【PCビジネスの在り方を変えるアフターコロナ1】 新型コロナウイルスに起因する世界中を巻き込んだ凶禍は、人々の生活様式を一変させ、大規模イベントの自粛、飲食店・遊興施設への休業要請、テレワークの推奨など、経済や働き方、暮らしに大きな変化をもたらした。テレワークを軸にした「命を守る働き方の構造改革」はコロナ禍以後も、アフターコロナの新常識として、ユーザー企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する一つの指標となる。新連載『PCビジネスの在り方を変えるアフターコロナ』の第1回は「業務PCの調達」について取り上げる。


 新型コロナウイルス感染症対策に伴うテレワークの拡大や、外出自粛要請に伴う巣ごもり時間の増加で、3月以降、PCの需要が拡大している。特に人気なのが、持ち運びしやすいモバイルノートPCだ。全国の主要家電量販店・ネットショップからPC本体、デジタル家電などのPOSデータを収集する「BCNランキング」によると4月のノートPC販売台数の前年同月比は146.4%と大幅に伸びており、店頭では一部人気モデルの品切れも見られた。

 現状では、急遽実施を余儀なくされた在宅勤務に対応するためにモバイルPCが必要となり需要が伸びている形だが、アフターコロナやウィズコロナの状況を考慮して、企業がこれからPCの調達を考える場合は、少し視点を変える必要がある。

 「新しい生活様式」が求められる中、テレワーク対応が必須であることに変わりはないが、オフィスワークに戻る社員もいるため、必ずしも選択肢をモバイルノート一択に絞る必要はない。

 そもそも、モバイルノートは他のPCと比べて高価であり、携帯性を重視するために操作性が制限される。その条件下ですべての業務PCをモバイルノートにすると割高であるし、モバイル型にこだわってコスト面を理由に低スペックのPCを導入してしまうと、従業員の労働生産性が著しく落ちる。

 重要なのは、働く際のパフォーマンスの向上である。そのためモバイルノート以外のテレワーク対応PCにも目を向けたほうが良い。最近では超小型のデスクトップPCも登場しており、可搬性も高く従業員の自宅にも無理なく設置できる機種もある。同じ額を支出するのであれば、むしろ大画面のディスプレイや周辺機器、セキュリティ対策に投資して、作業効率を高めるという考え方をとる方が生産的である。

 ほかにも、3DCADやグラフィックデザインなどの特別なアプリケーションを使用する職種や、大容量コンテンツを扱う業務などでは、ノートPCへの代替が困難、または無理な代替が生産性の低下を招くこともある。そのケースでは逆に、ハイエンドなデスクトップ型でなくても、ノートPCと同等サイズの軽量なモバイルワークステーションも販売されているので、それを採用することで従来困難であった職種でのテレワークも可能になる。

 アフターコロナの時代にはリモートワークが重視されるが、どんなロケーションでも社員が能力を発揮できるように、複数の選択肢の中からしっかりと検討して適材適所でのPC選びを心掛けるべきである。


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