デルとEMCの統合によって新ブランド“Dell EMC”が生まれ、日本時間7月13日、第14世代Dell EMC PowerEdgeサーバーが世界同時にリリースされた。「拡張性の高いビジネスアーキテクチャ」「インテリジェントな自動化」「統合されたセキュリティ」などの強みを兼ね揃え、AIやディープラーニングをエッジで処理するコンピューティング能力が強化されている。マイクロソフトが「インテリジェントクラウド、インテリジェントエッジ」を打ち出すなど、今、業界ではエッジによるインテリジェントの高さに注目が集まっている。これをハードウエア面から支えるのが 、エッジでのコンピューティング能力を大幅に強化した第14世代Dell EMC PowerEdgeサーバーだ。

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第14世代Dell EMC PowerEdgeサーバー(写真は「R940」)

モダンITインフラストラクチャの最も重要なコンポーネント

 ユーザー企業を取り巻く環境には、ビジネスに合わせて既存のITを最適化する「ITトランスフォーメーション」と、ITを使って新たなビジネスモデルを構築していく「デジタルトランスフォーメーション」の二つがある。ITトランスフォーメーションによる業務の効率化によってフリーアップされた経営資産を使ってデジタルトランスフォーメーションへシフトし、新しいビジネスを創造するといいうのがDell EMCが提唱するITによる企業の成長戦略だ。
 
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Dell EMC
インフラストラクチャ・
ソリューションズ事業統括
製品本部 部長
渡辺 浩二

 このような成長の具体的な方法論としてDell EMCは企業がアプリケーション層やクラウドサービスの提供に専念できるインフラストラクチャを追求。Dell EMCの渡辺浩二・インフラストラクチャ・ソリューションズ事業統括製品本部部長は、「これからの企業の競争優位性の重要な要素が”モダンITインフラストラクチャ”というコンセプトであり、そのためにはITトランスフォーメーションとデジタルトランスフォーメーションの両方のアプリケーションに必要なさまざまなワークロードを処理する能力に加えて、今後増加するSDS(Software Defined Storage)やNFV (Network Functions Virtualization)といった仮想化基盤をすべて統合できる能力をサーバー自身が包含することが求められる」と説明する。

 さらに、「業務の種類やビジネスの成長フェイズによってもワークロードはさまざまに変化するので、これらのワークロードにスケーラブルに対応したうえで、日常的な管理を自動化、省力化し、しかも高いセキュリティを担保したうえで、これらを最もコストパフォーマンスの高い方法で実行する必要がある。このような技術やビジネス要件の複雑な組み合わせは、管理者に非常に大きな負担と責任を担わせることになるため、サーバー自身がこのような機能をはじめから備えていることがモダンITインフラストラクチャとしての重要な要素である」と付け加え、それを実現するのが第14世代Dell EMC PowerEdgeサーバーであると強調する。

   第14世代Dell EMC PowerEdgeサーバーの強みはこうだ。まず、標準アーキテクチャに基づいて設計された「拡張性の高いビジネスアーキテクチャ」だが、これはユーザー企業がデータベースパフォーマンスの向上と低いレイテンシ、仮想マシンの高速かつシームレスなライブマイグレーション、ストレージパフォーマンスの高速化などの特長により、さまざまなワークロード向けにサーバーを最適化することができるということである。

 次に、「インテリジェントな自動化」だ。これは、時間とリソースを節減する観点でビジネスにメリットをもたらす。従来から4倍パフォーマンスが向上し、使いやすいユーザーインターフェイスに進化した「iDRAC9」が、サーバーの導入から廃棄、再利用までのライフサイクル管理を容易にし、モバイルデバイスベースのサーバー管理「QuickSync 2」によって30%短い時間で「iDRAC」のセットアップを実現することができる。専任のテクニカルアカウントマネージャーがお客様を支援する「ProSupport Plus」と、障害検知と自動通知を行う「SupportAssist」を組み合わせることで、障害の解決時間を短縮するだけでなく、障害の発生そのものを減らし、サーバーの問題解決を最大90%高速化させることができる。

 さらに、統合セキュリティでは「CRA(サイバー レジリエント アーキテクチャ)」という基本設計思想によって、サーバーの導入から廃棄、再利用といったライフサイクルにわたりセキュリティ重視の考え方が組み込まれている。「Secure Boot(セキュア ブート)」機能によりシステム起動時にBIOSイメージの信頼性を検証し、有効な署名済みイメージと一致する場合にのみ起動したり、「System Lockdown(システム ロックダウン)」機能で、システム構成を、悪意ある変更や意図しない変更から保護したり、「System Erase(システム消去)」機能 ではドライブが不適切に再利用された場合、また障害のため別のドライブに交換された場合などに、セキュリティのため暗号化されているドライブ上の全データを数秒で完全に消去するといったセキュリティを提供する。
 
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Dell EMC PowerEdge 14Gのシステム管理のイノベーション
 

「インテリジェントエッジ」をハードウェア面から体現

 このほか、ソフトウェア・デファインド(SDx)向けの機能強化をはじめ、CPUだけでなくGPUやNVMe SSDのサポート強化、25Gbpsイーサネット、FPGAやGPUへの対応など、今後ニーズが増えるAIやディープラーニングを処理するエッジでのコンピューティング能力も強化されている。例えば、PowerEdge R740xdではNVMe SSDが24基搭載可能で、全世代に比べて搭載可能台数が6倍に拡張されている。現在、1つのNVMe SSDで最大6.4TBまでサポートでき、24基なら、サーバー1台で153.6TBのNVMe SSDをサポートできることになる。これらのNVMe SSD搭載容量の大幅拡大やNVDIMMの採用、その際の冷却効率と消費電力を自動的に管理する「Multi-Vector Cooling(マルチベクタークーリング)」も実装された。この機能強化により、例えば、Microsoft SQL Serverを使用したエッジでのビッグデータ解析能力の大幅な向上も期待でき、マイクロソフトの「インテリジェントエッジ戦略」をハードウェア面から体現していることも第14世代Dell EMC PowerEdgeサーバーの大きなポイントだ。
 
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日本マイクロソフト
パートナーセールス統括本部
インテリジェントクラウド
テクノロジー本部
テクノロジーソリューション
プロフェッショナル
高添 修

 マイクロソフトのインテリジェントエッジ戦略とは、「モバイルファースト、クラウドファースト」という、これまで掲げてきた戦略に代わる「インテリジェントクラウド、インテリジェントエッジ」という新たな構想だ。「ユーザーにとって、データの“場所”がどこであっても、やりたい処理を迅速に実現できる世界が重要となる」と、日本マイクロソフトの高添修・パートナーセールス統括本部インテリジェントクラウドテクノロジー本部テクノロジーソリューションプロフェッショナルは訴える。「今は、ハイブリッド環境がユーザーにとって最も適している」(高添プロフェッショナル)。そういった点では、サーバーがあたりまえのように高性能でなければならないというわけだ。

 サーバーを下支えするソフトウェアとしてマイクロソフトが提供しているのは「Windows Server 2016 Datacenter」および「Windows Server 2016 Standard」だ。新たな脅威に対応すべくセキュリティを強化したWindows 10とコアを共通化し、仮想マシンの暗号化や特権ユーザー管理にも対応。ソフトウェアデファインド時代に重要なデータセンターの効率化や管理コストの削減は、Microsoft Azure生まれのSDNとメガクラウド基盤として実績を積んできた「Hyper-V」が担うことになる。そこに「Windows Server 2016 Datacenter」に組み込んだ「記憶域スペースダイレクト」の機能を組み合わせれば、セキュアなハイパーコンバージドインフラ(HCI)を実現することも可能だ。また、Docker対応したWindows ServerコンテナやNanoサーバーなど、クラウドを意識したアプリケーションプラットフォームの要素を積極的に追加しているのも特長だ。
 
 ハイブリッド環境の追求という点では、Microsoft Azureの機能をオンプレミスで利用可能にする「Microsoft Azure Stack」が、まもなく登場する。オンプレミスハードウェアの進化もハイブリッドクラウドを支える重要な役割を担うようになるというわけだ。

 Dell EMCは、いち早く、2017年5月に、Windows Server 2016 Datacenterの「記憶域スペースダイレクト」の安心導入・運用を実現する事前検証済みの「Dell EMC Microsoft Windows Storage Spaces Direct Ready Nodes」をリリースし、また、同じく2017年5月にグローバルで「Microsoft Azure Stack」に対応したクラウドプラットフォーム「Dell EMC Cloud for Microsoft Azure Stack」を2017年後半にリリースすることも発表している。

 そういった意味でDell EMCとマイクロソフトの製品・サービス連携は、サーバーハード単体のOS認証を遥かに超えた強固な協業関係に基づいており、今後も両社の動きから目が離せないだろう。
 
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Dell EMCの渡辺浩二部長(左)と日本マイクロソフトの高添修プロフェッショナル
 
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サーバに関するアンケート
http://www.seminar-reg.jp/bcn/survey_dellserver