MDM市場7年連続シェアNo.1を達成(ミック経済研究所調べ)しているアイキューブドシステムズの「CLOMO MDM」。そのCLOMOに新機能として17年5月に標準搭載されたのが、業務用デバイスの指定時間外の利用を原則禁止できる「ワーク・スマート」機能だ。これにより業務時間とプライベート時間をしっかりと切り分け、会社が把握していない「持ち帰り残業」や「隠れ残業」を防止、労働時間の見える化にも貢献する。今年8月にはWindowsにも対応し、一層の販売拡大を目指している。

指定時間外のモバイルデバイス利用を原則禁止にする「ワーク・スマート」

 CLOMO MDMは、iPhone、iPad、Mac、Android、Windowsなど、モバイルデバイスをリモートで一括管理できるMDM(モバイルデバイス管理)サービスだ。国内6000社以上に採用され、累計100万ライセンスを販売するなど、多くの企業・教育機関で圧倒的な支持を得ている。「EMM(エンタープライズモビリティ管理)」に必要な機能を幅広く提供し、スマートデバイスを導入する際に不可欠な「情報漏えい対策」「利用ルールの適用」「状態の監視」を、デバイス、アプリ、コンテンツのそれぞれに対して実行することができる。

 このCLOMO MDMが標準で備えているのが、指定時間外の業務用デバイスの利用を原則禁止にする「ワーク・スマート」機能だ。

 具体的には、管理者があらかじめ設定した業務終了時間になると、従業員の端末が「業務時間外モード」に自動的に移行してアプリの起動を制限し、指定アプリと電話機能のみが使用できる状態になる。これにより業務用デバイスの指定時間外の利用を原則禁止し、プライベートの時間は仕事を離れ、気持ちの面でも仕事から解放されるようになるというものだ。

 アイキューブドシステムズがワーク・スマート機能をリリースした背景には、日本の労働実態が深く関係している。同社が17年、首都圏在住のオフィスワーカー824人を対象に実施した「労働環境とストレスに関する実態調査」によると、自宅や外出先で早朝・夜間や休日に仕事をしている「持ち帰り残業」が約5割、また、「持ち帰り残業」をしている人のうち、会社に申告していない「隠れ残業」は8割以上にも上ったという。
 

林 正寿
営業本部
本部長

 「デバイスやクラウドなどシステム環境の進化で、いつでもどこでも仕事ができるようになったことにより、言い換えれば休日も関係なく、社員が24時間仕事から離れられない状況をつくり出している」と林正寿・営業本部本部長は語る。本来は生産性を上げるための環境を整備したつもりが、社員のストレスを増大させて、逆に生産性を下げる結果になってしまっているわけだ。

 「企業が社員の労働状況を把握することはより困難になっており、このような状況を放置して労務上必要な制限を設定しないでいると、ブラックな企業となる要因になりかねない」と林本部長は警鐘を鳴らす。

 なお、ワーク・スマート機能で設定した時間外に、どうしてもデバイスのアプリを使用したい場合は、利用申請により「業務時間内モード」に移行できるが、そのログが残るので利用実態はしっかりと把握されている。
スマートフォンでの「業務時間内モード⇒業務時間外モード」の遷移

モバイル利用が拡大するWindowsに対応。マイクロソフトとの協業で高度なMDMサービスを開発

 ワーク・スマート機能のメリットは、デバイスの利用時間を制限することで隠れ残業をなくし、社員の「働かない時間を確保」するだけではない。もう一つの大きな効果が、業務時間外におけるデバイスの利用実態を的確に把握するなど、時間外労働を可視化することで、管理者が業務時間を補正したり、社員が自主的に働き方を改善したりすることにもつながる点だ。

 「例えば、この時間までに業務を終らせないと指定時間外になってデバイスが使えなくなると意識すると、自ら時間の効率的な使い方を考えて行動するようになる。ワーク・スマート機能の導入は、企業側だけでなく社員一人一人にとっても、働き方改革を強く推進していくきっかけになると考えている」と林本部長。

 ワーク・スマート機能は今年8月、Windows 10に対応を拡大した。仕事では依然としてスマートフォンやタブレット端末よりもPCを使用するケースが多い。また、最近のモバイルPCの多くがLTEモデルを主力製品としてラインアップするようになっていることから、Windows対応は必須だったという。Windows版では業務時間外モード中に、アプリの利用可否をブラックリスト/ホワイトリスト形式で設定できるなど、より柔軟に利用できるようにしている。

 「当社は15年よりマイクロソフトと協業している国内唯一のMDMベンダーであり、今後も高度なWindows MDMサービスの開発を進めていく。ワーク・スマート機能のWindows対応で、ほとんどの業務用デバイスの適切な利用を実現することができるようになる。そのメリットを訴求するとともに、パートナーによるWindows PCとのセット販売も増やして、今後1年でCLOMO MDMの販売で150%の成長を目指したい」と林本部長は力を込める。
 
Windowsでの「業務時間内」「アプリロック画面」「解除申請画面」の流れ