木村　ところでマイナンバーですが、サーバーなどのプラットフォーム系よりも、SIや運用といった事業には効きますよね。

渡辺　マイナンバーは、今のところ役所内の閉じられたものですが、金融、保険、医療など、民間との連携による本格的な活用へと発展していくと、セキュリティなどをはじめ、新しいビジネスになっていくと期待しています。

木村　話は変わりますが、為替への対応について、皆さんはどうお考えですか。この2～3年、変動が大きくて悩まされたと思いますが。

浜田　変動幅もそうですが、急激な変動は影響が大きいですね。お客様に提示する価格も変わらざるを得なくなりますから。

渡辺　その分、販売価格も上がってくれたということはあります。ただし、きちっと製品の価値を説明して、価格の変動を納得していただく努力もしました。

●パートナーの理想像は特徴や明確な付加価値

──もしかすると、話しにくいことかもしれませんが、理想の販売パートナー像って挙げることができますか。

浜田　当社としてのパートナービジネスはまさにこれから加速させていく段階ですが、強いて挙げれば、当社の製品を取り扱って販売していただくことが一番の理想です。

木村　われわれが理想をいうのはおこがましいですが、あえて挙げるなら、付加価値が明確な販売パートナーの方とはビジネスがしやすいですね。すぐれた商材やソリューションをもっているというだけでなく、例えば、当社と販売パートナー様の間に入ってインフラキッティング作業をしてくれるなど、特別な強みがあるといいですね。

渡辺　これからビジネスがサービス中心へとシフトしていくなかで、プラットフォームやITサービスに対して「熱い想い」をもっている方々とは、ぜひ、ビジネスを一緒に続けていきたいと思います。実際、ビジネスをするうえで話が盛り上がりますし、やりやすいですね。

阿部　テクノロジーに強い、あるいは特定の業種や地域のお客様と強いパイプをもっているなど、さまざまな特徴をもったパートナー様が多くいらっしゃいますので、そういったパートナー様と、ぜひ、長くおつき合いをしていきたいと思います。

●ユーザー企業や販売パートナーにメーカーとして多くの選択肢を提供

──皆さんの会社は、サーバーメーカーの顔だけでなく、多くの製品やソリューションを幅広く揃えています。総合メーカーならではの強みを教えてください。

木村　お客様に多くの選択肢とワンストップソリューションを提供できることです。また、各社の製品を取り扱う販売パートナーの方々と新たに協業する場合、サーバーは他社とバッティングするから扱ってもらえないとしても、別の製品をという提案もできます。

阿部　選択肢ということでは、ソフトウェアを含めてソリューション提案できるというのは強みになります。製品だけでなく、システム全体の運用管理も提案できますし、そこを足がかりにビジネス拡大にもつなげていくことができます。

渡辺　今や、お客様のマルチベンダー採用はあたりまえの時代です。そうしたなかで、多くのラインアップを揃えていることは、お客様と何らかの接点をもつ機会につながりますし、いろいろな角度からのアプローチを可能にします。

浜田　当社は、最近の相次ぐ買収によって製品をかなり増やしましたので、提案の幅を大きく広げることができるようになりました。


──最後に、販売パートナーに向けたメッセージをお願いします。

渡辺　最近、当事業部「パートナーズプラットフォーム事業部」のビジョンを作成しました。このビジョンのなかで、日本全国を元気にするために、パートナー様とWin-Winの関係を築き、お互いのビジネスを創出していくことを定義しています。とくに、販売パートナーの方々がビジネスで苦労されている時こそ、必ず一緒に問題解決にあたることをお約束します。

浜田　当社は、販売パートナーの方々に向けたビジネスを本格化させるため、多額の投資を行うなど変わろうとしています。これからはグローバルな取り組みも含めて、そこを大きく変えていこうとしていますので、われわれの本気度に期待してください。

木村　R＆Dに積極的な投資を続けていきます。当社が提供していたパブリッククラウドは、サービスを終了することをアナウンスしましたが、これからはクラウド分野のベンダーと協業することで、販売パートナー様を含めてエコシステムを形成していく方針です。

阿部　当社は国産サーバーベンダーとして高い信頼性と性能で販売パートナー様のビジネスを強力にサポートしていきます。また、当社の技術・製品・サービスと販売パートナー様がお持ちの多種多様な得意技を連携し、ビジネスの創生や新規市場開拓でWin-Winの関係を築いていけたらと考えています。

──お忙しいなか、ありがとうございました。