セッション5ではアンラボ 営業部 アカウントマネージャーの宮本明氏が「中小企業市場における『V3 Security for Business』の展開とアンラボのパートナー戦略について」と題し、同社の主力製品とその販売方針をアピールした。
アンラボ 営業部 アカウントマネージャーの宮本明氏
アンラボは韓国発のアンチウイルスサービスベンダーで韓国のサイバーセキュリティ市場では65%~70%のシェアを占めている。現在エンドポイント、ネットワーク、監視サービスでソリューションを展開しており、今後日本向けに注力していく商材はクラウド型エンドポイントソリューションの「V3 Security for Business」だ。
同製品はAIと機械学習を活用したマルウェアスキャンを基本機能としてウェブサイトフィルターやランサムウェア対策などの機能を包括的に提供するもの。スマートフォン向けには位置情報確認とリモートロック・ワイプ機能を用意しているほか、サーバー・PC・スマホを含めた全ての端末を一元管理できるコンソールを提供する。
クラウドでの提供になるためサーバーの選定や初期投資が不要で、導入時のコストと手間を削減できる。料金体系は1ライセンス年間4608円。宮本氏は「クラウド型サービスとしては最後発になるものの、他社製品のユーザーからはよりコストがかからないものがあれば検討したいという声が強かった。ここをしっかりと刈り取っていきたい」と意気込む。
22年12月までに300社とパートナー契約を結ぶ考えで、「少しでも興味があればぜひ声をかけてほしい」と宮本氏は呼びかけた。
最後のセッション6ではウェブルート エンタープライズ営業本部 本部長の渋井政則氏が登壇し、「Managed Service Provider ビジネスへの近道・売り上げポートフォリオ安定化に寄与するリカーリングビジネス」をテーマに、同社が提供するクラウド型エンドポイントセキュリティ「SecureAnywhere Business Endpoint Protection」とそのマネージドサービスプロバイダー(MSP)制度についてプレゼンした。
ウェブルート エンタープライズ営業本部 本部長の渋井政則氏
ウェブルートはエンドポイントセキュリティに加え、脅威インテリジェンスデータのOEMを事業の柱とせてビジネスを展開している。特に脅威インテリジェンスデータは10ペタバイト以上のボリュームを持っており、その内容について自社のサービスやネットワーク機器ベンダーを中心とするパートナーのデータを基に日々更新している。
一方、エンドポイントセキュリティソリューションについては、脅威インテリジェンスを基にした白黒判定やふるまい検知、万が一、端末が感染した際に感染前の状態に戻す「ジャーナリング&ロックバック機能」などを備える。また、一連の処理の多くはクラウド上で行われるため、エッジ端末のパフォーマンスを阻害しないという。
ウェブルートでは同ソリューションのMSP制度を2種類用意している。サービスプロバイダーとなる「Managed Security Service Provider(MSSP)」とMSSPが提供するサービスの再販業者となる「MSSP resaller」だ。MSSPは同ソリューションを自社ブランドとして展開できるほか、独自の付加価値サービスを付与することも可能。渋井氏は「通常のライセンスの再販ビジネスと比べ解約率の低いストックビジネスになる」とメリット強調する。一方のMSSP resallerでは管理・運用の負担を減らしつつビジネスを展開できる。現在20社ほどがMSP制度に加入しているが、「1年程度のパートナー様でも1万台は積みあがっている。急に大きな案件にはならないが、付加価値として徐々にやっていくことでビジネスを下支えしてくれる」と渋井氏はアピールした。
会場には多くの参加者が集まり盛り上がりを見せた。
週刊BCNは12月6日、大阪市で「全国キャラバン 2019 in 大阪 SIer・リセラー必見! 有力商材で広がるITビジネスセミナー」を開催した。同セミナーは法人向けITビジネスに取り組むSIerやリセラーを対象に全国各地で開催しているもので、大阪市での開催は今年2回目。6社のソリューションベンダーが集まり自社の主力製品を紹介したほか、識者が業界動向を解説した。