ネットワールドは11月24日、恒例のパートナー向けイベント「ネットワールド IBM Day 2017」をホテル雅叙園東京で開催した。今年は「クラウド時代の『自動化』」をキーワードに、IBMの豊富なAIソリューションの紹介とともに、今、AIがなぜ注目されているのか、AIを自動化を実現するツールと捉えて現状のビジネスをどう展開していけばいいのか、ビジネスに勝つための条件など、わかりやすく解説した。

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クラウドとエッジを
「インテリジェント」に

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森田晶一
ネットワールド
代表取締役社長

 イベントの冒頭、森田晶一社長は「2016年、17%の増収を達成できた」と成果を述べた。次いで、IBMとのパートナーシップについて触れて「IBMは大手メーカーで唯一、レガシーも含めた総合テクノロジー製品をもちながら、誰よりも新しいテクノロジーに挑戦している。当社もそのチャレンジに追随し、成長していきたい」と強調した。

 また、デジタルトランスフォーメーション時代に求められるITインフラは、クラウドへの集約からエッジコンピューティングによる分散処理に向かうとし、「インテリジェントなクラウドとインテリジェントエッジによる階層型インフラの提供が当社の目標」とした。その取り組みとして、米Kineticaとの提携による日本でのAIセンター開設やBig-Data-as-a-Serviceの米BlueData社と代理店契約締結を挙げるとともに、「当社にとって、IBM Watsonはエンタープライズ向けAIの必須要素だ」と述べた。

ビジネスに勝つ3条件
クラウド、AI、データの活用

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三浦美穂
日本IBM
執行役員
IBMクラウド
SW&アナリティクス事業部長

 セッション1では、「テクノロジーとビジネスの非連続な変化をリードするコグニティブ & クラウド ソリューションズ」と題し、日本IBMの三浦美穂・執行役員 IBMクラウドSW&アナリティクス事業部長が講演した。三浦執行役員は、はじめにクラウドを介してアクセスできる世界初の量子コンピュータ「IBM Q」を紹介し、その活用で「サイエンス、FinTech、流通が大きく変わる」と話す。次いで、ビジネスで勝つには「クラウドの活用」「AIの業務への活用」「あらゆるデータの活用」が3条件とした。

 「クラウドの活用」では、IBM Cloudのメリットを紹介。オープンテクノロジーによる低コストとスピード、VMware環境をそのまま実装できること、豊富なサービスとつながるハイブリッドクラウドを形成できることの3点を挙げた。

 「AIの業務への活用」では、IBM Watsonについて「手軽に最新テクノロジーが使用でき、豊富なAP、高い拡張性と柔軟性を備えるビジネスのためのAIプラットフォーム」と説明した。各ユーザー専用に学習し、その内容を外部に出さないためセキュアである。また、Watsonを手軽に活用できるよう「IBM Cloudライト・アカウント」の提供も開始している。

 「あらゆるデータの活用」では、ビジネスの成功につながるデータアナリティクスには、データをつなぐ、ためる、分析/活用するの3要素が揃って初めて可能となる。IBMは、その3要素をパッケージにした「IBM Integrated Analytics System」を提供、「データサイエンティストがいなくても手軽に分析できる」と語った。

すべてのアプリケーションにAIを届ける
今年のキーワードはAIとWatson

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工藤真臣
ネットワールド
SI技術本部
ソリューションアーキテクト課
課長

 セッション2では、ネットワールドの工藤真臣・ソリューションアーキテクト課課長と御木花子・システムソリューション課課長代理が「アプリケーションとデータと人工知能の三つのカタチ ~AIをすべてのアプリケーションに~」と題して講演した。

 工藤課長は、「ビジネスでAIが注目されているのは従来、数字だけだった解析対象が、言語や画像も対象となり人の意図や感情も解析可能になったためだ。当社もAIプラットフォームを活用し、すべてのアプリケーションにAIを届けたい」と語る。IBMには、オンプレミス、クラウド(IaaS、PaaS、SaaS)すべてのプラットフォームがあり、100種を超えるサービスとAPIも容易に利用できるという。

 AI活用では、「インテリジェントをデータ側かAP側のどちらに置くかが重要になる。膨大なデータを繰り返し処理し再学習する環境では、データ近くへのAI導入が向く」としてインメモリDB「Kinetica」を紹介。IBM Minskyとも親和性が高く組み合わせによって膨大なデータもリアルタイム処理できるとした。最後にAIで最も大切なのは「お客様の業務課題を理解し、業務知識をもつこと」と強調した。
 
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御木花子
ネットワールド
マーケティング本部
ソリューションマーケティング部
システムソリューション課
課長代理

 後半は御木課長代理が登壇。「AIとコグニティブ(Watson)をキーワードにする」とし、その理由を「従来の課題がAIなら状況を変えられるかもしれないとお客様に思っていただき、課題を引き出すことにつながる」と説明した。そして、IBMのAI関連商材を紹介して「当社は、IBM関連ビジネスでパートナーの方々の協業を支援する『IBMパートナー・リング』(無償)を組織している。今回、対応ソリューションにWatsonも加え、各種のWatson・リング特典プログラムも用意したので活用してほしい」と語った。
 最後のネットワールドのパートナーセッションでは3社が登壇し、それぞれIBMビジネスの取り組みについて講演した。日立ソリューションズ東日本の及川慎也・パッケージビジネス推進本部コンサルタントは、製造業におけるIoTを取り上げ、生産現場に近い場所にアナリティクス機能を実装するエッジアナリティクスのメリットを説明した。オーイーシーの田北政彦・東京本部東京事業部新規ビジネス推進室担当は、自治体でのWatsonの活用をテーマに、コールセンターサービス、画像処理による老朽インフラの判定、VR機能を活用するコミュニケーションサービスを紹介した。BITAの中村健太プロデューサーは、AI時代の事業戦略として、実際にやるとなれば面倒なAIには、その活用を一緒になって考えるプロの存在が必要になることを説いた。
 
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(左から)及川慎也 日立ソリューションズ東日本 パッケージビジネス推進本部 コンサルタント
田北政彦 オーイーシー 東京本部東京事業部 新規ビジネス推進室
中村健太 BITA プロデューサー