NECが2017年4月に発足させた「AI・IoTビジネス共創コミュニティ」が順調に拡大している。顔認証を中心としたIoTソリューションの共創支援プログラムの拡充に向け、このほど、AIに関するメニューを再編。加えてRPA(Robotic Process Automation)の共創プログラムを新設するなど、パートナーへのさまざまな支援を充実させている。18年度中には200社以上のコミュニティ加入を目指す方針だ。

AI、IoT分野で新ビジネスを「共に創る」「共に売る」

 
NEC
プラットフォームソリューション
事業部
アライアンス企画グループ
エキスパート
広瀬真之氏
 AI・IoTビジネス共創コミュニティは、開発パートナー企業と共同でビジネス共創/ソリューション共創を目指す取り組みだ。ISV、SIerなどが持つ独自商材やノウハウと、NECが持つ世界トップレベルのAIやIoTなどの最新技術に、販売面、ビジネス面における各種支援プログラムを掛け合わせ、新たなビジネスを「共に創る」「共に売る」ことを目的としている。

 共創プログラムには、ソリューションを開発するソリューションパートナー、ユーザーに提案・販売するセールスパートナー、ソリューションの構築・運用・保守を担うテクニカルパートナーがあり、さまざまな支援メニューが用意されている。

 例えば、「共に創る」共創支援では、トレーニングや技術交流会の開催など、技術情報・支援を提供。「共に売る」販売連携では、NECサイトでの紹介、共同プレス・イベントへの協賛、案件の紹介などを実施している。また、共創したソリューションを、互いの商流または両社の商流を活用し、販売することもできる。

 「ISVやSIer様からの関心は非常に高く、昨年4月のコミュニティ発足後、すでに111社が加入(18年7月末時点)しており、中には初めて当社のパートナーになる方々も少なくありません」とプラットフォームソリューション事業部アライアンス企画グループエキスパートの広瀬真之氏は語る。

 ソリューション創出の促進と技術力の向上を目的とした定期的なイベント開催も盛んだ。累計約80社140人が参加した技術交流会「RAPID Technical Camp」では、各社混合グループでRAPID機械学習を使って分析モデルを作るワーキングセッションについて、「ノウハウが蓄積できる」「パートナー同士の横連携が生まれる」と、参加者から好評を博している。また、今年9月に開催されたAIや顔認証技術を活用したパートナーとの共創展示会では、約30ブースでソリューションを紹介し、来場者も1500人を超えるなど大いににぎわった。
 

AI関連の共創プログラムを統合 旬のRPAで共創プログラムを新設

 
NEC
AIプラットフォーム事業部
マネージャー
宮野 亮氏
 活況に比例してAIに関しても大幅な強化を図っている。18年8月から「NEC Software WORKS for AI(WORKS for AI)」として、従来のRAPID機械学習と画像認識のGAZIRUに関するプログラムを統合し、支援メニューを拡大した。WORKS for AIは、技術支援、ビジネス支援、販売・マーケティング支援の三つの柱で構成され、加えて参加パートナーから要望の多い、クラウド評価環境やノウハウドキュメントの提供、サンプルデータの拡充、特別ライセンスの提供など、新たに九つのメニューが追加された。

 「AI関連のビジネスコミュニティ活動は他社でも盛んですが、当社は必ずしも最先端のAIを志向してはいません。最先端のAIは研究対象として面白くても、ビジネス化するとなるとハードルが高くなるケースが多いからです。当社はパートナー様が安心してコミュニティに参加していただけることを重視し、ビジネス化に向け取り組みやすいプログラムを提供しています。これによりパートナー様の技術レベルを底上げし、お客様にとっても付加価値の高いソリューションを創出、いち早くマネタイズすることが可能になります」とAIプラットフォーム事業部マネージャーの宮野亮氏は強調する。

 もう一つ大きな強化点は、働き方改革などで世間の関心が高まっているRPAのニーズに対応するため、「NEC Software WORKS for RPA(WORKS for RPA)」を新設したことだ。NECのノンプログラミングRPAツール「NEC Software Robot Solution(RoboSol)」を活用し、定型業務はロボットに任せ、人がより付加価値の高い業務に専念できる環境の提供を目指す。8月にスタートしたばかりだが、すでに20社が参加するなど、注目度も高い。
 

 今後の共創プログラムについて、宮野氏は「WORKS for AIでは、ニーズの高い自然言語処理など今後3年で五つ程度の商材追加を検討中です。WORKS for RPAでは、ソリューションパートナーやテクニカルパートナーへの連携も順次拡大予定です」と語る。また、IoTに関しては、クラウド関連のラインアップ拡充を検討している。

 「多くのパートナー様に参加していただくとともに、そのフォローに注力したいと考えています。NECの共創コミュニティが目指すのは、パートナー様との共創を通じて、より多くのお客様に有益なソリューションをご提案し、顧客価値を創造することです。これまでNECと直接接点がなかったお客様にも新たな提案ができるようになるなど、大きな成果が出始めています」と広瀬氏はアピールする。

問い合わせ
NEC プラットフォームソリューション事業部
AI・IoTビジネス共創コミュニティ事務局
Mail:kyousou@pbml.jp.nec.com
URL: https://jpn.nec.com/iot/platform/community/index.html
 

「AI・IoT共創ソリューション展示会」を開催
共創パートナーによる、AIや顔認証技術を組み込んだ29のソリューションを紹介


 NECは9月6、7日の2日間、本社ビル多目的ホールにて「AI・IoT共創ソリューション展示会 ~つながる!広がる!パートナー×NECのAI・顔認証~」を開催した。共創プログラムの一環として、今年2月に次いで2回目の開催となる。今回はAIが加わり、機械学習や画像識別技術を活用したソリューションのほか、IoTではNECの顔認証エンジン「NeoFace」のクラウドサービス「NeoFace Cloud」との連携ソリューションが出展されるなど、バラエティーに富んだ展示となった。主な内容を紹介する。

機械学習を採用した検査システムを容易に開発

 センサーシステムの専業メーカーである日本エレクトロセンサリデバイスが展示したのは、検査・検品システムの核となる画像処理ソフトにNECの「RAPID機械学習」を組み込んだソリューションだ。

 検査・検品システムに機械学習を組み込むことは他社のシステムでも可能だが、実際の製造ラインで使用するには、さまざまな機能の追加やコーディングが必要になる。開発を外注すると、多額のコストと時間が掛かることが課題だった。

 同社では、特注システムのような複雑な案件でも画像検査システムを容易に実現できるようにするため、フローチャート式でプログラミングできる画像処理アプリケーション開発ツール「TechView」の機能にRAPID機械学習(Ver.2.2)を組み込み、コーディングや機能追加をすることなく機械学習を活用できるようにした。

 「TechViewなら、GUIで直感的にアプリを作成して、誰でも専用システムを短期間で開発できます。従来であれば、1カ月掛かっていた機械学習による画像処理システム開発が1週間程度にまで大幅短縮できる上、外注コストも不要。Windowsベースなので汎用的に使用でき、コントローラーとハード的に接続できる機器であれば、メーカーや機種を問わず接続が可能です」と日本エレクトロセンサリデバイスの営業企画室長の森田昌平氏はメリットを語る。

 すでに、自動車部品、食品メーカー、半導体などの業界から引き合いがきているという。

非接触型イベント入場管理で来場者に新しい体験価値を提供

 イベント運営者向けプラットフォーム「EventRegist」を展開するイベントレジストでは、「NeoFace Cloud」を利用した初の非接触型イベント入場管理システム「KAOPASS(カオパス)」を展示した。

 KAOPASS(カオパス)は、イベント申込時に参加者のプロフィール写真を登録しておくことで、イベント当日、プロフィール写真を基にした顔写真判定によって来場者受付を行うことができる。ライブ・コンサートやスポーツイベントなどで顔認証による受付は採用され始めてきているが、その目的は本人確認や不正入場の防止、チケットの転売防止が中心だった。

 「KAOPASS(カオパス)の主なターゲットはビジネスイベント。受付もイベントの一部として捉え、通常素通りしてしまう受付自体を新しい体験価値を提供する場にしていきたい。スムーズな入場の実現はもちろんですが、従来のような目的だけではなく、来場者の方々により先進的・革新的な体験を提供することで、イベントが持つブランド価値も向上することができます」とイベントレジストでセールス&マーケティングを担当する村松烈氏はアピールする。

顔認証システム×窓口受付システム 迅速に来店客をおもてなし

 各種通貨処理機やシステム開発、製造、販売を手掛けるローレルバンクマシンが展示したのは、NECの顔認証と組み合わせた金融機関向け窓口受付システムだ。受付発券機としての機能を備え、顧客が来店してシステムにタッチすると、内蔵するカメラで顔画像を取得・認証し、スタッフへ通知することにより、迅速かつ来店客をもてなす対応ができるよう支援する。

 「インターネットバンキングの浸透もあり、この10年で金融機関の来店客は3割ほど減少していますが、だからこそVIP顧客をしっかり囲い込みたいというニーズは強い。このシステムならVIP顧客の顔を知らない新人や異動直後のスタッフでも適切な対応が可能です。また、CS(顧客満足)向上に加えて、金融機関側の受付、窓口対応業務も効率化できます。IDカードの認証システムと比較してもコストは数分の1で済み、顔認証ならカード忘れも関係ありません」とローレルバンクマシンの営業企画統括部システム企画部部長の小澤茂樹氏は説明する。

 このシステムは、外部システムとの連携機能により受付機の業務選択ボタンと連動して、顧客を最適な場所に誘導したり、VIP顧客により質の高いサービスを提供したりすることができる。金融だけでなく医療機関、小売業などの業態でも受付システムとして活用でき、自治体からの問い合わせも多いという。

多様なパートナーと創り出す新たなソリューション

 このほか、AI技術を活用してブランド品と鑑定書をひも付けたレポートを発行することで、商品の入れ替えを防止するアプレの「TALグレーディングレポート発行サービス」や、ドローンとAIを活用して低コストで農地を画像判定し、情報を収集する「農地把握ソリューション」をはじめ、ユニークな展示が注目を集めた。

 また、唯一のRPA展示となったNECの「RPA 業務効率化ソリューション」では、ノンプログラミングでRPAを可能にする容易さに関心が集まっていた。

 NECのAI、顔認証技術を組み込んだソリューションを開発するパートナーが出展した今回の展示会では、計29のソリューションが披露され、9月6、7日の2日間で販社、SIer、ユーザー企業など1500人を超える来場者があり、両日とも大盛況だった。12月5日に関西での開催も予定されており、今後ますます“共創”の動きは加速していくだろう。
 
日本エレクトロセンサリデバイス

イベントレジスト

ローレルバンクマシン

NEC
大盛況の展示会、関西での開催が決定!
パートナーの製品・サービス×NECのAI・顔認証製品による
共創ソリューションを一堂に展示。是非ご参加を!(入場無料)
     AI・IoT共創ソリューション展示会 in 関西
https://jpn.nec.com/niw/kansai/seminar/kengakukai/1812.html