あらゆるスケール、クラウド、アプリで
高パフォーマンスとシンプルを実現


 運用管理コストやインフラコストの削減、ビジネスにおける要求への迅速な対応など、ユーザーが直面している課題の解決につながるとして、急速に採用が進むハイパーコンバージドインフラ(HCI)。シスコシステムズの「Cisco HyperFlex」は最新版(Version 3.0)となり、「あらゆるスケール、あらゆるクラウド、あらゆるアプリケーション」で高パフォーマンスとシンプルを実現する次世代HCIとして、高い注目を集める。

ネットワークまでも統合
最も成長スピードが速いHCI

 シスコシステムズが2016年4月に発表した「Cisco HyperFlex」は、プラットフォームに「Cisco Unified Computing System(Cisco UCS)」を採用する。Cisco UCSは、世界のブレードサーバー市場でトップシェア(IDC調査:2017年第3四半期の売上ベース)を獲得している。
 
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データセンター/
バーチャライゼーション
事業部長
石田浩之氏

 Cisco HyperFlexの大きな魅力は、サーバーとストレージに加えてネットワークも含めた統合管理を可能にしている点だ。従来のHCI製品は、サーバーとストレージの統合を謳うが、ネットワーク部分はあまり考慮されておらず、別個のスイッチなどを用意して外出しで管理する必要があった。HyperFlexで仮想化基盤を構成する場合は、「FI(Fabric Interconnect)」という統合管理スイッチに、HyperFlexのサーバーノードを直結させるだけで済むことから、別個のスイッチを管理する必要がない。拡張もサーバーノードをFIに追加するだけのため、真の意味でシンプルを実現している。
 
 石田浩之・データセンター/バーチャライゼーション事業部長は、「HyperFlexは、多くの設定作業が自動化されているため、初期セットアップはネットワーク構築を合わせても約30分で完了できる。こうしたシンプル構成や導入の容易さがユーザーに支持されており、グローバルではすでに2500社以上に採用されるなど、最も成長スピードが速いHCIでもある」とメリットを語る。

基幹系システムにも適応できる
トップクラスのI/O性能

 HyperFlexのもう一つの魅力は、FIの特徴を最大限に生かす分散I/O処理を実現する独自のファイルシステムにより、常に一貫した高いI/Oパフォーマンスを発揮できる点だ。他社製品の場合では、1台の物理サーバーノードに書き込みが終了してから、別の物理サーバーノードにコピーを行う。これに対して、HyperFlexは書き込みと同時にネットワークを経由して別の物理サーバーノードに遅延なくコピーする。そのため、最初に書き込みを行う物理サーバーノードに負荷が集中しても、高いI/Oパフォーマンスを発揮できる。

 米リサーチ会社のESGによる性能試験では、HyperFlexは他社ソリューションと比較して1クラスタ当たり最大で2~3倍の仮想マシンの実装密度を実現。仮想マシンの読み取り/書き込み時の遅延を他社の3分の1に抑えるなど、さまざま条件下で安定してトップクラスのI/Oパフォーマンスを発揮した。
 
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 「これまでHCIの用途は、VDIや仮想化基盤の統合目的が中心だった。しかし、HyperFlexなら、従来はHCIでは難しいとされた高トランザクションが求められるDB系や、ERPなどのミッションクリティカルなアプリケーションにも適応することが可能になる」と石田部長は語る。

HyperFlex 3.0でこれまで以上の
高パフォーマンスとシンプルを実現

 シスコシステムズは2月19日、HyperFlexソフトウェアの新バージョン3.0を発表した。マルチハイパーバイザーのサポート、ストレッチクラスタ、コンテナへの対応などの強化が図られ、「あらゆるスケール、あらゆるクラウド、あらゆるアプリケーション(Any Scale、Any Cloud、Any App)」で高パフォーマンスとシンプルさを実現できるとしている。

 まず、ハイパーバイザーのサポートでは「VMware ESXi」に加えて、新たに「Microsoft Hyper-V」をサポートした。

 コンテナ対応では、グーグルが開発したコンテナクラスタ管理ツール「Kubernetes」で永続的ストレージを実現する「FlexVolumeドライバ」がある。これによりHyperFlexでクラウドネイティブアプリケーションの開発とデプロイを容易にする。すでに米シスコと米グーグルは17年10月にハイブリッドクラウドソリューションの提供を目指して提携。今年2月にシスコはKubernetesベースのコンテナプラットフォーム「Cisco Container Platform」を発表した。これにより従来よりも簡単にHyperFlex、他サーバーの仮想マシン上、ベアメタル環境など、複数プラットフォームでアプリケーションの一貫した導入や管理をオンプレミスとパブリッククラウドの両方で行うオープンなマルチクラウド環境が実現できる。「コンテナインフラについては、容易に導入して、安心して利用できるよう、まず最初はHyperFlexベースのアプライアンスモデルとして提供していく」と石田部長は説明する。

 拡張性では、HyperFlexクラスタが最大64ノードに対応し、2台のHyperFlexクラスタを最大100km間で1台の仮想クラスタとして稼働できるストレッチクラスタにも対応した。また、「AppDynamics」により、オンプレミスのHyperFlexや複数のパブリッククラウドにまたがって実行されるアプリケーションパフォーマンスおよびビジネスパフォーマンスの詳細を監視できる。

 「HyperFlexはフレキシブルなリソース利用ができるマルチクラウドプラットフォームとして、ユーザーのビジネスを幅広く支えていく」と石田部長はアピールする。