新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、その対策としてテレワークの実施、あるいは導入を目指す企業が急増している。一方で、テレワークの実施にあたって、デバイスの適切な管理およびセキュリティの確保に加え、働き方の管理が必須になる。モバイル管理プラットフォーム「CLOMO」を提供し、MDM市場においてトップクラスのシェアを獲得しているアイキューブドシステムズに、テレワークにおける課題と対策について聞いた。

営業本部営業部の川村豪アカウントマネージャー(左)と
同部システムエンジニアチームの皆川晃菜氏

テレワークではWindows PCもMDMで適切に管理すべき対象

 昨今の新型コロナウイルスの感染拡大は、企業の活動にも大きな影響を及ぼしている。政府は2月25日、新型コロナウイルス感染症対策の基本方針を発表、企業などに対して時差出勤やテレワークを実施するよう推奨。すでに、大企業を中心に多くの企業がテレワークを実施し、オフィスに出社せずに在宅勤務やレンタルオフィスなど、リモートで業務を遂行する企業が急増している。さらに、緊急事態宣言が発令されるような事態になれば、中小企業でも否応なくテレワークの実施を検討せざるを得なくなるだろう。

 「当社にも、テレワークの実施を検討している企業からの問い合わせが急増している。その際にユーザー企業の多くにとって課題となるのが、端末の適切な管理。特に、多くのオフィスワーカーは、これまでWindows PCはファイアウォールに守られた会社のデスクで使用するもので、社外に持ち出さないことを前提としていただけに、いきなりのテレワークの実施は、IT管理者にとって悩みであり、大きな負担にもなる」と営業本部営業部の川村豪・アカウントマネージャーは説明する。
 
テレワークの実施において端末の適切な管理が重要と説明する
川村アカウントマネージャー

 アイキューブドシステムズが提供するモバイル端末の管理ソリューション「CLOMO MDM」は、MDM市場で9年連続トップシェア(ミック経済研究所調べ)を獲得している製品。端末にインストールすることで、リモートでデバイスの利用状況が把握できるほか、各機能や特定アプリケーションの利用制限、設定の一括適応やアプリの配布・管理ができる。デバイスの盗難や紛失の際に、遠隔で端末の強制ロックやデータ消去を実行でき、さらに指定エリア以外にデバイスが持ち出された際にアラートを発する機能などにより、セキュリティをしっかり担保できる。

 「MDMというと、スマートフォンやタブレット端末向けの管理製品と思われがちで、Windows PCは資産管理ツールで、スマートフォンとは別々に管理するものという印象を持っている管理者の方も多い。その点、CLOMO MDMは、iOS、Androidはもちろん、Windows 10にも対応しており、IT管理者が把握したいユーザー向けのOSを、すべて分かりやすいコンソールで一元管理できる」と営業本部営業部システムエンジニアチームの皆川晃菜氏はメリットを語る。
 
CLOMO MDMのメリットを語る皆川氏

 CLOMOは2016年にWindows 10対応をしているが、なぜ今WindowsをMDMで管理することを強調しているのだろうか。それは、Windows 10によって電源管理がスマートフォンのように進化してきたが、2019年9月の大型アップデートでモダンスタンバイがデフォルトになり、スリープ状態のモバイルPCであってもネットワーク接続を続けて管理コマンドを強制的に実行できるようになったためである。

 「LTE対応のSIM付きWindows PCが増加し、オフィスのデスクだけでなく、当たり前のように持ち運んで使用する本格的なテレワーク時代になる中で、MDMを用いた管理は必須になっていく」と川村マネージャーは語る。

「ワーク・スマート」機能が働き方改革に向けた隠れ残業対策に

 テレワークの実施で、もう一つの課題が働き方の管理だ。いつでも、どこでも働ける環境となると、ときには際限なく仕事をしてしまうこともある。また、在宅勤務となると、どうしても公私の時間の区別が付けにくくなる。一方、19年4月施行の「働き方改革関連法」では残業時間の上限規制への罰則も規定されるなど、適切な対応が必須となる中でIT管理者だけでなく労務管理者の負担も増している。

 そこで、アイキューブドシステムズは17年5月にCLOMO MDMの新機能として管理者があらかじめ設定した時間外のデバイスの利用を制限する「ワーク・スマート」機能の提供を開始。18年8月にWindowsにも対応した。

 「ワーク・スマートは、CLOMO MDMの標準機能として提供している。あらかじめ決められた業務時間を過ぎるとデバイスの機能を強制ロックして、時間外労働や隠れ残業など、過剰な業務を防止することが可能だ。働き方改革だけでなく健康経営のサポートに貢献できる」と川村マネージャー。

 組織ごとに利用できる時間帯を変更でき、適用される曜日を設定することも可能。ワーク・スマート制限が適用中のデバイスでは、最低限の機能のみ利用できるようになる。なお、利用者からの申請があった場合は、デバイスの制限を一時的に解除することも可能だ。一時的な解除は全て記録され、利用者の時間外利用を把握する仕組みとしても活用ができる。

 今後のCLOMO MDMの拡販に向けては、従来からの通信キャリアに加えて、新しいパートナーとも積極的に組んでいく方針だ。テレワークをテーマにしたMDMの販売では、LTE搭載のWindows PCの販売とセットにした業種・業務特化のソリューション提供を考えているという。

 「実際、最近はSIerの方々と組む機会も増えている。まだ、テレワークといわれても、何から手を付ければ良いのか分からないという方も少なくない。全社のポリシーから見直すとなれば大変だが、まずはワーク・スマートで業務時間外におけるデバイスの利用状況の正確な把握など、時間外労働を可視化し、働き方の改善につなげていくことをアピールしたい」と皆川氏は強調する。

厚生労働省のテレワークに関するガイドラインに準拠したCLOMO

 テレワークというと、カンファレンスツールなどのコミュニケーションツールの整備に気持ちが向きがちではあるが、PCなどデバイスの適切な管理と不測の事態でのデータ保護を行うことも重要である。
「厚生労働省が提示するテレワークに関するガイドラインでは、仕事とそれ以外の時間の切り分けなど、社員の適切な労務管理を行うことも重要事項としている。CLOMOはセキュリティと労務管理の両面を支えることができ、そのための特別な機器追加が必要ないので即始めやすい」と皆川氏は笑顔で語る。