ブランド、製品、販売体制を強化

 シスコシステムズの2018年度下期がまもなく始まる。好調な中小企業向け事業をさらに強化し、売り上げを伸していく。

 17年度(16年8月~17年7月)の売上高は前年比2.4倍と拡大した。これを下支えしたのが中小企業向けブランド「Cisco Start」だ。18年度も成長事業として注力する。

 Cisco Startは、ルータ、スイッチ、無線LAN、クラウドサービスなどを含む中小企業向けの製品群。当初は従業員数100人以下の企業をターゲットに提案活動を行ったが、17年度の売上比率では、従業員数100人以下が43%、100人から1000人以下が42%、1000人以上が15%と、1000人以下が85%を占めた。18年度下期を間近に控えた1月、Cisco Startのさらなる強化戦略を発表した。
 
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高橋慎介
パートナー事業統括
専務執行役員

 同社はまだ、Cisco Startのターゲットである中小企業を掘り起しきれていないと分析している。高橋慎介・パートナー事業統括 専務執行役員は「6割以上の中小企業がIT投資をしているが、必要に迫られた最小限の投資にとどまっている。コスト削減や売上増大につながる本格的なIT投資はまだできていない」と話し、今後、さらにIT投資が活発になるとした。

 顧客のIT投資の本格化に向けた新たな三つの戦略が、ブランドの強化、製品・価格戦略の強化、販売体制の強化だ。

 ブランドの強化では、17年10月に発表した日本独自のキャラクター「Cisco 5」を活用していく。製品やソリューションのコンシェルジュとしてホームページなどに登場させ、ITの取り組みをわかりやすく伝える。また、五輪出場を目指す卓球の石川佳純選手、張本智和選手二人の「Cisco アスリート アンバサダー」をITを活用してサポートし、ブランドを浸透させていく。

 製品戦略では、Cisco Startのポートフォリオを拡充する。一つは17年11月にリリースしたクラウド管理型ソリューション「Cisco Meraki」のローエンドモデル、クラウドベースのサーバー管理ツール「Cisco Intersight」、ビデオ通話などができるコミュニケーションデバイス「Spark Board」「Spark Room Kit」をCisco Startに統合する。これにより、オンプレミスだけではなくクラウドまで、すべての製品コンポーネントがCisco Startに揃った。さらに、802.11ac wave 1対応のワイヤレスLANアクセスポイント「WAP 125」を新製品として発売する。

 このほか、価格面では既存製品の市場想定価格を10~20%下げる方針を示した。中小企業ではコンシューマ向けのネットワーク機器を活用しているケースがあり、その価格帯に近づけるためだ。また、まとめ買い時のディスカウントを減らすという狙いもある。

 販売体制の強化では、17年8月にスタートした全国7か所の営業体制を維持しながら、新設した事業推進本部で、各地域のパートナーとともに産業別ソリューションを提案し、Cisco Startの浸透を図っていく。(山下彰子)