30年以上にわたりハンディターミナルを開発するカシオ計算機は現在、ハードウェアメーカーからソリューションベンダーへの転換を進めている。ハンディターミナルを使った業務のなかでも、簡単なものはスマートフォンのアプリだけでこなすことができてしまう。製品の魅力をさらに高めるには、ハードウェアと業務アプリを組み合わせたソリューションを前面に出し、エンドユーザーに提案していくことが求められているのだ。

長期的な協業を通じて、新たなソリューションを生み出す

 そうした背景から2017年6月、パートナー企業との長期的な協業を通じて新たなソリューションを生み出すことを目的に、パートナー会「withC」を創設した。すでに50社を超えるソフトウェア/ハードウェア企業が参画している。

 メーカー主導のパートナー会ではあるものの、withCには“縛り”が一切ない。営業本部システム営業統轄部PA推進室の中嶋健太郎氏は「販売ノルマはなく、他社の製品を扱っていても問題ない。新しいソリューションを一緒に作り上げ、一緒にお客様に提案していくという趣旨にご賛同いただける企業なら大歓迎だ」とアピールする。

 withCの主な活動は、会員各社を集めて開かれる勉強会を兼ねた交流会だ。「関連性がある業種の方々にお集まりいただき、ディスカッションを重ねている」と事業戦略本部システムBU PA営業戦略部部長の小森主税氏。すでにそうした活動を通じて「食料品の賞味期限日付の自動認識」や「免税ショップでのパスポート記号番号の自動読み取り」といったソリューションを商談化できたという。

 また、半年に1回ほどの頻度で、エンドユーザーにハンディターミナルの最新動向や各パートナーが持つ最新のソリューションを紹介するセミナーを実施している。カシオ計算機が新製品を発表する際は、関連するソリューションを持つwithC会員企業が自社商材を紹介したりパンフレットを配布したりする場も提供している。
 

 さらに、今年9月にはwithC会員企業のソリューションを紹介するウェブサイトを開設する計画だ。ここにはエンドユーザーが「業種別」「用途」「利用シーン」などに応じて最適なソリューションを探すことができるコンテンツを準備する。

 「これからのハンディターミナルビジネスは、メーカーが個別でハードとソフトの構成を考えるのではなく、パートナー企業の皆様との長期的な協業で作り上げたソリューションをお客様の課題解決として提案していくというかたちになる。もちろん、お客様の潜在的な課題を掘り起こし、ソリューションをご提案することも必要である。そのための場が、パートナー会であるwithCだ。国内と海外、ソフトとハードを問わず、趣旨にご賛同いただける企業のご参加をお待ちしている」と小森氏は呼び掛ける。