを意識せずに、本社と円滑に情報共有ができるのだ。

 すでに日立解決方案(中国)では、上海分公司だけでも日系大手製造業を中心に多くのユーザーから引き合いがあり、ユーザー数は順調に増えている。朱総経理は、「これまでは日本本社からのロール案件が多かったが、今後は中国現地でのユーザー獲得にも力を入れたい」と、拡販に弾みをつけていく方針を示している。


CRMの提供も本格的に開始

 日立ソリューションズグループは、4月に「Dynamics CRM」ソリューションを手がける米カスタマーエフェクティブを買収し、新体制の下でグローバル展開を開始している。また7月にはワールドワイドで最も成果を挙げたパートナーとして日系企業初となる「Global Microsoft Partner of the Year, CRM」を受賞した。

 これらに合わせて、日立解決方案(中国)でも、7月から「Dynamics CRM」の本格的な提供を開始した。他社と差異を図るための戦略は、主に二つある。一つは、モバイル連携だ。中国では、携帯電話を飛び越えて、スマートフォンが急速に普及。電車などでは、スマートフォンを操作しているユーザーが目に付く一方、携帯電話は絶滅危惧種といえるほどみかけない。朱総経理は、「いつでもどこでも操作ができるということに対してのニーズが高い」と判断し、「Dynamics CRM」のモバイル連携を付加価値として提案していく方針だ。

 もう一つの戦略は、日立解決方案(中国)の独自ソリューションを組み合わせて提供するというものだ。日立解決方案(中国)では、位置情報を活用したスマートコミュニティソリューション「Indoor Positioning Solution(IPS)」を提供している。これは、ユーザーのモバイル端末から位置情報を取得して、文教・医療現場などでの安否確認に役立てたり、ショッピングモールでのキャンペーン情報の送付などマーケティング活動に役立てたりできる。「IPS」には、位置情報の測定や、情報を送信するためのユーザー情報が必要で、「Dynamics CRM」との親和性は高いといえる。朱総経理は、「すでに『IPS』との接続インターフェースは開発済み。位置情報と顧客情報を組み合わせることで、中国のスマートコミュニティづくりを支援していきたい」としている。

 上海分公司では、2014年度(14年12月期)までに、まずは「Dynamics CRM」を2社に導入するという目標を立てている。「Dynamics AX」は、日系企業を主要ターゲットとしているが、「Dynamics CRM」は、日系・非日系を問わず販売していく。売上目標は、「Microsoft Dynamics」事業で、今年度1億円。朱総経理は、「来年度には2億円、その翌年度には4億円へと、倍々ゲームで成長させていきたい」と期待を込めて語る。
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外部リンク

日立解決方案(中国)=http://www.hitachi-solutions.cn/