特別講演2では、中国のDatatang Technologyの斉紅威CEOが登壇。「データはAIを駆動:応用革新と情報セキュリティ」をテーマに講演した。

CEO
斉紅威氏

 はじめに斉CEOは、AI技術は完全に応用時代に突入したと強調した。米国デロイトの「世界の人工知能の発展白書」によると、世界市場は、今後数年で驚異的な成長を遂げる。2025年の世界市場の規模は6兆ドルを超え、17~25年の複合成長率は30%に達すると予測している。

 その背景には、大規模データの利活用、分散コンピューティング能力の向上とディープラーニング・アルゴリズムのもとでの、データドリブン型AIの急速な発展があるという。これにより人の顔の認識、音声認識、自動運転が飛躍的にレベルアップしている。

 AIの発展は、データサービスの新産業への発展に即しているが、そこでは言うまでもなくデータが中心的な役割を果たすため、データ処理が大きな産業になりつつある。

 「データはAI産業の生命線であり、データを掌握すれば、産業のコアリソースを掌握できる」と斉CEOは強調する。

 データに対する需要は15年までは大学などの研究開発機関が中心であったが、現在はITやインターネット企業が中心の第二次需要期に入った。そして、これからは保険、銀行、電気通信、電力、自動車、製造、教育、化学、不動産など従来型企業による第三次需要期に向かうとする。

 その一方で、データサービスはセキュリティの課題に直面しているとも指摘する。データの移転では、世界の主要国には明確なデータの国内外移転に関する法規がある。人顔などに関するデータはユーザー識別情報にかかわり、個人のプライバシーに触れる。また、企業そのものと顧客の営業秘密にかかわるデータも多いことから、漏えいが厳しく禁止されている。その解決策の一つが、元データをそのまま使用するのではなく、元データの抽象的な特性のみを出力して、元データまで遡れなくすることだ。

 「AIの各分野では、基本的な知能機能を学習するために基本的なデータセットが必要になる。当社では、その提供を行っている。また、各国の規制やセキュリティの課題にも対処している」としている。

 そして、20年に日本企業のウィンリッヂと合弁会社を設立し、日本企業に適したサービスを積極的に提供していくことに力を注ぐと語った。