上海B-Prostは、保険業に強みをもつ日本のITベンダー、B-Prostの中国現地法人として2011年5月に設立された。当初は、日本向けのオフショア開発を主力事業に据えていたが、近年では中国国内の保険市場が成長してきたことから現地ビジネスにも参入。大手損害保険会社を中心に、システム開発・ソリューション提供の実績を積み上げている。

上海軟盈信息技術有限公司(上海B-Prost)
所在地  上海市虹口区広紀路738号2号楼401室
設立   2011年5月
業種   情報サービス業
年商   約1500万元(2015年度)
従業員数 約35人(2016年8月時点)
事業内容 SI・ITサービスの提供
URLhttp://www.b-prost.co.jp/

上流工程から顧客を支援

 上海B-Prostの強みは、保険業に特化した豊富な業務知識・ノウハウと高度な技術力だ。現在の従業員数は35人程度だが、このうちの大半が保険業向けシステム案件に10年以上携わってきた技術者で業界に精通している。こうした優位性を生かし、要件定義や概要設計などの上流工程から開発・運用といった下流工程まで一連のプロセスで顧客を支援。420人月程度のシステム構築を一括で請け負うなど、大規模案件の実績も増えてきている。最近では、中国国内に加えて、急成長を遂げているASEAN地域にも進出を果たした。

邱贇総経理(右)と王一超・項目経理

 新規案件では、損害保険向けソリューションの専業ベンダーである米Guidewire Software製の基幹パッケージを活用したカスタマイズ案件なども手がけているが、最近ではNTTデータ イントラマートのシステム共通基盤であるintra-martを精力的に販売している。邱総経理は、「業務フローに強いintra-martは、保険業向けの業務システムの構築に向いている」と話す。

保険業に強い「intra-mart」

 実は、保険業の業務フローは、一般企業のそれと比べてかなり複雑だ。営業担当者や見積りを担当するアンダーライター(引受審査担当)、再保険担当者など、一つの案件をこなすにも複数の部門を跨る必要があり、各部門での承認プロセスが求められるほか、更新・参照の権限も各部門で異なるなど、業務フローが複雑化しているのだ。また保険会社は、火災保険、自動車保険など、各商品に特化した基幹システムを商品企画の段階から要件定義し、それぞれを個別に構築している。そのため、業務フローは後回しになる傾向が強く、基幹システムのカスタマイズにも膨大な手間とコストがかかる。

 これに対して、intra-martではどんな複雑なフローでも、画面上でルートを定義して、各ノードの画面を簡単に設計できる「IM-BIS」が提供されており、非常に効率のいい開発が可能となっている。既存の基幹システムとの連携も可能で、申請・承認・否認・一時保存などの機能も搭載しており、単純な設定だけで権限も管理できるため、保険業向けの業務システムを構築しやすい。また、一度開発したBPM(ビジネスプロセスマネジメント)の仕組みを、別の商品の業務システムに横展開することも可能だ。これらによって、短期間・低コストでのシステム構築を実現。邱総経理は、「スクラッチで開発したり、基幹システムに手を加えて開発したりする場合と比べて、intra-martでは少なくとも手間を3分の1に軽減することができる」と話す。

インドネシアで案件受注

 最近では、あるグローバル損害保険会社インドネシア法人の契約管理システムをintra-mart上で構築した。これは、顧客の問い合わせから見積りや申し込み、成約といった保険契約の一連の流れを管理するシステム。成約に至るまでのプロセスを各部門の担当者が、同じ画面上で共有して管理することができる。ユーザーの要望に応じて、一定金額以下の案件に関しては、アンダーライターではなく、営業担当者側で見積もりを出せる機能も搭載した。さらに、intra-martと基幹システムがデータ連携するため、ユーザーは基幹システムに直接手を加える必要がない。

 インドネシアのユーザーが、地場の業者ではなく、上海軟盈信息技術を採用したのは、同社が保険業に特化したSIerだからだ。この案件を担当した王一超・項目経理は、「ASEAN地域には、保険業に精通したITベンダーが少なく、業務ノウハウや技術力に優位性をもつ当社を活用したいというニーズが大きい」と説明する。今回、インドネシアのグローバル損害保険会社は、火災保険向けの契約管理システムを導入したが、同社は今後、自動車保険や海上保険にも今回導入したシステムを横展開していく方針だ。