エンドユーザーの希望を満たす見積もりの作成と確認に手間がかかる――。構成に間違いがあったのでディストリビューターとのやり取りに時間がかかった――。販売店のこのような悩みを解消するのに役立つのが、Dell Technologiesの「eカタログサイト」だ。ここに掲載されている約3000の「e型番」は全て確認済みの構成。見積/発注の手続きがスピーディーになるので、エンドユーザーの満足度を高められるだけでなく、販売店の働き方改革にも効果が見込める。今回はSB C&S協力の元、Dell Technologiesにインタビューを実施した。

確認済み構成にe型番を振って
見積依頼/発注をスピードアップ

 「当社の売り物は、販売店様が自由に構成を選べるフルカスタマイズ。ただ、全ての組み合わせを積み上げると数十万通りにもなるため、見積作成や確認にどうしても手間がかかってしまう。また、ディストリビューターや当社も、請け負った構成をチェックするのに時間がかかっていた」。こう語るのは、Dell Technologiesの後藤和美・パートナー事業本部第一営業本部第一営業部インサイドセールスマネージャーだ。
 
後藤和美 パートナー事業本部 第一営業本部
第一営業部 インサイドセールスマネージャー

 販売店から電話・Fax・メールで送られてくる“オフライン”の見積依頼や注文は、いわば未チェックの状態。「ありえない構成」や「組み合わせ不可のオプション」がないかをまず確かめないと、その後の作業に取り掛かれないのである。もちろん、このような状況を改善するための取り組みは以前から行われていた。例えば、グローバルで展開している特定企業向けの専用サイト「プレミアページ」。このサイトを持つ企業は、個別仕切りが適用されオンラインで見積もりや発注が可能なため、利便性は高いが、オフラインからくる販社からの発注書と内容を照合する作業は変わらず、作業効率的にはそれほどの効果が見られなかった。またグローバル仕様のため、一部日本の顧客ニーズに合わないところもあった。

 そこで、Dell Technologiesは5年ほど前に日本市場独自の仕組みとして「プレミアページ」の機能を大幅に拡張した「eカタログサイト」(https://japancatalog.dell.com/c/)を開設。納入実績が多い約3000種のパターンに構成確認済みの「e型番」を振って、販売店とディストリビューター間のやり取りをスムーズに行えるようにした。初めはごく限られた運用だったが、昨年度のサイトリニューアルをきっかけに内外で認知度を高める活動を促進することで、大幅に利用率がアップした。

 eカタログサイトの使い方は、とてもシンプル。まずは、「デスクトップ」「ノートパソコン & 2in1」などのタブを切り替えて製品一覧の中から探すか、製品名で検索して候補を選定。プロセッサーの種類やメモリ容量などの条件があれば、さらに絞り込むことも可能だ。
 

 このようにして製品を選んでから「構成を確認・購入」ボタンをクリックすると、次の画面にシステム構成やカスタマイズ項目などがe型番とともに表示される。「販売店様が見積依頼や発注をする場合、画面の一番下にあるボタンでSB C&SなどDell認定ディストリビューターを選ぶだけで、取引のあるディストリビューターのサイトでも、e型番の詳細が確認できる」と後藤マネージャーは説明する。

フルカスタマイズよりもお買い得
販売店の働き方改革にも貢献する

 e型番は、このほかにもさまざまな方法で共有できる。まず、見積依頼/発注する構成の内容は、PDFまたはCSVファイルとしてダウンロードすることが可能。注文主のエンドユーザーに提案書や見積仕様書として提出するために活用するといいだろう。ユーザー企業からもアクセスできるので、e型番を伝えてユーザー企業側で見てもらう利用法も考えられる。

 また、構成をとことんカスタマイズしたい場合は「シェアードプレミア」という見積依頼/発注の方式も選べる。「シェアードプレミアでできることは従来の法人直販サイトとほぼ同じだが、問い合わせ番号で構成をディストリビューターと共有できる点が異なる」と後藤マネージャー。それ以降のやり取りは、問い合わせ番号を基に、正確でスピーディーに商談を進められる。

 このほか、eカタログサイトにはDell製品を販売するために役立つさまざまな情報も掲載されている。現段階で、新製品情報、キャンペーン情報、イベント情報、リンク集にある「ダウンロード」のサイトから製品カタログなども入手可能だ。

 販売店にとっての直接的なメリットもある。e型番が付されているモデルのうち、特に納入実績が多いものは「流通在庫」として、ディストリビューターが製品を保有し、短納期での納入が可能。納期が厳しい案件には、最適の選択となることだろう。

 さらに、e型番は固定構成のモデルなので、フルカスタマイズモデルに比べて価格は低く抑えられている。後藤マネージャーは、「モデルによって多少異なるが、当社定価で1万円前後は得になる」という。案件の多くを占める“典型的な構成”をe型番で見積依頼/発注することによって、価格競争力を高めることができるはずだ。

 eカタログサイトを利用したオンライン見積依頼/注文については、販売店の働き方改革にも役立つ。「eカタログサイトからの注文で当社の構成チェックの時間は、1日当たり1人1時間は短くなっている。販売店様も、同程度の能率向上効果があるはず。eカタログサイトの利用で生み出された余裕時間を、セールスなどの生産的な業務にあてることができる」と後藤マネージャーは捉えている。

 後藤マネージャーによれば、販売店からの見積依頼/注文に占めるオンラインの比率は現時点で約30%とのこと。これを、できるだけ早く50%台に高めていくことが当面の目標だという。小型のサーバーやワークステーションにも、e型番付きのモデルは増えてきた。

 業務を効率化することによって、働き方を改革しつつ、本来のセールス活動に取り組む時間を確保する――。販売店にとって、eカタログサイトは欠くことのできない業務支援ツールとなることだろう。