ネットワールドは2月26日、「【Webセミナー】新年度から使える!Dell EMCストレージ製品の最新情報教えます~Dell EMC de Night~」を開催した。当初はホテルを会場に開催を予定していたが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴って「Webinar(ウェビナー)」へと変更。セミナーでは、Dell EMC製品の販売を手掛けるパートナーに向け、Dell EMCストレージ製品の最新情報と新年度に向けての製品の提案・選定方法を解説。また、ネットワールドがDell EMCのストレージを「ガチ検証」した結果をレポートした。

販促に役立つディープなセミナー
Dell EMC製品を解説

 Dell EMC de Nightは、ネットワールドが販促活動や新製品の検証結果から、パートナーの販促活動に役立つネタやマニアックな情報を提供するディープなセミナー。前半は、旧ストラテジックプロダクツ営業部(セールスコンサルティング部)でDell EMC製品を担当する小澤康弘氏が登壇。「ディストリビューターだから見えてくるDell EMCストレージがハマる顧客層」と題し、Dell EMC製品の提案・選定方法を解説した。

 まずは、ネットワールドが取り扱うDell EMCストレージ製品の紹介。エントリー~ミッドレンジ向けのユニファイド「Dell EMC Unity XT」、スケールアウトNAS「Dell EMC Isilon」、ハイエンド向け「PowerMax」の3製品を取り上げた。

 Unity XTの特長は、環境を問わず利用可能な万能型のユニファイドストレージで、用途や予算に応じて選択できるモデルの豊富さ。

 「『Unity』シリーズの販売台数は、リリースした2016年に比べて2019年の出荷台数は2倍以上に増加した。ユーザーは、75%以上をSMBからミッドレンジ規模(2000人以下)の企業が占める。使用目的も手頃なNASとして、VMware用途、大容量アーカイブ、オールフラッシュストレージ、DRなど多岐にわたる」と小澤氏。

 スケールアウトNASの「Isilon」は、現在第6世代目となる非常に人気の高いストレージシリーズである。Isilonの特長としては、容量とパフォーマンスをリニアに拡張できる製品であること、さらにペタバイトを超える容量ですらシングルネーム(単一フォルダ)で利用可能な点だ。

 ノード数が増えると障害発生の可能性が高まるが、Isilonは複数のノードが停止してもクライアント側への影響は一切ない。また、リプレイスの際にもクライアント環境に影響なくハードウェアの入れ替えが可能な構造も大きなメリット。

 Unity XTとIsilonの選択基準は、用途と目的で異なる。Unity XTはスケールアップ型で、コントローラの性能上限が能力の上限。それ以上の性能を求めるなら、コントローラのアップグレードが必要だ。ただし、ユニファイドストレージなので、SANにもNASにも利用できる。一方、Isilonはスケールアウト型なので、コントローラの搭載個数を増やせば上限を高めることができるが、用途はNASに限定される。

 小澤氏は、「当社の販売傾向からは、Unity XTは数TBから数十TBまでが多い。やろうと思えば10PB級まで可能だが、大容量の場合はファイルサーバー用途が多いので、Isilonが得意な領域といえる。コストや用途に合わせて機器選定、提案ができるのがDell EMCストレージの魅力である」とアピールした。

最新技術をサポートする
PowerMaxの可能性に迫る

 ストレージ業界でも近年対応が進んでいるNVMe over Fabric(NVMe-oF)だが、いよいよ実運用においてもVMware vSphere 7のリリースをきっかけに大きく広がっていくという。VMware vSphere 7では、FC、iSCSI、NFSに加えて、NVM Express(NVMe)over Fabricをサポートすることが実現されており、従来よりもはるかに多いIO処理を行える。

 もう一つがStorage Class Memory(SCM)のサポート。理論上はNAND SSDの1000倍の性能を持ち、高負荷な書込みが発生した状態であってもリードレスポンスが落ちないという特性を備える。

 PowerMaxはオールフラッシュ、オールSCM、階層型(フラッシュとSCMの併用)を用意する。また、マシーンラーニング機能を搭載し、ユーザーのアクセス傾向を分析・予測して傾向を把握し、アクセス頻度(重要度)の高いデータを事前にSCMに自動配置できる。

 小澤氏は、「PowerMaxの高速なNVMe overFabricによって構成されたストレージネットワークと、SCMデバイスによって高速化されたストレージ環境が2020年代の新しいIT市場において非常に重要なキーワードになる。PowerMaxは、高速で安定、高い耐障害を備え、価格も魅力的になってきた」とメリットを語った。

 最後に、ネットワールドの検証センターPICに実機を設置しているので、実際に使ってみたい、実験や検証したいといった要望があれば、気軽に声を掛けてほしいとアピールした。
 
新型コロナウイルス対策として「Webinar」に変更

「ガチ検証」をレポート
障害に非常に強いPowerMax

 セミナーの後半パートでは、ハイエンドストレージの「PowerMax」とミッドレンジストレージの「Unity XT」について、ネットワールドが独自に「ガチ検証」した結果を詳細にレポートした。
 

 まず、SI技術本部ストレージ基盤技術部の滝山田淳氏が登場。PowerMaxについて各種の障害試験を実施し、検証結果を解説した。

 テスト環境PowerMax HW構成は別図の通りで、メインの負荷試験ツールであるvdbenchを接続したCentOS搭載機については、影響を鮮明にするため、あえてHBAとコントローラは1対1というシンプルな構成とした。テスト方法は、vdbenchを配置したサーバーからI/Oをかけ、PowerMaxに搭載された各パーツに擬似障害を発生させるもの。
 

 滝山田氏は、「全部で17の試験を実施した結果、IOPSやレスポンスに影響ありと判断された項目は、ファームウェアアップデートとダイレクタ(コントローラ)障害の2項目のみと優秀だった」という。

 ファームウェアアップデートでの実際の影響時間は5秒間で、サーバー側のチューニング次第ではさらに短縮の可能性もあるという。また、ディレクタ障害を想定し、片方のディレクタの取り外しを行う試験でも3秒ほどの影響で済む。滝山田氏は、「CPU、メモリ、サーバー接続ポート、バックエンドポートの全てが半分となる大きな障害でも3秒で済むというのは、相当に優秀といえる」と語った。
 

 なお、この検証結果を元にDell EMC側でも独自に検証を実施している。その結果、ファームウェアアップデート時の影響を1秒にまで短縮したというレポートも紹介しPowerMaxの耐障害性について紹介した。
 

Unity XTの性能は
インターフェース数が重要になる

 次に、Unity XT オールフラッシュ編と題して、ストレージ基盤技術部の山元紀一氏が、Unity XTの性能検証結果について紹介した。

 UnityXTは、19年にUnityの後継モデルとしてリリースされた製品。XT480以上のモデルはCPUにSkylakeを搭載、25GbEインターフェースを備え、将来的にNVMeにも対応する。

 今回、検証に使用したのはUnity XT480Fモデル。各スイッチ/サーバーとも全て25Gネットワークで接続し、1つのSP(コントローラ)から出る物理線が2本と4本のパターンを用意。また、1台のVM(仮想マシン)がつかむLUNも1つと2つのケースを用意し、8または16の構成として、パスの増減によるパフォーマンスの変化とLUN数によるパフォーマンスの変化を検証した。
 

 まず、1コントローラについて2ポートあたり8LUN構成では、ドライブ数25で16万9000IOPS、1本あたり6700IOPSを達成。1LUNあたり2万IOPSと十分な性能で、スループットは22Gbpsなので10GbE接続線でも十分な結果となった。とはいうものの、25GbE接続での検証を行う以上、もっとパフォーマンスを出す方法を求めて、再検証することになったという。

 山元氏は、「CPUコアを細かく精査すると、Unityでは特定のサービスポートと CPUコアが紐づく仕様のため負荷が集中していたことが判明。その平準化で改善できると考えた。パフォーマンス改善には、ポート/LUNをなるべく多く使うことが重要になる」と説明する。

 再検証では、SPあたり2ポートの構成を4ポート構成に変えて検証したところ、ドライブ数25で27万IOPS、1本あたり1万800IOPSにまで向上。スループットは36Gbpsに高まった。

 次に実施したSPあたり4ポート・16LUN構成では、27万4000IOPS、37Gbpsであった。「これらの検証結果から、Unity XTについては使用するインターフェース数が重要であり、LUNはむやみに増やせばいいというものではないことが分かった」と山元氏。

 Unity XT480Fモデルでは、今回、27万IOPSを出せることが実証された。1LUNあたり3万3000IOPSで、構成としてはSPあたり、4ポート・8LUNが良いのではないかという。また、スループットは37Gbpsの帯域なので25bEG接続は重要であるとした。

 今回のWebinarではネットワールドが独自で集めた販売傾向や検証結果を元にした内容となったため、メーカー発信の情報とは視点が異なる印象だった。よりパートナーに近いディストリビューターだからこそ発信できる細かな情報は、参加者の今後の提案活動に活かされるだろう。