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日本オラクル オラクルクラウドとPepperのタッグで豊島(香川県小豆郡)の観光案内係を担当

2017/05/25 09:00

週刊BCN 2017年05月22日vol.1678掲載

オラクルのクラウドサービスが新たなビジネスチャンスをもたらす

 2020年までにクラウドNo.1を目指す日本オラクルは、実績豊富なエンタープライズ分野の枠を越え、あらゆる分野へのクラウドの適用を志向している。その一つが、地方創生に向けたクラウド活用である。日本オラクルのパートナーであるPSソリューションズは、豊島(てしま、香川県小豆郡)の観光案内係として、ソフトバンクロボティクスの人型ロボット「Pepper」を導入。そこで活用されているのが、オラクルのクラウドサービスである。

オラクルのクラウドは全方位で展開していく

 エンタープライズ分野を主な事業領域としている日本オラクルは、クラウドにおいても同分野で存在感をみせている。なかでも、Oracle Databaseを用いて構築したオンプレミスのシステムが、クラウドにそのまま移行・ハイブリッド化できたり、負荷の高いデータベースのトランザクションを高速に処理できたりと、多様なエンタープライズ分野のニーズに柔軟に対応できることが高い評価を受けている。
 

日本オラクル
執行役員
アライアンス事業統括副統括
長谷川純一

 一方、同じクラウドでも「Oracle Social Cloud」などのSaaSは、これまでのオラクルが得意としてきた領域を越えるサービスになる。その狙いについて、日本オラクルの長谷川純一執行役員は、「IaaSからPaaS、SaaSまで、オラクルは全方位でクラウドサービスを提供している。エンタープライズ分野はもちろん、扱いやすさやスピード感を重視し、あらゆるデジタル化のニーズに応えていく」と語る。PSソリューションズ、トランスコスモスと取り組んだ瀬戸内海の豊島の事例は、観光事業を支えるロボットとクラウドサービスという点で、特徴的な先進事例といえよう。

TourTech地方創生プロジェクトに取り組む

 豊島に導入された観光案内係のPepperは、観光客に話しかけるだけでなく、観光客のデータ収集や分析、ソーシャル・メディアと連動した情報発信なども担う。例えば、観光客に「記念撮影をしませんか?」と呼びかけ、撮影した写真は観光客の了解を得て、SNSにアップする。SNSには、Pepperの向こうで楽しそうにしている観光客。写真に写る笑顔が、豊島の魅力を外部に発信する役割を担うというわけだ。

 豊島での取り組みは、「TourTech(Tourism × Tech) 地方創生プロジェクト」というコンセプトの下、地元の理解を得て、PSソリューションズが仕掛けた。
 

PSソリューションズ
取締役
植野正徳

 「政府は2020年の訪日外国人旅行者数を4000万人、消費額8兆円という目標を掲げている。現在よりも4.5兆円ほど増える計算になるが、都市部よりも地方が伸びると期待されている」と、PSソリューションズの植野正徳取締役は語る。実際、訪日観光客の約6割がリピーターで、知らない日本を求めて、定番の観光地から地方へと分散する傾向があるという。

 訪日観光客の多くはインターネットで情報収集している。地方にチャンスがあるとはいえ、インターネット上に魅力的な情報を発信しないと訪日観光客に気づいてもらえず観光に訪れてもらえない。また、せっかく訪れてもらっても、現地でスマートフォンから確認できる情報がなければ観光客にさまざまな体験をしてもらうことは難しい。地方では対応できる人材にも限りがある。その問題を解決するのが、「TourTech」である。

Pepperの運用を支えるオラクルのクラウドサービス

 豊島のPepperを起点とするサービスには、オラクルのクラウドサービスが活用されている。SNSを活用する仕組みとして、ソーシャル・メディア管理クラウドのOracle Social Cloudは、観光客がSNS上に投稿した写真の収集、表示、分析を支援している。また、観光客との対話では、さまざまなチャネルからの問い合わせを一元管理できるカスタマ・サービスを支援するクラウドの「Oracle Service Cloud」を採用。観光客からの問いかけをOracle Service Cloudの人工知能が判断し、Pepperが最適な観光スポットや特産品などを提示する仕組みになっている。

 豊島の取り組みでオラクルのクラウドサービスを採用した理由について、PSソリューションズの植野取締役は、「昨年、『Oracle IoT Cloud Service』で実装したアプリをパーソナルモビリティのレンタルサービス事業で活用するなど、当社ではオラクルのクラウドサービスの実績があった。今回の取り組みでは、Oracle Service Cloudの説明を受けたときに、有効活用できそうだと直感した。接客対応でPepperを活用する時に欲しいと思う機能の多くが揃っていたので、わずか二週間という短期間で実装できた。システム開発にかかる期間やエンジニアコストを考えると、高いコストパフォーマンスが得られたと評価できる。地方の観光産業は、情報化を必要としている。今後も日本オラクルと一緒にTourTechに取り組んでいきたい」と評価している。

 日本オラクルは、クラウド事業の推進、地方創生への貢献を企業ビジョンとしている。「地方創生の推進には、地域の細かなニーズに応えられる地元企業との連携が重要であり、そのためのパートナー施策を積極的に展開していく」と長谷川執行役員。新たなパートナーを募集し、豊島のような成功事例を横展開することで、オラクルクラウドの活用による新規ビジネスの発掘につなげていく考えだ。
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外部リンク

日本オラクル=http://www.oracle.com/jp/cloud/